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耳から声を出す 〜 AYAKOさんのボイスヒーリング リトリート2日目 お昼のあと@屋久島

記念すべきお一人目として紹介させていただくのは、アロマサンドリーズのAYAKOさん。今回はその4です。

▼前回

間抜けにもお昼で喉を詰まらせたとき、もう声が出ないのでは、と思った。

その焦りがあっさりと覆ったのは、次の神社に着いた瞬間だった。
急にイガイガも痛みも消え、声がスーッと通るだろうことがわかった。
首から肩がスッキリしている。

空気の軽い、こどものような気配の神社だった。
なぜか、足が動いて、歩いてしまう。
腕も、勝手に回り始めた。
右手は右回りに、左手は左回りに、おもしろいほどぐるぐると動く。
AYAKOさんに伝えると、そのままにしておいたほうがいいとのこと。

AYAKOさんに「一旦止まれる?」と聞かれたので頷いて足を止めたところでボイスヒーリングが始まった。
AYAKOさんがわたしにも声を出すようにと促した。
ここは高い声を出す場所らしいけれど、低いところからはじめないとエネルギーをのせられないわたしは低いところから出しはじめた。
けれど、なんとも出しづらい。

下腹部のお宮の扉は、ここではもう閉まっていた。
けれど、エネルギーは漏れでていて、のせられるらしかったので、さっきの神社で覚えた要領でエネルギーをのせてから音を上げていく。
一音ずつ上げていくと、鼻のあたりで声が左耳に抜けていくのがわかった。
…?
鼻から左耳への管があるとしたら、その管の途中に上に蝶番のついた小さなフタがついていて、閉まっている。
わたしの声がそのフタをパタパタ押し開けている、そんな感覚だ。
AYAKOさんにもわかった(なんでわかるんだろう、不思議。)ようで、左から抜けてるね、と言われる。
この感覚は錯覚じゃないらしい。
続けたほうがいい、と言われるので、続けてみる。

そこからは、実験だった。
最初から鼻の高さで始まった音は直線なので左に抜けやすい。
けれど、下から持ってきた音は、鼻で直角に曲がるからか抜けにくいのだ。
通路を作るようになんども試していく内に、音が抜けやすくなっていく。
もう、フタがパタパタいうことはなくなっていた。
フタが軽くなったようで、開きやすくなっているかららしい。
ちなみに、 ”声” の全部が耳から抜けるわけではなく、3分の1から半分くらいは頭のてっぺんに抜ける。
耳の高さの声は、わたしにとって一番出しやすい声だった。
けれど、だからこそ簡単に出してはいけない感覚があって、エネルギーがちゃんとのってるのかとか耳に抜けているのかとかを忘れてしまいそうになるから気をつけなくては、みたいなことをどこかで思っていた。

そして、声を出しながらも、ずっと思わずにはいられなかった。

変。
だって、耳は音を聞く器官じゃないのか。
耳から ”声” が「出ていく」の?
これがいまだによくわからないのだけれど、わたしの耳はそうらしい。
右耳は聞く(音を入れる)。左耳は出ていく。

左耳が完全に貫通したところで、声を出すのをやめた。
心地よかった。
体から出していく感覚。
”声” とそれに見合ったエネルギーを、自分が出したい分だけ出す感覚。

そう、「出す」こと、それは「表現する」ことにつながるのかもしれない。
AYAKOさんのヒーリングがヒーリングにとどまらない、特殊だとわたしが思う理由はここにあるのかもしれない。
通常、ヒーリングは一方的に「受け取る ← 」ものだ。
けれど、ボイスヒーリングは自分を「出す → 」必要がある。
逆向きの矢印、それは男性性を表すのかもしれない。

なぜそう思ったかの答えは、次の神社にある。

AYAKOさんのボイスヒーリングは伏線がはりめぐらされていて、その伏線回収がきっちりと行われることも興味深い。
個人的には、一流のミステリー小説よりも、エキサイティングだと思う。

続きます。


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