満月になりたい三日月
ライブハウスは孤独を埋められる場所だった。
誰かに好きと言われてもいまいち信じられなかった僕は人と過ごしていても寂しさを拭えず、唯一「すごい」と言ってもらえた音楽で繋ぎとめておかないとみんなどこかに行ってしまうんじゃないかと不安でたまらなかったのだ。
それは僕が僕を愛せずにできた穴から生まれていたのに、気づけなくて誰かに埋めて欲しいと願う日々。
路上で歌って歌って聴いてもらえなくて凹んで、たまにチケットやCDが売れて、主催やワンマンでたくさんの人が来てくれた時に穴が埋まった気がしていた。
僕は満月になりたいと泣いている三日月のようで、あの頃のライブには「足りないものが埋まっていく」感動があったのだと思う。
僕には「この人が笑っていてくれるだけで嬉しい」と思う人が何人かいる。
先日主催ライブを終えた安西彩矢や昨日バースデーライブだったウエダケイタはその中の一人だ。
それは僕と似ている部分があるからなのかもしれない。
自分のことを自分で満たすのが下手くそな人間がちゃんと愛されて三日月のまま満月の輝きを放っている瞬間がたまらなく愛おしい。
この1年自分なりに生き方や考え方について勉強して、自分で自分を満たせるようになってきた感覚がある。
今はあの頃みたいに足りないものを求めて歌うことはできないけど、今まで力をもらっていた分今度は僕が輝いてみんなの夜道を照らせる存在であれればと思う。
もちろんうまくいかないことも多いけど、もらう喜びから与える喜びに変わってきているはずだから、これからも満月を目指して歌っていきたいと思う。
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