チームの"最低限得点する力"を検証する

こんばんは、ごしまです。

シーズンも早くも折り返し、1週間のスケジュールは通常の3連戦に戻りましたね。
個人的には6連戦は飽きるのでこの3連戦のサイクルが楽しく感じますね。
6連戦もそれはそれで楽しめましたが。

さて昨日で8月の全日程が終了し、楽天は12勝12敗2引き分けの±0。
今月はロッテとソフトバンクが貯金8を作っており大きく後退。
投手陣の疲れや守備の影響もあり失点の増加が目立ち、先発が立ち直ってきた中旬頃からはロメロ浅村小深田あたりも打撃に勢いがなくなり、かつ開幕当初のような細かい野球ができていないという声も出てきている。
土曜日も足立小深田が追い上げムードを止めてしまった拙い攻撃もあり、その印象が残っているファンも多いことだろう。

本日はこの"得点を取る力"を検証してみたいと思う。
三木監督の新体制となりチームの得点のバリエーションは確実に増えているが、他球団と比較しどうなのか、8月の楽天はしっかりと得点を重ねることができていたのか。
そこをパリーグ6球団と比較検証していく。


1. 打撃成績と得点力


まずはここまでの各チームの成績を振り返り。

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ここまで楽天は打率、出塁率、長打率、OPSトップと打撃成績としては文句なし、得点は唯一の300越えの321得点でぶっちぎりの得点力
「打って点を取る」といった点において、現時点でパリーグNo.1であることは間違いない
ただ開幕直後は大差のゲームも多く、最近では少し得点力が落ちてきた印象は否定できない。

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こちらは6,7月と8月の得点をまとめたものだが、打撃成績が落ちており(6,7月が高すぎたのもあるが)1試合あたりの得点数は減少(6,7月 5.61→ 8月 4.65)。
投手・守備との噛み合わせも悪く勝ち越すことができなかった。

ただこれだけでは打撃が良いから点を取れていたのか、単純に打撃が落ちているので点を取れていないのか、細かい野球をできていないから得点力が落ちているかは分からない。
単純に打撃の調子が落ちているのであれば復調を待つ or 2軍からの入れ替えなどに期待しなければならないし、細かいところで点を取れなくなっているのであればそこは改善の余地があるだろう。

そこで今回はシチュエーションを絞って考えていきたい。


2. 対象となる状況


今回対象とするのは「無死 or 1死走者を3塁に置いた状況」で得点できたかどうかを検証していく。

無死もしくは1死でランナー3塁、1・3塁、2・3塁、満塁の4パターンの状況を作った後に得点できたかどうか。
ヒットだけでなく、犠牲フライ、スクイズ、押し出し、内野ゴロ、併殺崩れ、ダブルスチール、相手のエラーなどなど、得点する術が多く存在している、"最低限"点を取ることが求められるシチュエーションである。
(他にも色んな要素はあるだろうが、分かりやすいので)

このような場面で確実に点を重ねていけるチームは強いチームであり、この場面で点を取れない場合は確実に得点力は落ちるしファンのストレスも大きいことだろう。

本日はそんな最低限の場面で得点する力を見ていきたいと思う。


3.最低限の状況での得点確率


先程のシチュエーションでの得点確率、読者の方はどれくらいを想定しているだろうか。

今回の状況下での楽天の得点率は73.9%だった。
最低限得点が求められる場面で4回中3回程度得点できている

果たしてこれを高いと見るか低いと取るかは難しいところであるが、パリーグ6球団内で比較してみると、

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数字を見ての通り、8月末時点で楽天は最もこのような状況で得点を上げることができているチームだと分かる。
昨年までの印象で言うと、長年このような場面で拙攻を繰り返し無得点に終わっていた印象が強い。
そんな中、今年はしっかりと点を取るべき場面で得点を上げることができており、得点数ダントツであることも頷ける。
ただこれだけでは単純に打撃力に優れていれば(タイムリーが増えるので)勝手に点は入るのでは?という疑問も残る。
そこに関しても検証を行った。


4. タイムリー以外での得点の検証


こちらは本塁打とタイムリー以外での打撃での得点イベント数をまとめたものである。
対象となるのは犠牲フライやスクイズ、押し出し(四死球)、内野ゴロなどである。

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これを見ると、楽天は単純に打てるということだけでなく、"最低限"の仕事をすることで得点することできている。
特筆すべきはゴロの間の得点が多い点である。
特に鈴木大地や太田はその意識で打点を上げてくれるケースが見られ、役割を認識してチームバッティングに徹することができている。
もちろん打てるに越したことはないのだが、太田は打撃能力では劣るものの、犠牲フライ3つ、内野ゴロの間に3つの計6打点を稼いでおり、追い込まれた後にアプローチを変えるなど工夫することでチームに貢献している点は評価したいところだ。

選手別 タイムリー以外の打撃得点
9 鈴木大地
6 ブラッシュ 、島内、太田
5 銀次、茂木、小深田
4 浅村
3 ロメロ
2 内田
1 山﨑、佳明


昨年三木監督の新体制が始まって以降、ケースバッティング等に注力してきた成果と言って良いだろう。
新たに加入した鈴木大地の存在も非常に大きいし、三木監督の手腕も評価したい。

ただやはり最近になってシーズン序盤に見せた緻密さが少し失われているように感じている点も考えなければならない。

5.  8月はなぜ得点が激減したのか

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7月まで1試合平均5.61得点という驚異的な得点を積み重ねていた楽天だが、8月は平均4.65得点で1試合あたり1点近く得点が減少している。
とは言っても他球団の比較として見ればそこまで悪いわけではない。

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先程の最低限の得点シチュエーションで見てもやや落ちてきているものの、ある程度の確率で得点はできている。
本塁打やタイムリー以外での打撃による得点イベント数は今月も楽天が最も多かった点も付け加えておきたい。
打撃が落ち込みながらも、得点機会をある程度活かせている見方はできるかと思う。
併殺が増えたことによる得点創出機会が多く奪われた点は反省したいところだが…

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6,7月は異常なクラッチ力で得点を重ねていたことも念頭に置いておきたい。
運が良すぎた・出来すぎていた部分もあり、ファンとしては今との落差をより(必要以上に)感じている節もあると思われる。

今月の日ハムはチームのOPSこそ楽天より低いが高い得点効率を見せているが、得点圏打率 .331、OPS .929と7月までの楽天以上のクラッチ力で得点を重ねており、ここは調子の波やメンタル、運の要素、打順の巡りの関係もある。

色々な要素が絡むのでこのような一部のデータだけを切り取りどうこう言うことはできないが、個人的にはオフから積み上げてきたものが崩れ去って勝ててないというより、個々の調子や運の要素の影響も大きいと思うし、あまりネガティブになりすぎず見ていこうよ、という感じです。


6. 最後に

いかがでしたでしょうか。
このデータだけでどうこう言えるあれではないですが、楽天は最低限のところでの得点は積み重ねることができてるし、調子が戻ってくればもっと点入るようになるだろう!くらいのポジティブな感じのデータを出してみました。
他球団が楽天より圧倒的なクオリティの野球を展開して楽天が大幅に劣ってるという訳でもないと思いますよ。
とは言え、最近の内容がお粗末だったのは確かなのでなんとか個々の状態と質を高めていってほしいですね。

こんなところにも目を向けながら、9月の巻き返しに期待しましょう!

本日の内容は以上です。
読んでいただきありがとうございました。

データのアイデアを提供してくれたありさん(@ARISAN_Rakuten)にも感謝🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️

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