見出し画像

ヌリエル・ルビニ(米経済学者)から学ぶ世界と未来の行末

ヌリエル・ルビニと言う米経済学者をご存知でしょうか?
ルビニ氏はユダヤ人の血を引きトルコに生まれたの後、
幼少期を中東、イスラエル、イタリア、
そしてアメリカで過ごした
非常にアカデミックな経歴を持つ人物です。

私が今回ルビニ氏を知ったきっかけは
偶然視聴したThinkerviewと言うフランスの独立メディアが配信している
動画コンテンツでした。

インタビュアーの良質な質問もさることながら、
ルビニ氏の明晰で濁りのない返答には
“本物に宿る美しさ”を感覚的に感じたほどです。

たかが動画されど動画。
出会いの形式はどうであれ
人生で初めて経済学に興味を持つきっかを与えてくれたのが
このヌリエル・ルビニと言う人なんです。


そんなルビニ氏、実は“破滅博士”の異名を持ち、
彼の予測や言動に大きく影響される市場関係者も少なくないとか。
そしてインタビューの中でも、
世界経済全体の先行きを不透明にするリスクは、政府の借金、
地政学的な問題、パンデミック、食糧危機、気候変動など
実に様々なネガティブファクターが絡み合っている事を
“破滅目前の世界的脅威”と言う表現で、
社会全体の問題点を指摘しています。

さらにルビニ氏は、
「これからやってくるであろう大恐慌にどう備えるか?ではなく、
すでに今この状況下において
個人、国、世界が変化に対してどう動いているか?が問題で、
それを放っておけば
私達は自の選択によってディストピアと災害を引き起こすだろう」と
背筋も凍るようなアラートを会話中に何度も
鳴らしているように感じました。


経済と聞くとお金や数字の事ばかりを思い浮かべてしまいがちですが、
本来の経済とは社会の生産活動をバランスよく調整してくれるもの。
個人の価値観や宗教観などとは別に
世の中をもっと経済的な視点で読み解いてみると
自ずと物事の優先順位が分かってくるものです。

さてそんなルビニ氏に投げかけられた質問の中で
一番私の関心を惹いたのは、
“これからの若い人達に向けて何かアドバイスを”と言うものでした。

ルビニ氏の返答は、
「温暖化に対する取り組みは集合的選択が必要だが、
カーボンフットプリントの削減やそれらに関する
多くの環境問題については、個人の振る舞いがより重要になってくる」。

さらにルビニ氏は続けて、
「政府主導の環境改善活動を待つのではなく
個人および団体が組織化された仕組みの中で
より環境問題に意識を傾け、
一人ひとりがその活動に従事する必要がある」と。


そして最後にこれからの子供達が将来に向けて
何を学ぶべきなのかについては、
STEM (Science・Technology•Engineering•Maths)と
リベラルアーツであると述べています。
またコンピューターサイエンスやロボテックは
今後避けて通れない分野である一方、
論理的思考を持ち、正しく読み正確に書く“ソフトスキル”の発達も
これからの子供達には必要不可欠だと語っています。

「テクノロジースキルとクリティカルマインドの両輪を
たくみに働かせる事が出来れば、
どんなに世界の景色が変わったとしても
自らの力で人生を豊かに繁栄させる基盤になるだろう」
そう最後を締めくくっています。

そして私がこのインタビュー動画を通して
最も感銘を受けたルビニ氏の言葉は、

「人生はマラソンだ、短距離走ではない。
長い人生をタフに生き延びるためにも
“学び直す、磨き直す”を繰り返しやらなくてはいけない。

そしてあらゆる暗号通貨やデイトレードは
一文無しになるから手を出さないこと。
まずは毎年、年収の15%を貯蓄に回し社会保障システムを
あてにしない生き方を構築すること」

子育て世代の親として今回のヌリエル・ルビニのインタビューは
本当に多くの気づきと学びがありました。
経済、環境問題、生物多様性、劣化した消費主義、
そして新世代の教育について。
一つの動画をきっかけに、
未知の世界へまた一歩足を踏み入れる事ができたように思います。

たかが動画されど動画
何を思い誰から何を聞くか。


今回の記事がどなたかの役に立てば嬉しいです。

グレイス

Nouriel Roubini




















サポートは自主出版の書籍や海外での写真撮影の活動費に使わせていただきます!