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目標達成のための良い過程目標(プロセスゴール)の作り方

継続性のための過程目標

成果目標(アウトカムゴール/Outcome Goal)とは達成すべき成果の数値が含まれた目標になります。例えば、1ヶ月に10件の新規顧客を獲得すると言った目標は、成果目標となります。この結果にフォーカスした成果目標と比べ、過程目標(プロセスゴール/Process Goal)は、やるべきことにフォーカスした目標となります。「毎週50件以上のフォローコールをする」という目標は過程目標の一例です。そして、フォローコールは、新規顧客を獲得するという成果を達成するために、必要なプロセスと言えます。成果目標と過程目標の違いは、成果目標には不確実な要素が存在するため、必ずしも自分の努力だけで達成できないことがあるということです。お客様に製品をご利用いただくためには、製品の購入判断をしていただく必要があります。その購入判断に対し、セールストークにて大きな影響を与えることはできたとしても、お客様に代わって購入の判断を下すことはできません。よって、新規顧客獲得を達成するためには、購入の可否について、お客様の判断という外部要因が必要となり、自分だけでは、完結できません。これに比べ、フォローコールをすると言う行為には、自分自身がコールをすれば良いだけなので、自分だけで完結ができます。

通常、成果目標と過程目標に関連性がある限り、ある程度の成果を納めることはできます。そして、そこに明確な関連性がある限り、決めた期限通りに目標に達成するかはわかりませんが、最終的には成果目標の数値は達成できるはずです。よって、過程目標を着実に達成し続けることは、成果目標を達成するための重要な鍵となります。

目標はSMARTに

一般的に、良い目標設定として含めるべき要素はSMARTであるべきと言われています。SMARTとは、具体的(Specific)、測定可能(Measurable)、実現可能(Achievable)、関連性(Relevant)、そして、期限(Timebound)の頭文字をとったものです。つまり、目標には具体的な数値が含まれている必要があり、その数値は計測可能かつ現実的である必要があります。さらに、目標は目的と関連性が高い必要があり、また、期日が決まっている必要があるということです。仮にあるマーケティングチームがコンテンツマーケティングに力を入れたいと考えているとします。その場合、「毎週1記事ブログに投稿する」といった目標は良い例となります。1記事という具体的な数字があり、投稿数は測定可能なものであります。また、さすがに毎日10記事を投稿するというのは非現実的ですが、毎週1記事を投稿するということは比較的現実的だと言えます。さらに、ブログはコンテンツマーケティングの一種ですので、コンテンツマーケティングに力を入れるという目的にも関連しており、毎週という期限も限られています。

逆に、悪い目標の例の一例としては、「お客様に笑顔を届ける」というものが考えられます。そこには、具体的な数値もなく、何をしたら笑顔が届いたことになるかも分かりません。測定ができないことから、現実的なのか非現実的なのかの判断も難しく、さらにいつまでに実施するといった期日もありません。関連性については、お客様に笑顔を届けることで期待する効果によっては、あり得ると言えるかもしれません。

目標設定において、SMARTが重要な理由として、目標を客観的にすることで、チームメンバー間で認識の違いが発生しづらくなるだけでなく、結果の評価がしやすくなることが考えられます。目標が曖昧な場合、実施している活動が良い方向に進んでいるのかどうかの判断も難しくなってしまいます。

良い過程目標を設定するコツ

良い過程目標を設定する上で重要はことは、達成において外部要因に左右されないものを設定することです。簡単にいうと、成果を出すために何を積み重ねるかということになります。野球で有名なイチロー選手は、高校生の時に、野球で成果を残すために、毎日10分ではありますが、素振りをしたそうです。この毎日10分間素振りをするという行為は、成果を達成するための過程目標と言えます。

実は日常的に私たちは、成果目標を設定することに慣れすぎているため、不確定要素を排除した過程目標を作ろうとした場合、戸惑うこともあるかもしれません。例えば、営業の方が毎週5件の見込顧客とミーティングを実施するという目標を設定したとします。その場合、見込みのお客様がミーティングに応じてくれるかどうかは不確実な要素であるため、この目標は、自分自身だけではコントロールしきれません。しかし、5件の見込顧客とのミーティングを実現するために、やらなくてはいけないアクションが必ずあるはずです。もしかしたら、毎週、ミーティングに応じてくれる可能性のある見込顧客50件にメールを送ることかもしれませんし、毎週見込顧客15件に電話をかけることかもしれません。こういった、達成したいことを実現するために行うアクションがあるのであれば、それこそが良い過程目標であると考えます。このケースの場合、毎週5件の見込顧客とのミーティングを実現するために、毎週50件の見込顧客に対しメールを送るという過程目標を設定することができます。もちろん、毎週この過程目標を達成したからと行って、必ず毎週5件のミーティングが実現できる訳ではありません。しかし、統計的に関連性があるのであれば、この過程目標を毎週達成することによって、平均して週5件のミーティングは実現できると推定することはできます。

良い過程目標を設定するためのコツ
1. 外部要因を排除できる行動にフォーカスすること
2. 成果目標と関連性がある過程目標を設定すること
3. 過程目標を達成したからといって、必ずしも成果目標が達成できる訳ではないことを認識すること

もし、成果目標のみを重視した場合、外部要因によっては、全く達成することができず、自信を無くすような結果になってしまうこともあります。しかしながら、良い過程目標を設定することにで、日々の活動が間違っていないという自信につながり、その自信は、続けていれば成果目標の数値が達成できるという自信にもつながります。


現在、成果ではなく、過程を重視したPACTフレームワークを利用した目標の進捗を継続的に管理するシステムを開発しております。製品に関するご意見を募集しておりますので、何かございましたら、以下よりお気軽にご意見お寄せください。


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