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#大人の読書感想文
10月の読書感想文:クレイジー・フォー・ラビット/奥田亜希子先生
この本は、秋の夜長に読む本としてはちょうどいい切なさを与えてくれるかもしれない。
窓から流れ込む金木犀の香りと、鈴虫の音色も相まってそんなふうに感じた。
この本は、愛衣という少女の小中高大、そして30代を過ぎてからの日々を切り取った連作短編集だ。
奥田先生の書かれる文章は、あの頃の私達を思い出すぶんには充分なほど丁寧な描写で、友達と歩いた渡り廊下の埃臭さや、プールの塩素の臭いなどが鮮明に蘇っ