『心からの願いが叶う神社参拝 ~神様に信頼される祈り方~』第一章・無料全文公開
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書籍『心からの願いが叶う神社参拝 ~神様に信頼される祈り方~』より、第一章「心からの願いが叶う準備」を全文公開しちゃいます!
神様も叶えたい、あなたの「心からの願い」
「神様」に、何を願いますか?
金運や健康運、縁結びなど、あなたや家族が望んでいることを、神社に参拝して、神様にお願いします。家族や友人には言えないことを、神様にこっそりとお願いするという人も多いでしょう。ときには、悩んでいることや、困っていることを解決してほしいと、懇願することもあります。
神様には感謝するだけで、特にお願いはしないという人もいます。しかし、私は、神様にお願いしてもよい、むしろ、積極的にお願いするべきだと考えています。なぜなら、神様もあなたの願いを叶えたいと思っているからです。
神様が、あなたの願いを叶えたいと思っている。だから、積極的にお願いするべきだといわれても、信じられないかもしれません。しかし、これは本当の話です。もちろん、神様は、どんな願い事でも叶えたいと思っているわけではありません。
神様にも、あなたの願いを叶えるかどうかの「判断基準」があります。また、私たちの願いを叶えることで、神様も目的を達成したいと思っています。そして、もう一つ、あなたにお伝えしたいのは「神様にも得意なことがある」のです。
神様が、あなたの願いを叶えるかどうかの「判断基準」については、あなたが想像しているものとは少し違うかもしれません。神様には、金運や健康運、縁結びなどの個人的なお願いをするよりも、世界平和や災害復興など、社会のため、多くの人のためになることをお願いするべきだと考えている人も多いでしょう。しかし、神様の「判断基準」は個人的な願いか、社会的な願いか、ということではないのです。
神様の「判断基準」は、あなたの願いが、あなたが本当に幸せになる「心からの願い」であること、そして、世のため人のためになる願いであることです。
神様は、私たちの「心からの願い」を叶えることで、世の中と私たちの、どちらも良い方向へ導きたいと考えています。それが成功すれば、神様もランクアップするのです。神様のランクアップとは、「神格」と呼ばれる、神様としてのランクが上がり、神様のパワーや影響力が大きくなることをいいます。そのため、世のため人のためになることは、たとえ、個人的な願いであっても、神様は喜んで叶えてくださるのです。
個人的なお願いをしても良いといわれても、神様に商売繁盛や、もっとストレートに、お金が欲しいとお願いすることは、何だか後ろめたいと感じるかもしれません。しかし、あなたの願いが、神様もぜひ叶えたいと思う、あなたの「心からの願い」であれば、まったく問題ありません。堂々と胸を張って、お願いしてください。
それでは、あなたの願いが「心からの願い」かどうか、どう判断すればいいでしょうか?
あなたが叶えたいと願っていることや、すぐに解決したいと思っていることは、「今、あなたの目の前にあるだけ」という可能性があります。あなたの人生を振り返ったとき、過去に深刻に悩んでいたことが、今となっては、それほど重要な問題ではなかった、という経験があると思います。あなたの願いが、長い人生の中では一時的なものなのか、あるいは、あなたの将来に大きな影響がある「心からの願い」なのかを判断しなければなりません。
神様もぜひ叶えたいと思う、あなたの「心からの願い」とは、簡単にいえば、あなたの「幸せ」を実現するための願いです。何を「幸せ」と感じるかは、人によって違います。まずは、あなたにとっての「幸せ」とは何かを、しっかりと考えてみましょう。
子どもの頃、「将来の夢」をテーマに、作文を書いたことがあると思います。しかし、「将来の夢」は子ども限定のものではありません。大人も「将来の夢」に向かって、日々、努力する必要があります。夢を叶えることが、あなたにとっての「幸せ」であり、夢を叶えるために必要なものが、あなたの「心からの願い」なのです。
あなたが就職活動をしていた頃、入社面接で夢や希望を語っていたはずです。しかし、社会人になって時間が経過すると、忙しい毎日を過ごす中で、その夢や希望を、心の奥のほうにしまい込んだままになっていませんか?
もちろん、働くことは大切です。「はた(傍)」を「らく(楽)」にすることが、「はたらく(働く)」ですから、誰かのために汗水を流すことが、回りまわって、あなたのためになっています。
しかし、生活のためや、家族のために、望まない仕事をすることは、あなたを不幸にします。あなたの仕事が、世のため人のためになり、あなた自身が、やりがいや達成感を得られる仕事が、あなたにとっての天職といえます。
仕事は好きだけれど、世のため人のためと考えると重荷に感じる、という人もいるでしょう。そのような人は、趣味やボランティア活動の中で、誰かのためになることを見つけてください。もちろん、「あなたの好きなことが、誰かのためになっている」のが理想のかたちです。
誰かのためになる趣味や、ボランティア活動の中で、あなたの夢を叶えることが、あなたにとっての「幸せ」であり、夢を叶えるために必要なものが、あなたにとっての「心からの願い」といえるでしょう。
あなたの「心からの願い」を知ることは、あなた自身を、もう一度、深く知ることでもあります。神様にお願いをする準備として、あなたにとっての「幸せ」とは何か、あなたの「心からの願い」とは何か、それらを明確にしておきましょう。
本当に必要なものを見極める
あなたが「幸せ」になるために、「本当に必要なもの」とは何でしょうか?
人は誰でも「幸せ」になることを望んでいます。一般的に、現代人にとっての幸せの条件とは、健康、人間関係、お金、時間の四つといわれます。この四つの優先順位は、年齢や、周囲を取り巻く環境によって、大きく異なります。
若い人にとっては、人間関係がもっとも優先順位が高いでしょう。経験が少なく、社会的な信用がまだ低いため、夢を叶えるために必要な資金を集めたり、協力してくれる人を探したりするために「人脈」が必要です。
年齢を重ね、広く人間関係を築き、経済的にも余裕がある人にとっては、健康の優先順位が高くなるでしょう。若いときは、体の衰えや痛みとは、無縁の生活を送っていた人も、健康に不安を感じたり、実際に持病や痛みに悩んだりしている人も少なくありません。
持病や痛みによって、好きなことであっても、その活動を制限され、場合によっては、夢を断念せざるを得ないこともあります。
あなたの現状を考えたとき、あなたの夢を叶えるために、本当に必要なものが、あなたの「心からの願い」です。お金があれば解決できる問題を抱えているのなら、神様にお金が必要ですとお願いしてもいいでしょう。しかし、本当に必要なものが、人との出会いや、健康になることであれば、そのことを神様にお願いしなければなりません。
似たような問題を抱えていても、その解決方法となる「心からの願い」は、その人によって大きく変わります。人との出会いが必要な場合でも、あなたの経験不足を補ってくれる先生のような存在を必要とする人と、あなたが得意ではないことを代わりに片付けてくれる、優秀なパートナーを必要とする人がいます。
健康になることが「心からの願い」である場合でも、痛みを緩和してくれる優秀なマッサージ師を必要とする人と、痛みの根本原因を見つけてくれる経験豊富な医師を必要とする人がいます。
あなたの「心からの願い」を見極めるためには、自分自身を見つめ直し、あなた自身が本当に必要なものに気づく必要があります。それが分かっていなければ、神様が、あなたのために用意してくれた出会いやチャンスにも、気づくことができません。
神様にお願いをするとき、すべて神様にお任せするという方法もあります。しかし、注意しなければならないのは、私たち人間の考え方と、神様や神様の遣いである眷属(けんぞく)の考え方は、大きく違う可能性があるのです。
あなたが神様に、活動資金が入ってくるようにお願いしたとき、神様がその願いを叶えると決めても、その手段は、あなたの期待通りになるかどうかは分かりません。あなたが、宝くじが当たることや、資金提供してくれるスポンサーが現れることを期待していても、神様は、あなたにたくさんの仕事が入るように手配するかもしれません。
その結果、あなたの売り上げは増えますが、仕事が忙しくて、やりたかった活動ができないかもしれません。つまり、願いを叶えてもらうときの条件も、しっかりと説明しておかないと、こんなはずではなかったと後悔する可能性があるのです。
縁結びをお願いする場合も、あなたが希望する条件を、細かく説明する必要があります。神様だから、説明しなくても分かってくれるだろう、というのは私たち人間の勝手な思い込みです。
縁結びの場合は、友人に紹介をお願いするときのように、あなたの好きなタイプや、相手に求める条件などを、神様に詳細に伝えたほうがよいでしょう。あなたが思うイケメンと、神様が思うイケメンは、まったく違うかもしれないからです。
縁結びに関しては、もう一つ注意すべきことがあります。それは、恋愛や結婚は「学び」の場でもあるということです。パートナーと私生活をともに過ごし、お互いの本音をぶつけ合う中で、自分自身のことを改めて深く知ることがあります。
これは「鏡の法則」とも呼ばれます。私たちが身近な人の言動や性格に、嫌悪感を抱いたり、腹立たしさを感じたりするのは、自分自身も同じものをもっているからです。身近な人によって、自分自身の短所に気づかされるのです。
理想の相手と結ばれ、幸せを手に入れたと思っていたのに、相手に幻滅したり、怒りを覚えたりするのは、決して失敗や不幸ではありません。あなたに必要な「魂の学び」をしているのです。
私たちの人生は、多くの経験から、さまざまな感情を味わうためにあります。苦労や悲しみがあるからこそ、幸せを実感することもあります。私たちの幸せは、多くの経験とさまざまな感情を乗り越えた先にあるのです。
あなたが「幸せ」になるために、「本当に必要なもの」を願うことが、「心からの願い」です。しかし、あなたの「幸せ」は、あなたが、今、考えているものとは、少し違うかもしれません。それは、あなたの魂が「魂の成長」や「カルマの解消」を求めているからです。
「魂の成長」や「カルマの解消」には、辛い試練や、厳しい修行が必要だと思われるかもしれませんが、そうではありません。魂が求めていることを、素直に実行するだけです。しかし、人によっては、抵抗を感じたり、周囲の人たちに反対されたりすることがあります。
あなたの「心からの願い」とは、あなたの魂が求めていることです。あなたの物欲を満たす欲求や、あなたの親や友人が考える幸せは、あなたの魂が求めていることではありません。つまり、あなたが心の底から、本当に願っていることが、あなたの「心からの願い」なのです。
あなたの願いを叶えてくれる神様を探す
神社や神様の説明の中に、「ご神徳(しんとく)」や「ご利益(りやく)」というものがあります。「ご神徳」とは、神様の功徳(くどく)、分かりやすくいえば、神様の御恵みのことで、一般的には「厄除け」や「安産」「学業成就」「縁結び」などがあります。そして、この「ご神徳」を頂くことを「ご利益」といいます。
あなたの魂が求めている「心からの願い」が、はっきりと分かっている人は、「ご神徳」として、その願いを掲げている神様にお願いするべきです。経験豊富で、ノウハウを知り尽くしている神様であれば、あなたにとって、よりよいかたちで願いを叶えてくれるでしょう。試験合格を願う人は「学業成就」をご神徳とする神様、病気で悩んでいる人は「病気平癒」をご神徳とする神様にお願いするほうがよいのです。
一般的には、商売繁盛の祈願は、稲荷神社や蛭子神社、合格祈願は、天満宮の菅原道真公とされます。また、縁結びの祈願といえば、出雲大社や東京大神宮、安産祈願といえば、水天宮や宇美八幡宮のように、特定の神社がその「ご神徳」によって、全国的に知られている場合もあります。
神社には、古いもので二千年以上の歴史があります。たとえば、最古の神社といわれる大神神社(おおみわじんじゃ)(奈良県桜井市三輪)は、古事記や日本書紀(合わせて記紀といいます)にも登場し、その由緒や歴史が明確に伝わっている数少ない神社です。
記紀では、なぜ三輪山をご神体とするのか、どのような経緯で神社ができたのか、ということが描かれています。大神神社の神様は、神話にもとづいた伝説によって、国造りの神様として、農業や工業、商業など、すべての産業開発の「ご神徳」があるとされています。また、一緒に祀られている他の神様の言い伝えによって、酒造りや製薬などの「ご神徳」もあるとされます。
しかし、記紀に描かれた神話にもとづいた神様の「ご神徳」は、私たち人間がその神話から連想したり、決めつけたりしている場合が多いのです。神話や言い伝えは、必ずしも神様のことを正確に伝えているわけではありません。
縁結びで有名な東京大神宮(東京都千代田区富士見)は、明治時代以降に神前結婚式を普及させたことや、テレビや雑誌で取り上げられたことで、良縁や縁結びの「ご神徳」がある神様として有名になりました。
東京大神宮の「ご神徳」についての説明によれば、東京大神宮には御祭神として、伊勢神宮の内宮の御祭神と同じ天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)と、伊勢神宮の外宮の御祭神と同じ豊受大神(とようけのおおかみ)とともに、造化(ぞうか)の三神(さんしん)と呼ばれる三柱(みはしら)の神様、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、高皇産巣日神(たかみむすびのかみ)、神産巣日神(かみむすびのかみ)が祀られていて、縁結びの「ご神徳」は、この造化の三神の働きであるとされます。
その理由としては、造化の三神が、天地万物の生成化育(生み育てるという意味)、つまり、結びの働きを司るため、としています。確かに、縁結びも生成化育の一環なので、「ご神徳」と考えることもできますが、拡大解釈のようにも思います。
ところが、「イセ」には、夫婦や男女の意味があるため、「東京のお伊勢さま」と親しまれている東京大神宮で縁結びを願うのは、実に正しいことなのです。偶然なのか、それとも、やはり神様のお導きなのか、天照大御神こそが、夫婦円満について教え、導かれた、偉大な指導者なのです。これについては、次章で詳しく解説します。
また、言い伝えとして広まることが多いのが、病気平癒の「ご神徳」です。ある神様にお願いして病気が治った、という話が広まって、いつの間にか、その病気専門の神様になってしまった、という例がたくさんあります。
京都の伏見稲荷大社(京都市伏見区深草薮之内町)、その本殿の背後にある稲荷山の中腹に「眼力社(がんりきしゃ)」という大きなお塚があります。眼力とは、物事の本質や善悪を見抜く力、あるいは、先を見通す力という意味です。
したがって、経営者や指導者が成功を願い、神様から眼力のご利益を授かるというのが、本来の姿です。しかし、現在、眼力社に参拝する人の多くは、眼病平癒を願います。これは、眼病が治ったという話が広まって、有名になったからです。
もちろん、眼病を抱えていては眼力も働かないので、眼病平癒も「ご神徳」に含まれるでしょう。しかし、こちらの神様は、目には見えないことを見通すことが、得意な神様なのです。
また、石切劔箭(いしきりつるぎや)神社(大阪府東大阪市)は、「でんぼの神(かみ)さん」として知られています。「でんぼ」とは、関西の言葉で腫れ物という意味です。現代では、腫れ物とは、病気の元や腫瘍(しゅよう)のことであると考えて、「ガン封じの神様」としても信仰されています。
しかし、「でんぼ」とは「伝法(でんぽう)」、つまり、神社に伝わる秘法を指しているとされます。その秘法の中に病気平癒も含まれているかもしれませんが、本来は、病気平癒専門の神様ではありません。
このように、特に病気平癒の「ご神徳」については、体験談が広まるかたちで有名になることが多いといえます。もちろん、一生懸命にお願いすれば、神様も助けてくださるでしょうが、実は、病気を治すことが得意ではないのかもしれないのです。
あなたの願いを、よりよいかたちで叶えてくれる神様を探すためには、神様が本当に得意なことを知る必要があります。
願い事は、最初に「氏神様」に相談する
あなたの「心からの願い」を、最初に相談するべき神様は「氏神様」です。
「氏神様」とは、あなたをいつも見守ってくれている、最も身近な神様です。あなたの日常生活や家族のことは、遠く離れた神格の高い神様にお願いするよりも、まずは氏神様にお願いするほうがよいでしょう。
昔は、先祖代々、氏神様とする神社があり、生まれてから亡くなるまで、その神社の神様に、嬉しい報告をしたり、悩みを相談することが当たり前でした。しかし、現代では、親の転勤のために生まれ育った土地を離れることや、自分自身の就職や結婚で、見知らぬ土地で生活することは珍しいことではなくなりました。そのため、自分が住んでいる土地との結びつきが、希薄になってきました。
自分が住む家の間取りや、周辺にある店などの住環境については、よく調べてから住む場所や家を決めると思いますが、氏神様となる神社のことまで調べてから、住む場所を決めるという人はほとんどいないでしょう。また、その土地に長年住んでいても、氏神様となる神社を知らないという人も多くいます。
家の近くにある神社には参拝しないけれど、有名な神社には参拝するという人がいますが、とても「もったいない」ことです。たとえるなら、生活する中で困っていることや、助けてほしいことを市役所や区役所ではなく、県庁や国会に出向いて、一方的に相談しているようなものです。
個人的な問題は、県庁や国会では解決できません。あなた個人の問題は、あなたが住んでいる地域の市役所や区役所に相談する必要があるのです。神様の世界も、同じようなことがいえます。あなたの個人的な問題を、最初に相談すべき神様は「氏神様」なのです。
伊勢神宮では、個人的な願い事は控えるようにいわれますが、その理由や考え方は、個人的な願い事を神宮の神様に伝えてはいけないということではありません。個人的な願いを伝える相手(神様)が違うということです。
家の近くには、いくつかの神社があって、どの神社が氏神様なのか分からない、という人もいるでしょう。現代では、あなたの家の住所によって、氏神様となる神社が決まります。まさに、市役所や区役所と同じ決め方です。それぞれの神社で、管轄する地域が決まっているのです。したがって、住んでいる場所によっては、となりの地域の神社のほうが近いということもあります。
神様が、市役所や区役所と違うところは、管轄する地域の住民ではなくても、ちゃんと願いを聞いてくれるということです。基本的には、住所によって決まる神社を氏神様として、日常的に参拝すればよいですが、直感的に合わないと感じた場合は、家から近い他の神社に参拝しても構いません。
日本には八万社以上の神社があるといわれます。常駐する神職の方がいない神社は、清掃や管理が行き届いていないため、神様が居ない場合もあります。そのような神社には、低級霊などが居着いている場合もあります。住所によって決まる氏神様が、何度も参拝したいと思えない場合は、家から近い他の神社を、氏神様として参拝してもよいでしょう。
氏神様や、あなたが頻繁に参拝する神社の神様に、日常的に参拝して、ご挨拶だけでなく、近況報告などをしていると、神様もあなたのことを深く理解できるので、あなたに必要な助けや気づきを、的確に与えてくれます。また、神格の高い神様の助けが必要な場合も、氏神様が手配してくださるでしょう。
もちろん、常駐する神職の方がいない神社でも、地域住民(氏子(うじこ)といいます)の皆さんで清掃をして、しっかり管理されている神社もあります。常駐する神職の方がいない神社が、必ずしもよくないわけではありません。
氏神様との相性がよいかどうかは、あなたの直感で判断してください。晴れた日の午前中に参拝して、境内が薄暗い雰囲気ではなく、清々しいと感じるかどうか、また、あなたの心がウキウキして、あなたの魂が喜んでいると感じるかどうかで判断してください。
氏神様との関係をしっかりと築いた上で、あなたが参拝してみたいと思う神社や、テレビや雑誌などで何度も見かけて気になっている神社は、あなたの氏神様や守護霊からのお知らせといえます。あなたの願いが、氏神様の力が及ばない場合や、他の神様にお願いしたほうが、よりよいかたちで叶うと判断されたとき、その神様の神社に参拝するように導かれるのです。
予定していたことがなくなったタイミングで、たまたま友人に誘われて、行きたいと思っていた神社に参拝することができた、というような経験が、あなたにもあると思います。偶然が重なって、行きたかった神社に、特に準備もせずに、無事に参拝することができたとき、『神様に呼ばれた』という表現をします。
これは、実際には、あなたの氏神様や守護霊が手配をして、ベストタイミングであなたが参拝できるように、準備万端に整えてくれているのです。あなたの心からの願いが叶って、あなたが幸せになることを、氏神様も守護霊も願っているからこそ、起こる奇跡です。
氏神様や産土神(うぶすなかみ)、また、産土神が鎮座する幽宮(かくりのみや)などについては、私の著書『神様に呼ばれる神社参拝』で詳しく解説しています。
穢れを祓い、体調を万全にする
いよいよ、あなたが行きたかった神社に、参拝する日が近づいてきました。あなたが準備するべきことや、注意するべきことは何でしょうか?
神様や、神様の使いの神使(しんし)や、眷属(けんぞく)たちは、「穢(けが)れ」をもっとも嫌います。したがって、穢れを神域に持ち込んではいけないのです。穢れは、目には見えませんが、自分自身に穢れがあるかどうかは、ある程度は分かります。
身内に不幸があったときは、一定期間、神社参拝を控えるように、と昔からいわれています。これは、神様たちにとって「死」が、もっとも忌み嫌う穢れとされているからです。正確にいえば、死そのものではなく、「死」に穢れの原因となる不浄なものが、群れ集まってくるからです。
また、死に接すると、悲しみのあまり波動が低くなり、穢れの原因となる不浄なものを引き寄せやすい状態にあります。身内に不幸があったとき、一定期間、神社参拝を控えるのは、神域に穢れを持ち込まないためと、悲しみのあまり低くなった体力と波動を、元の状態に回復するためでもあります。
身内の不幸を回避するのは、なかなか難しいことですが、あなたにとって意味のある神社参拝であれば、氏神様や守護霊によって、そのタイミングを調整してもらえることがあります。
私が経験したことで、タイミングの調整について説明しましょう。私が、出雲大社で行われる神迎祭と神在祭に参列するために、一泊二日で出雲地方を訪れたときの話です。
すべての予定を終えて、帰る直前に昼食のために立ち寄ったレストランで、母から電話がありました。その日の朝に、伯父さんが亡くなったことを伝えられたのです。母からの電話が、もう少し早いタイミングであれば、参拝に集中できていなかったでしょう。また、伯父さんが一日早く亡くなっていれば、出雲行きは、キャンセルしていたと思います。
穢れの原因は、死や不浄なものだけではありません。あなた自身に問題がある場合もあります。特に注意しなければならないのは、負の感情と不摂生です。日常的に自分自身を傷つけるようなマイナス思考の人や、他人に嫉妬や恨みなどの負の感情をもっている人は、そのマイナス思考や負の感情が、穢れとしてあなたの身体に蓄積されていきます。
また、暴飲暴食をしたり、夜中まで遊んでいたりと不摂生な生活を送ることも、穢れをため込むことになります。修行中の僧侶は、肉や酒を断ち、戒律を守って厳しい生活を送ることは、よく知られています。神社の神職も同様に、大切な祭祀の前は、斎戒(さいかい)といって、身体を清め、飲食を慎み、思念や言動を正しくして、穢れに触れないように努めます。
あなたが神社に参拝する場合も、神域に穢れを持ち込まないように、斎戒に近い生活を送る必要があります。それが神様に対する礼儀です。具体的には、入浴して身体を綺麗にして、肉食や飲酒を控え、マイナス思考をやめて、悪口や愚痴を言わないようにします。
旅行気分で神社巡りをする人は、美味しい料理や、うまい地酒を楽しみにしているかもしれませんが、それは参拝後の楽しみにしてください。穢れた状態で参拝するのは、神様に対して失礼になります。
たとえるなら、あなたが尊敬する先生や上司の家に、泥で汚れた服装で行って、家の中を泥で汚しているのに、知らん顔をしているようなものです。せっかく、時間とお金を使って、神様に会いに行っているのに、神様に失礼な人間だと思われてしまったら、参拝した意味がありません。
参拝した意味がないだけでなく、氏神様や守護霊の顔に泥を塗ることになるので、むしろマイナスになってしまいます。氏神様や守護霊は、あなたを参拝させないほうがよかったと後悔することでしょう。
神社参拝のときには、住所と名前を神様に伝えるようにいわれますが、あなたが、どこの誰かを伝えると同時に、氏神様についても伝えていることになります。あなたの氏神様や、あなたを守護している見えない存在に恥をかかせることのないように、神域に穢れを持ち込まず、礼儀正しい参拝をしてください。
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書籍『心からの願いが叶う神社参拝 ~神様に信頼される祈り方~』
書籍情報
「心からの願い」が叶い、あなたを本当の意味で「開運」に導く、神様に信頼される祈り方と、神様に愛される神社参拝についてお伝えします。
この本は、願い事を叶えるための「やり方」ではなく、あなたの「心からの願い」に気づき、その願いを叶えるために何をするべきか、神社参拝の準備と礼儀作法、神社参拝後に実践すべきことについて、分かりやすく解説しています。
特に、神社参拝の後、日常生活で実践すべき「7つの大事なこと」は、これまで気づいていなかったり、意識していなかったことを、具体的な例を挙げて、詳しく解説しています。あなた自身や周囲の変化についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
また、神様が本当に得意なことで説明している内容は、古事記や日本書紀ではその理由が分からなかったことを、歴史書「ホツマツタヱ」にもとづいて分かりやすく解説しています。これまでの一般常識とは異なる話ですが、読めば納得の内容で、願い事別にオススメの神様と神社を一覧表にまとめて紹介しています。
第一章では、心からの願いが叶う神社参拝の準備のために、「心からの願い」とは何か、そして、「あなたが幸せになるために本当に必要なもの」について。
第二章では、古事記や日本書紀の元になったとされる歴史書「ホツマツタヱ」によって解き明かされた、神様が本当に得意なことについて。
第三章では、心からの願いが叶う神社参拝の礼儀作法について。
第四章では、神様からのメッセージに気づき、その意味を理解するための方法について。
第五章では、心からの願いを叶えるために、神社参拝後に実践すべき「7つの大事なこと」について、それぞれ解説しています。
あなたも神様に信頼される祈り方を身につけて、神様に愛される神社参拝を実践してください。
【目次】
第一章 心からの願いが叶う準備
第二章 神様が本当に得意なことを知る
第三章 心からの願いが叶う礼儀作法
第四章 神様からのメッセージに気づく
第五章 参拝した後に実践すべき「7つの大事なこと」
著者プロフィール
市口 哲也
神社ナビゲーター
1973年生まれ、大阪府出身。岡山大学大学院修士課程修了後、メーカーに技術職として勤務。ハードワークで体調を崩し、うつ病と診断されるが、神社参拝によって、人生を前向きに生きるきっかけを掴む。日本全国の神社仏閣に参拝し、神様のことをより深く理解するために古事記と日本書紀(記紀)を学ぶが、記紀の原書とされる歴史書「ホツマツタヱ」に出合って衝撃を受ける。現在は、神社ナビゲーターとして神社を案内しながら、参拝作法や心構えを伝えるだけでなく、神様について、記紀にもとづく説明と、「ホツマツタヱ」に描かれている物語の違いを解説している。著書『神様に呼ばれる神社参拝』では、参拝作法や神様の歓迎のサインなどの目に見える世界について、『龍神さまに呼ばれる神社参拝~龍神さまとご縁を結ぶ作法を学ぶ~』では、神様や龍神さまのエネルギーである「ご神氣」を感じるコツなどの、目に見えない世界について解説している。