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曇天らいふ

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ある男の過酷な半年間を描いた物語
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記事一覧

【小説】曇天らいふ

《ホームレス生活0日目》ネカフェ

土砂降りの中、列車は順調に俺を運んでいるはずだった。俺は車窓を流れる雨粒を眺め、お茶を一口、飲んだ。
福光駅に停車した。仮の目的地へはあと50分程度だろうか?しばらくすると車内アナウンスが流れた。
「お急ぎのところ大変申し訳ありません。現在、豪雨のため運行を一時、見合わせております」
どうやら進まないらしい。30分ほど待った。すると車掌らしき人物が前から歩いてき

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【小説】曇天らいふ2

《ホームレス生活1日目》たばこ

今日は雲一つない快晴の空だ。バカでかい公園のベンチで俺は空を眺めていた。暑くもなく寒くもない。風も気持ちがいい。まさに春の陽気だ。そばでは猫が日向ぼっこをしている。手を差し出すと逃げていった。(ごめん)

俺は財布の中を確認した。880円。この土地にきて一週間で持ち金を使い果たした。
もう少し節約するべきだったと反省した。
さぁこれからどうするか。俺は自分の中で悩

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【小説】曇天らいふ3

(ホームレス生活2日目)自販機

昨晩、学習した。この季節でも寒さは最大の敵だ。甘くみていた。さて今日はどうする。そう自分に問いかける。時間はたっぷりある。タバコは昨日の深夜散歩である程度、確保した。まる一日、水しか摂っていない。とりあえず飯か・・・。といっても、もちろんあてはない。

俺はもう一度、魚ロードに行くことにした。普段はあまり気にならなかったが、自動販売機が結構な数ある。俺はつり銭口に

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【小説】曇天らいふ4

《ホームレス生活3日目》ロープ

とうとう、時刻は二十一時半。夜がやってきた。今日は昨日よりもかなり寒い。昨日も寒さのせいで眠れていないが・・・睡魔は襲ってこない。俺は公園内をウロウロし、寝床をさがした。体を休めたかった。

壁に囲まれた駐輪場・・・吹き抜けの風が余計にきつい。
公園内の遊具の中・・・狭すぎて腰が折れそうだ。
公園近くのビルの間・・・全然だめだ。隙間風どころではない。暴風だ。

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