著者インタビュー #11【大野潔さん】
今回は2015年11月26日に発売し、5年以上経つ今もなお好評発売中の『10分で読み解く!一流の営業マンになるための財務分析』。その書籍の著者である 大野 潔 さんに、執筆時のエピソードや内容のポイントなどについて伺いました。
著者プロフィール
大野 潔(おおの きよし)
中小企業診断士、証券アナリスト。
1998年に京都大学卒業後、日本興業銀行に入行し、大企業から中堅中小企業をクライアントとした営業を経験。その後、リクルートに入社し、財務・法務領域で大きな資本政策上の課題解決に尽力。時価総額2兆円企業の株式公開という大プロジェクトも経験。リクルート社内において60回以上のセミナーを実施し、参加人数延べ1000人の実績がある。2015年秋、独立してコンサルティング活動を開始。財務分析や企業価値などの企業セミナーも実施している。
著者インタビュー
――まず、出版してみて周りの反響はどうでしたか。
大野 潔(以下:大野):SNSで投稿したところ、多くの方が「いいね!」を押してくれました。中にはコメントをつけたり、別途その人のブログで取り上げてくださったりした方もおりました。本当にありがたいです。
直接メッセージをすると、結構買ってくれましたね。一方、当時はまだ電子書籍が普及しておらず、ダウンロードの仕方が分からないという方も結構多くいました。
あとは、この内容で講演してほしいというご依頼も複数ありましたね。
――講演にもつながり、いろいろと反響があり嬉しい限りです! では、本題に。当時なぜ本作を書きたいと思ったのかを教えてください。
大野:もともと前職で営業マン向けに財務分析セミナーを多くやっていて、その内容を書籍化しました。
そのとき、電子書籍はセルフブランディングに非常に役に立つと思いました。普通はお金を払ってマーケティングをしますが、電子書籍を書くと、お金をもらいながらマーケティングができます。
また、この書籍をきっかけに、セミナーやコンサルティングの依頼につながればよいと思っていました。
――発売から5年以上経ち、世の中の状況も大きく変わっていると思います。今もなお読んでいただけているのは、どんな点がビジネスパーソンにササっていると思いますか。
大野:お陰さまで、多くの人へ読んでいただけていますね。
おそらく、一度読んだことのある先輩社員が、新入社員などのこれから勉強したい層に紹介してくれているのではないかと思います。非常にありがたいことです。会社単位で、大量にオンデマンド本(※プリント・オン・デマンド)を発注してくださったケースもあります。
簡単に書いてあることを意識しましたので、最後まで挫折せずに読み通すことができる点が評価されているのだと思います。類書は、専門家が専門家のために書いている印象があり、これから勉強したい層には不向きであると思っています。
――長く愛される本になり、本当に嬉しいですね! ところで、執筆時に大変だったことや苦労したところは何でしたか。
大野:実はセミナーの内容をテキスト化したので、あまり苦労はありませんでした。
とはいえ、表記の揺れ、例えば私/筆者、企業/会社などを後になって修正するのは結構大変でしたので、最初からルール付けをしておけばよかったと思いました。
いきなり全部書き切ることを考えずに、コマ切れにして編集者に送って、適宜やり取りしながら進めると、途中で挫折せずに書き進めることができると思います。
――なるほど、書き上げるコツは著者にも参考になりそうです。本作はどんな人へ特におすすめしている本ですか。
大野:以下のような人を想定しています。
まずは、法人営業マン。若手or中堅営業マンとしては優秀だけど、次の一歩に迷っている人。このままいっても、担当商品には詳しくなるが、顧客の経営全般には立ち入れそうにないことにジレンマを抱えている人。
次に、数字の苦手な経営者。会計や財務に疎く、経理部長の言いなりになってしまう自分に危機感を抱いている人。銀行や株主に言われていることがわからず、資金調達や資本政策に不安を抱えている人。
最後に、駆け出しの銀行員・証券マン。会計の勉強をする必要があるが、無味乾燥でモチベーションがダウンしている人。債権者・株主としての見方に偏っていて、経営者が本当に気にしていることをわかっていないことに気づいていない人ですね。
――多くのビジネスパーソンに身につけてほしいスキルということですね。それでは、本の教えを読者が最大限に活かせるように、有効な読み方を教えてください。
大野:本作の特徴は、なんといっても「わかりやすい」点です。まず本書を読んでいただき、財務分析に興味をもってほしいです。この本で興味をもってもらったら、他のもう少し専門的な本を読むと良いと思います。
大事なのは実践です。
企業を1社ピックアップして、経年比較・同業他社比較を自分でやってみると、理解度が飛躍的に上がります。
――読後に行動が大事というのが、よくわかります。本作で一番気に入っている推しのポイントはどこでしょうか。
大野:これも同じで、わかりやすい点です。この類の本は難しすぎて、途中で挫折してしまうことが多いと思いますが、本作は短く簡潔に書いてあるので、挫折せずに最後まで読めると思います。
また、ステークホルダーごとに、財務諸表の見方が違う点も強調しました。財務諸表を複眼的に見られるようになる点は、本作の特徴であると思います。
――これからの時代の勝てる営業とは、どんなスキルが求められていくと思いますか。
大野:これまでも、これからも同様ですが、クライアントの悩み事に対して仮説を立てて検証していくスキル、そのソリューションを提供できるスキルが重要であると思います。財務分析は、そのためのツールのひとつにすぎません。
――営業マンとして実績を残したあとに一流の経営者になってほしい、という思いが本に書かれていました。大野さんが思う一流の経営者とは、どんな人物像でしょうか。
大野:ステークホルダーの気持ちのわかる人であると思います。この場合のステークホルダーとは、社員、株主、銀行、クライアントなどです。
決算書は、すべてのステークホルダーにベネフィットを配布しながら1年間を過ごした結果がわかるものです。外部環境も変化する中、多くのステークホルダーに評価してもらいながら、会社を順調に成長させていく経営者は、素晴らしい経営者であると思います。
――大野さんの描く一流の経営者、周りも良い雰囲気で働くことができそうですね! 最後に、今回のnoteを読んでいただいた読者へメッセージをお願いします!
大野:出版してから5年以上経ったので、電子書籍市場も拡大しています。おそらくダウンロードのやり方がわからない、という人も減っていると思います。財務分析はとっつきにくい、敷居が高いと思って躊躇している人も、この機会に本作をご一読いただければ幸いです。
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書籍紹介
法人営業マンが抱える、商品や業界には詳しいがクライアントの経営者が何を悩んでいるかがわからない、というジレンマを解決します。
クライアントの財務諸表を分析し、メッセージを得て仮説を構築し、それを検証することで、その会社の特徴や問題点を明らかにし、問題解決策を提案できるようになります。
細かい指標の計算は必要ありません。大事なことは、財務諸表からメッセージを得て仮説を構築することです。そしてそれをクライアントにぶつけて検証する、その過程で信頼を勝ち取ることがこの本の最終目的です。
【目次】
第1章 財務諸表を分析するメリット
第2章 財務分析を勉強する方法
第3章 損益計算書を見よう
第4章 貸借対照表を見よう
第5章 これが大事!キャッシュフロー計算書を見よう
第一章までの無料全文公開も合わせてお楽しみください!
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