やっかいなアレをこの世から抹殺した話
女性にだって鼻毛は生えている。男性のようにテレビを観ながら小鼻を膨らませて人差し指と親指でキュッと抜くようなことはしないから、生えていないと思っている幸せな男性もいるかもしれないが、アナタの推しのアイドルにも、きれいな女性俳優にも、鼻毛は生えている。
だから私にも当然生えているし、生物学的機能に基づいて、ちゃんと存在意義を発揮している。母は私に「なんでそんなに生えてるの?」と言うが、程度の差こそあれ、みんな生えていて、でも「ワタシニ ソンナモノハ ハエテイマセン」みたいな顔をしているだけだ。
それで私も定期的に、というか気がついたら身だしなみとして鼻毛を処理するわけだが、私の鼻毛は非常にやっかいな性質を持っている。
ほとんどの鼻毛は、鼻の粘膜に対して垂直にシュッシュッと、まるで草のように生えている。
しかし、そのうちの1本がガッツリと奥に向かって生えており、毛先は鼻の奥に流れている。毛穴が向こうを向いた「逆さ鼻毛」という感じだ。そして異様に長く太い。普段は静かに奥の方に流れていて、ある一定の長さになるる鼻がムズムズしだす。すると鼻の穴から「こんにちはー!」と元気よく飛び出してくる。私はそのムズムズを感じ始めると、やおらハサミを取りだして、慎重に根本近くから切るのがいつもだ。そして、そいつの存在がやっかいで、いつか抹殺してやりたいと思っていた。
先日、スキンケアのタイミングで、ちょうどよく鼻の中が見えた。
この鼻毛を抹殺してやる。
私はそう誓ってハサミを取りだし、まだ奥に向かっている鼻毛を根元からこちらに向けようと試みた。
ところが、湿り気のせいか、毛穴が頑固なせいか、なかなか手前に出てこない。格闘すること数分、やっと鼻の穴から出てきたところを、今度は毛抜きで挟んで引っ張ってみる。
痛い…
男性はなぜ鼻毛を抜くのか。カッターがあるのだから切れば良いじゃないか。なぜこんな痛いことをするんだ…
半泣きしながら勢いよく引っ張ると「プチッ」という音と共に、1cm以上あると思われる鼻毛が、毛根ごと出てきた。
戦いは終わった。
私はもうあの鼻の奥をくすぐる鼻毛に、ムズムズしはじめると必ず♪ピロリンと出てくるあの鼻毛にイライラさせられずに済む。
寝る前のこの達成感たるや、鬼の首を取ったようだ。しかも、SNSで見せびらかしたいくらいの大物だ。
ああ、やり遂げた。
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