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「恋のしぐれ煮って何味だと思う?」
居酒屋のメニューを指してヤマトが言った。
「分かんない。でもあれじゃない?スキー場のカレーと同等かそれ以上の、味」
「プールの炒飯とかか」
「そこはカップ麺でしょ」
「はあん?」
「はあん?」
どちらの説が有力か検証すべく私達はプールへ急いだ。
ココナッツミルクとバレエシューズ
「チューしとく?」
ぶん殴ってやった。
だいすきなのに、つい手が出てしまう。
わたしの悪い癖だ。
「いってぇぇ」
「おとといきやがれってんだ」
「呼んだのはミナミの方だろ?」
脳味噌にこびりつくチーズッタッカルビ、否、おこげ、否、記憶。
小指を絡ませて永遠を誓う少年少女。
ヤマトは幼馴染。
野蛮なギャル男だ。
「今日は悲しいことがあったの」
「なんだい、言ってみな」
腕を
日が昇れば世界は元通りとかそんなうまくいかないって
「この世界でお前と話通じなくなったら終わりやから」
「え?」
聞き取れるかどうか微妙な声量で、ヤマトが言った。
ミーンミーンミーン。
アブラゼミが窓の外で盛大な賑やかし。
ヤマトの横顔は相変わらず綺麗だ、とミナミは感心した。
髪を後ろにまとめ、ピアスホールから光が差し込んでいる。
「それ、あける時痛くなかったの?」
「もんどりうったよ」
「だろうね」
近所の溝川から拾ってきたビ