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【凡人の対談 8.「凡人のアンガーマネジメント」:「ころころ」変わるから「こころ」である。

これは、とある凡人が、様々な人間から、彼の体験談や考え方などを、根掘り葉掘り聞かれまくるという、しょうもない話である。

〜とある怪しげな一室〜

「凡人さん、こんにちは。」

。。。

「あ、はいこんにちは。。」(今日は綺麗なお姉さんだ!!)

「どうしました?ぼーっとされてますけど。」

「あ、あぁ、すいません。寝不足で、、。」(やべ、見惚れてしまった。。)

「しっかりしてくださいよ?それでは、本日はよろしくお願いします。」

「はいすいません!よろしくお願いします!」

「早速ですが、あなたは『怒りの感情』とどう向き合って来ましたか?」

(急に!?)

(。。。なんかこわい。)

「どうしました?」

「いえ!何でもございません!!」(やべっ!)

「はい!怒りですよね!?」

「はい。あなたは、飲食店で店長をされていたとのことでしたが、店長ともなると、普段お仕事される中で、ストレスが溜まったり、うまくいかないこともあるかと思います。」

「その中で『怒り』を感じることも多かったと思います。」

「はい!昔は、それはもうしょっちゅうキレてました!ただ、やっぱりそれは『その場しのぎ』で、結果的に、思い通りになることなど、一度もありませんでしたけどね!!」

「堂々と言わないでください。」

「はいすいません!!」(うん。こわい。)

「リーダーともなれば、『ヒト・モノ・金』と同様に、『怒り』も立派な『マネジメントの対象』だと思います。最近では、『アンガーマネジメント』という言葉もあるほどです。」

「はい、それは物凄くおっしゃる通りです!」

「それでは、あなたなりの『アンガーマネジメント』の方法をお話しください。」

「はい。その前に、まず『大前提』の話をしてもいいですか?」

「はい。どうぞ。」

「ありがとうございます。まず、大前提として、『心』は『ころころ変わる」から、『こころ』だと思うのですよ。」

。。。

「は?」

「いや、だから、「ころころ」変わるから、「こころ」なんですよ。」(ドヤ)

「なぜ繰り返したのですか? それはまさか、『心(こころ)』という言葉は『ころころ』由来である。とおっしゃっているのですか?」

「はいそうです!さすがの御察しレベルです!!」

「ふざけてるんですか?」

「はいすいませんでした!!」(うん。すんごいこわい。ほんとにそういう説もあるんですけども。。)

「まあいいです。話を続けてください。」

「はい。ですから、いつまでも変わらない『心』というものは、無いのですよ。あるとすればそれは『心』とか『感情』ではなく、『信念』というものなのですよ。

「どういう違いがあるのですか?」

「例えば、『信念』というのは、簡単には変わらない『生き方』とか『哲学』とか、そういう長期的なものです。」

「一方、『心』とか『感情』というのは、『これ食べたい。』とか、『これしたい。』とか、『ムカつく』とか、そういう短期的なものです。」

「続けてください。」

「例えば、『ラーメン食べたい。』という『信念』を持っている人はいないのですよ。そんなのころころ変わります。『信念でラーメン食べたい人』は、一生ラーメン食ってます。そんな人基本いません。やっぱり、食べたいものはころころ変わるのが普通です。」

「それはもちろんそうですね。」

「それで、『怒り』は、『信念』か『心・感情』かで言えば、『心・感情』なのですよ。」

「はい。」

「ですから、つまり『怒り』は『ころころ変わるもの』、すなわち『当てにならない』ものなんですよ。」

「なるほど。その点はよく理解できます。確かに、『ある出来事に対して、初めと同じ熱量で、永遠に怒っている』人は、見たことがありません。」

「はい。なので、僕の『アンガーマネジメント』とやらの基本は、『怒りなど、変わるのが前提、だから当てにならない。だから出さない。』そういうことなんですよ。

「なるほど。ただ、『怒りという感情は当てにならない。』ということは分かりましたが、『だから出さない。』というのは、どういうことなのでしょうか?」

「だって、後で困るじゃないですか。」

「例えば、友達と喧嘩して、頭に血が昇って、『てめえとは絶交だ!!二度とそのブサイクな面見せんじゃねえ!!!』なんて言ったとしますよ?」

「はい。」

「その後、気持ちが落ち着いた時に、『いや、考えてみれば、あれは俺も悪いところがあった。絶交は言いすぎたな。』なんて、我に返ったとしても、もう遅いわけですよ。」

「仲直りも大変でしょうし、下手すりゃ本当に絶交になります。」

「こんな感じで、『怒りの感情』はころころ変わるんですが、『怒りにまかせて言ったこと、やったこと』というのは、一生変わらないのですよ。」

「だから、当てにならないものを信用して、『取り返しのつかない、動かぬ証拠』を残すな。そういうことです。」

「なるほど。理論は理解できました。それでは具体的に、怒りの感情に対して、どのように対処されてるんですか?」

「そこは、ちょーシンプルです。『反射的に言わない。何もしない。』これを守るだけです。」

「なるほど。確かにシンプルですね。」

「後は、怒りが、グワー!っと湧いて来たとき、同時に『いくつかの言葉が浮かんでくる』と思います。」

「内容は人によるかとは思いますが、大抵が『ふざけんなよ!』とか『馬鹿にしてんのか!!』とか『許せない!!』とか、そういう『しょうもない言葉』ばっかりです。」

「確かに、そうですね。」

「それを、別の言葉で、塗り替えます。」

「ほう。どうしてですか?」

「例えば、横断歩道で信号を見間違えて、赤信号なのに渡っちゃいそうになって、『危ない!』と思って、止まった経験ありません?」

「恥ずかしながら、あります。」

「それと同じことをやるんです。」

「例えば、怒りが湧いて、『ふざけんな!!』と思うと同時に、他の言葉でそれを打ち消すんです。この『打ち消す言葉』は人それぞれでいいと思います。」

「あなたの場合、それはどんな言葉ですか?」

「僕の場合は、『別に怒るほどのことじゃない』です。」

「ちなみにこれは、『ワンピース』の『シャンクスさん』からパクりました!!」

「そんなことは聞いていません。」

「はいすいません!!」

「でも、こんなふうに、怒りが湧いたら、反射的に『これを思う!』と決めておくんです。内容によっては、実際に口に出してもいいかも知れません。」

「なるほど。そうやって、『怒りの衝動』が収まるのを待つのですね。」

「はい、おっしゃる通りです。一瞬で湧いてくる衝動的な怒りなど、『ほんの数秒で収まる』なんて言われていますから。」

「確か、『最初の6秒間』でしたか。」

「あ、そうなんですか。さすがです!!勉強になります!!」

「いえいえ、こちらこそ、面白いお話を聞かせていただきました。どうやらお時間が来たようです。機会ありましたら、またお話をお聞かせください。」

「はいよろこんで!」

(「代わりにお姉さんの連絡先教えてもらってもいいですか!」とは、口が裂けても言えない。涙)

〜おわり〜





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