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感想|ラブセメタリー/木原音瀬

◆ 基本情報

・作品名  ラブセメタリー
・作者   木原音瀬
・出版   集英社
・出版年  2020年7月17日
・ジャンル 小説 

◆ あらすじ

「……僕は大人の女性を愛せません。僕の好きな人は、大人でも女性でもないんです」甥に対する密かな欲望を抱え、妄想に囚われ苦しむ百貨店のエリート外商・久瀬圭祐。欲望がいつか暴走するのではと恐怖し、治療を求めて精神科クリニックを訪れるのだが――。小学校教師の森下伸春は遠い昔、幼い少女に繰り返し恋をした。そんな自分の嗜好を知りつつも、ある一線を越え、欲望を解き放ち、そしてその果てに待っていたものは……。本能に弄ばれる二人の男と、その周囲の人たちの心の葛藤をリアルに描いた、異色の連作小説。BL界の巨匠・木原音瀬が挑んだ衝撃作。〈amazon より引用〉

◆ 評価

・読みやすさ ☆☆☆☆★ 4点
・筋の面白さ ☆☆☆★★ 3点
・芸術性   ☆☆☆☆★ 4点

合計 11/15

◆ 総評「人生を狂わせる欲望を描いた一冊」

Twitterのフォロワーに薦められて手に取った。作者がBL作家として有名な方だったので少し構えていた部分(BL小説を読んだことないので)があったかが非常に面白かった。

内容としてはかなり重めで、同性愛や小児性愛がかなり生々しく描かれる。特に小児性愛に関しては読んでいて嫌悪感を抱くような表現すらある。

特に印象に残ったのは、
小児性愛者であるノブさんの視点で描かれた3章「僕のライフ」。
 
独りの男が世のモラルから外れていく様はあまりにリアルで、底抜けに気持ち悪い。

ただ、そこには落ちぶれていくだけの理由があり、何か抗えないような力が感じられる。性欲というのは、人生を綺麗に彩ることもあれば、破滅させることもある諸刃の剣のようだ。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。


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