2023シーズンのJ3全20クラブをおさらいしよう① 八戸・いわて・福島・YS横浜・相模原・松本
J1、J2から遅れること2週間、ようやくJ3も開幕ですね。
毎年思うんですが、この「祭りに乗り遅れてる感」が少し切ないので、J3も開幕時期を合わせてもらえないものでしょうか。笑
今年はついにリーグロゴがJ1,J2と統一され、ようやくよく分からないオリジナルリーグから脱却できました。
リーグとしてもJ2経験クラブが過半数になりましたし、クラブ数もついに20に到達しました。魅力度もプレーレベルもここ数年でグッと上がったように感じます。
リーグの開幕を前に、参加する全20クラブをおさらいしていこうと思います。
ヴァンラーレ八戸
■概要
昨年順位:10位(32得点、46失点)
監督:志垣良 → 石崎信弘(新任)
■オフのトピックス&雑感
IN:13名
GK大西勝伍(鹿児島)
DF三ツ田啓希(松本)
MF姫野宥弥(富山)
FW宮本拓弥(藤枝) など
OUT:17名
DF下堂竜聖(→富山)
MF野瀬龍世(→北九州)
FW萱沼優聖(→YS横浜) など
後半戦でチームを躍進させ、過去最高順位タイの10位までチームを押し上げた志垣監督と更新せず。
後任は名伯楽・石崎信弘氏。
CB陣は近石以外ほぼ総入れ替えの様相。
石崎監督は藤枝でも富山でも3バックを採用している。補強を見ても3バック適性の高そうな選手が続々と加入。
21シーズンの岐阜で活躍した三ツ田を筆頭に、ハイタワーが居並ぶ。攻撃でも守備でも空中戦の迫力が凄そう。
野瀬の後任となる左WBは、石崎氏の薫陶を受けた稲積が第一候補か。
アタッカー陣では待望の点取り屋・宮本が加入した一方で、相棒になるはずだった萱沼がYS横浜に移籍。
2年目の佐藤碧や渡邊が攻撃のけん引役か。山内陸(札幌大)にも早いうちから出番が来そう。
中盤の層が厚くないだけに、ポリバレントな妹尾は重宝されそう。
GKは年齢構成も含めてバランスがよくなった。
車で本州縦断した大西、ケガから見事に復活してJに返り咲いた相澤など、みんなキャラ強め。
いわてグルージャ盛岡
■概要
昨年順位:22位*(35得点、80失点) *J2
監督:秋田豊 → 松原良香(新任)
■オフのトピックス&雑感
IN:14名
GK丹野研太(川崎)
DF李栄直(琉球)
DF石田峻真(相模原)
DF新保海鈴(山口)
FWドウグラス・オリヴェイラ(札幌) など
OUT:20名
GK野澤大志ブランドン(→FC東京)
DF牟田雄祐(→琉球)
MF石井圭太(→クリアソン新宿)
MF小松駿太(→期限満了)
MF奥山洋平(→町田) など
J3を席巻した屈強なスタイルも、J2では押し通すことができず。
中村や牟田、ブレンネルといった選手の退団は、1つのサイクルの終わりを感じさせる。
秋田監督は退任し、そのままクラブの社長に就任。後任は松原良香氏。
経営体制刷新の影響なのか、10名近い選手が年明けまで未更新だった。
編成で出遅れた感は否めない。「一人牟田山脈」を最高峰としたCB陣はほぼ全解体。
補強から「4バックでボールを握りたい」という声が聞こえる。
石田、新保の両SBは上質。どちらも個人昇格してもおかしくなかった。ただ控えに同じタイプが少ないのは気がかり。
左利きのMF松原は昨年の岩手にいなかったタイプ。監督のサッカーの体現者になるかもしれない。
退団が20名ととても多く見えるが、戦い方が大幅に変わりそうなことを考えるとこれでも少ないかなという印象。ケガ人が出たりして戦術と戦力のミスマッチが顕在化しないか心配。
福島ユナイテッドFC
■概要
昨年順位:11位(37得点、45失点)
監督:服部年宏(留任・2年目)
■オフのトピックス&雑感
IN:12名
DF鈴直樹(青山学院大)
MF宮崎智彦(岡山)
FW古林将太(湘南)
FW城定幹大(産業能率大) など
OUT:11名
MF諸岡裕人(→秋田)
MF橋本陸(→相模原)
MF新井光(→今治)
FW高橋潤哉(→山形) など
最大のニュースはJ2ライセンスの交付。
服部体制2年目。尖ったポゼッションスタイルで、初めて「J2昇格争い」に挑む。
主力が移籍するのは既定路線のクラブだが、CBはほぼ全員が残留。
今年も大武、堂鼻、雪江の3人が軸だと思うが、左利きの鈴も期待値が高そう。諸岡が抜けたボランチの後任はMF登録の宮崎が筆頭候補か。上畑も楽しみな存在。
湘南の名ラテラル・古林は驚きのFW登録。
高卒3年目で覚醒の予感が漂う長野、新卒の城定、塩浜など若いFW陣がフィニッシャーを担う。
移籍の収支を眺めたときは「INとOUTのポジションが一致していない」印象だったが、登録を見ると意外とバランスがいい。
練度が低いとショートカウンターの餌食になりそうなので、仕上がり具合は要注目。
Y.S.C.C.横浜
■概要
昨年順位:16位(25得点、66失点)
監督:星川敬(留任・2年目)
■オフのトピックス&雑感
IN:16名
DF二階堂正哉(新潟医療福祉大)
DF沼田皇海(新潟医療福祉大)
MF小島秀仁(千葉)
MF中里崇宏(鈴鹿ポイントゲッターズ)
FW萱沼優聖(八戸) など
OUT:18名
DF宗近慧(→讃岐)
MF吉田明生(引退)
MF神田夢実(→香港流浪)
FW大泉和也(引退)
FW河辺駿太郎(→鹿児島) など
女子サッカー界の名将・星川氏が2年目の指揮を執る。
昨季は前半戦で勝ち点8(得失点差-29)と大苦戦するも、後半戦は勝ち点20を稼いで16位でフィニッシュした。
大泉、吉田、宗近などYSを創設期から支えた選手が数多く退団。
例年大学生や海外リーグ所属歴がある選手が多く加入するクラブだが、
今季は萱沼や小島などJでの実績が豊富な選手を獲得。例年とは一味違うスカッドに。古賀や菊谷、ロリス・ティネッリなど星川体制で評価を高めた選手も残留。中盤から前にはスキルフルな選手が並ぶ。
守備陣ではまず、福山シティから加入したGK児玉が面白そう。最終ラインのパス回しを安定させられる存在として期待。
中学、高校、大学と各カテゴリでトップレベルを渡り歩いてきたDF二階堂も楽しみな選手。
というより彼が柱になるくらいしか失点数を減らせる要素が無(
線の細さは気になるも、前半戦のサプライズチーム候補①
SC相模原
■概要
昨年順位:18位(31得点、50失点)
監督:薩川了洋 → 戸田和幸(新任)
■オフのトピックス&雑感
IN:21人
GK猪瀬康介(琉球)
DF栗原イブラヒムジュニア(清水)
DF國廣周平(SHIBUYA CITY FC)
MF橋本陸(福島)
FWデューク・カルロス(岡山) など
OUT:25人
GK圍謙太朗(→秋田)
DF石田峻真(→いわて)
MF川上竜(→岐阜)
MF藤本淳吾(引退) など
空前のスクラップ&ビルド。
昨季の面影がどこにも残っておらず、全く別のクラブ。
去年の相模原は降格し、代わりにJFLから気鋭のクラブが上がってきた。みたいな感覚。契約更新した選手はわずか6人。
新加入選手は全員26歳以下。登録27名のうち30歳以上はGK竹重のみ。
一般的なJ3クラブの倍近い、7名ものコーチ陣。
とにかく編成が尖りまくっている。
GK猪瀬、DFに転向した栗原、福島でブレイクしたMF橋本などは楽しみな存在。
方針の正否は兎も角、降格が始まるシーズンにやることじゃないと思う。
降格圏が見えたときに現実と理想にどう折り合いをつけるのか興味深い。
松本山雅FC
■概要
昨年順位:4位(46得点、33失点)
監督:名波浩 → 霜田正浩(新任)
■オフのトピックス&雑感
IN:14名
DF藤谷壮(北九州)
MF喜山康平(岡山)
MF滝裕太(清水)
FWルーカス ヒアン(ファルコン)
FW渡邉千真(横浜FC) など
OUT:12名
DF田中隼磨(引退)
MF外山凌(→徳島)
FWルカオ(→岡山)
FW横山歩夢(→鳥栖) など
巨大戦力を擁して臨んだ昨季は失意の4位でフィニッシュ。
名波監督の後任には、攻撃的なスタイルを標榜する霜田監督が就任した。
3バックのカウンタースタイルからWGを配した4-3-3に方針転換。
「原点回帰」を掲げた翌年にドラスティックな変革が進んでいる。とはいえ選手層は分厚いため、大胆な入れ替えを行わずともスタイルに合致する選手を揃えられている印象。
右SBに藤谷を迎えた以外にも、宮部や浜崎、左SBの山本や下川など実力者が並ぶ。
うらやましい。適任者が少なかったWGには滝、ルーカスヒアンなどを獲得。特別指定を経て加入する濱名も面白そうな選手。
菊井や住田などの2年目ルーキー、村越や鈴木などのレンタルバック組にも期待がかかる。
FW渡邊の加入はビッグインパクト。ただ歴史に照らし合わせれば過度な期待は禁物。
早川コーチや坪井コーチが同時登用されているのも楽しみ。
使い慣れた堅守速攻スタイルを転換させながら昇格を追うというExtra Hardなミッションに挑む。
②に続く。
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