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エクナ篇序章

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章ごとのまとめ⑥
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#note

【エ序6】エクナ篇序章④

【エ序6】エクナ篇序章④

「ーーーーと、云うことがあったんスよ」

山を下り、港街に着いてからの経緯を、バートがドントーとカシアの2人に説明し終えた。

「ペリデナの宮廷魔術師……! 奴が、お前とアルフレッドをこんな目に遭わせたのか……!」

怒りに拳を震わせるカシア。そして。

「ドワーフ女王の宮廷魔術師……。 そうか……。そんなところに潜り込んでおったのか……」

大きく息を吐き出すように、感慨深げにドントーがそう零し

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【エ序5】エクナ篇序章③

【エ序5】エクナ篇序章③

ドントーとカシアに一時の別れを告げたアルフレッドとバートの2人。

ドントーの工房のある山の奥から、麓の港街アイゼムへと下りてきた。ドントーの武器製作が終わるまでの間、必要な物資を買い込んだり、情報収集をするためである。

あわよくばちょっとした冒険の依頼を引き受け、路銀を稼げれば良いなどと考えていた。

港の雑貨市にて日用品を購入したアルフレッドとバート。ちょうどその時、エクナからの定期船が入港

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【エ序4】インターミッション~母アザリー~

【エ序4】インターミッション~母アザリー~

娘マリアの、15歳の誕生日ーーーー。

アザリーは、マリアに自らが実母であることを明かしていない。

アザリーとその仲間たちは、エクナ諸島全土を戦火の渦に巻き込もうと目論む巨大な悪と闘っていた。

ゆえにもしもマリアがアザリーの娘と知られれば、マリアの身にも危険が及ぶ。悪の脅威と無縁では居られない。平凡な人生など、望むべくもなくなってしまう。

だからアザリーは、マリアとの関係を秘した。

当時か

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【エ序3】インターミッション~邪術師二人~

【エ序3】インターミッション~邪術師二人~

老人の持つ魔法の通信符が、呼出の合図を告げる。

老人の名はマルホキアス。かつてベルリオース王宮でアルフレッドたちと闘った男。ペリデナ女王に仕え、ドワーフ軍事政権の宮廷魔術師を務めていた人物である。

その後、女王<悪魔>と抵抗軍の戦闘の混乱に乗じて王宮から逃亡し、今なおフルーチェによりベルリオース国内にて指名手配を掛けられている。

しかし彼の正体は魔術師などではない。彼は邪術師。それも壊滅した

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