アスリートが100万人に1人の人材になる方法
6/30(日)FC. Resnovae主催のイベントにてアスリートバリューをテーマにお話をさせていただきました。
フランスW杯メンバーの籾木選手を始め、国内外のトップ女子サッカー選手が参加したこのイベントを通じて「アスリートが100万人に1人の人材になる方法」について言語化することに挑戦したのでその内容をシェアしたいと思います。
FC. Resnovae
FC. Resnovaeは、女性スポーツ界にResnovae(革命)を起こすべく、2019年3月に始動した組織です。女子サッカー選手の下山田選手と内山選手を中心に、新しいプロフェッショナルの形を女性スポーツ界から生みだすことを目指して活動しています。
発表スライド
最後のワークショップも含めて45分間程お話させていただいたのですが、書けないことも沢山あるのでひとまず発表スライドだけ公開させていただきます。
本イベントの事後レポートについてはFC.ResnovaeのアカウントからUPされる?と思うので、そちらもお楽しみに!
トークの概要
主催の下山田さん・内山さんから「女子サッカー選手に、アスリートバリューの話をして欲しい」とリクエストいただき、このイベントに参加することになりました。アスリートバリューについて以前まとめたnoteはコチラ。
現役トップ女子サッカー選手とお話できるせっかくの機会なので、少しでも皆さんにとって収穫がある時間にしたいなぁと思い『アスリートが高めるべき3つのVALUE』の内容をより深掘りしてみることに決めました。
深掘りした以下3つのトピックの中で、このnoteでは「アスリートが100万人に1人の人材になる方法」についてまとめていきたいと思います。
・ソーシャルバリューの話
・アスリートが100万人に1人の人材になる為に
・全ての道はサッカーに通ずる
100万人に1人の人材になる方法
そもそも「100万人に1人の人材になる方法」とは教育改革実践家の藤原和博さんが提唱している説で、「3つのキャリアを5年から10年ずつ経験して、その掛け算で希少性を獲得し、100万人に1人の存在になりましょう。」という内容です。
100万人に1人の存在を目指す方法について説明されている箇所を、以下の記事から引用します。
100万人に1人はオリンピックのメダリスト級のレアさだし、同世代でたった1人の存在になるから、「雇われる力」が飛躍的に高まり、必ず稼げる大人になれます。
まず、ある分野で集中して仕事をして、100人に1人の希少性を確保しましょう。次に、違う分野で仕事をして100人に1人の希少性を確保できれば、もう掛け算すれば1万人に1人の希少性を確保できたことになります。大ざっぱなイメージとしては、20代で100人に1人に、30代でもう100人に1人を達成して、1万人に1人にというペースです。ここまできたら、あと1つの分野で仕事をして100人に1人の希少性を達成すれば、100分の1×100分の1×100分の1=100万分の1の希少性が実現します。
1つの仕事をマスターするのに人間は一般的に1万時間かかると言われていて、逆に言えば1万時間でその分野で100人に1人くらいの希少性は得られることになります。
また、1万時間を達成する為には5年から10年の練習量が必要と言われています。余談ですが、僕は前職の電通ライブに勤めた丸4年で1万時間の練習量はゆうに超えています。スポーツでもビジネスでも、質と量が正しく伴わなければ努力は報われるとは限りません。僕自身も、今まさに2つ目の軸を作っている真っ最中です。
アスリートが100万人に1人の人材になる方法
それでは、アスリートにこの「100万人に1人の人材になる方法」を当てはめてみます。今回のイベントは女子サッカー選手の皆さんにが参加者だったので、なでしこリーガーの希少性について考えてみました。
『FIFA Women’s Football Survey 2014』によると、日本の女子サッカー競技人口は約4万8300人。そして、なでしこリーグ1部・2部でプレーする選手は20チーム×約22人=440人となります。
つまり、競技人口に対する女子サッカー選手の割合は99.5人に1人ということになります。従って、イベントに参加されていた現役女子サッカー選手の皆さんは既におよそ100人に1人の存在という訳です。
さらにこの日参加してくださっていた籾木選手は24人しか選ばれない日本代表チームのメンバー。そして、なでしこジャパン24人を競技人口で割ると、約2000人に1人の存在となります。
... 何となく、言いたいことが見えてきたでしょうか?
籾木選手が女子サッカー界で2000人に1人の存在だとすると、1/100万人の人材になる為には残る2つの領域の合計で1/500人の存在になれば良いのです。
つまり、2つ目の領域で50人に1人の存在になった後、続いて3つ目の領域で10人に1人の存在になれば100万人に1人の人材が出来上がるという訳です。
一見数字遊びのようですが、特定領域で突き抜けることができればその分人材の希少性が高まるので後のキャリア形成は容易になります。つまりアスリートバリューを最優先で高めることは、キャリアの観点から見ても正しいアプローチであると言うことができます。
なでしこリーガー
1/100人 × 1/100人 × 1/100人 = 1/100万人
日本代表メンバー
1/2,000人 × 1/50人 × 1/10人 = 1/100万人
W杯優勝メンバー
1/48,000人 × 1/10人 × 1/2人 ≒ 1/100万人
W杯MVP選手
1/1,152,000人 > 1/100万人
W杯MVP選手の澤選手は現役当時、アスリートとしての価値だけで1/100万人の希少性を持っていたことが分かります。
当然といえば当然なのですが、アスリートの皆様には3つの領域で万遍なく1/100人の希少性を目指すよりも、まずは現役アスリートとしての希少性を1/100人以上に高めることを目指しながら、余ったリソースを使って2つ目と3つ目の領域にチャレンジすることをお勧めしたいです。
アスリートに必ず訪れる転機
それは、言うまでもなく引退です。
加齢による身体的な衰えが原因かもしれないし、怪我や病気かもしれない。どんなスター選手であっても、競技者としての寿命は平均的にそう長くありません。
引退を迎えたアスリートは、その時点で競技者としての希少性を事実上失います。つまり、澤選手であっても引退した瞬間に【現役アスリート→元女性サッカー選手】へカテゴリーが変更となり、「元女性サッカー選手」の中でまた1/100人を目指す競争が始まる訳です。(元女性サッカー選手の領域で争わないという選択も、もちろんあります。)
「元女性サッカー選手」のカテゴリーでパッと浮かんだのはW杯優勝メンバーの丸山桂里奈さん。元女性サッカー選手として1/100人以上の存在でありながら、バラエティタレントとしても1/100人以上の存在です。更にもう1つ1/100人の領域を追加することができれば、まさしく100万人に1人の人材です。
丸山桂里奈さんは2016年シーズン限りで引退し、翌2017年9月10日放送の「しくじり先生(テレビ朝日系)」でバラエティデビュー。引退してから凄まじい早さでキャリアチェンジに成功していますが、裏ではまず間違いなく人知れぬ努力をしているはずです。元々の素質もあると思いますがw
とは言え、引退後のキャリアに即フィットできるアスリートはそう多くありません。故に、アスリートバリューを高めることを最優先としながら、平行して現役アスリート特有の知名度や影響力、時間を駆使して2つ目、3つ目の領域にチャレンジすることが望ましいキャリアプランであるように思います。
アスリートに限らず
上記で述べてきた内容は、決してアスリートに限った話ではありません。アーティストも料理人も、ビジネスマンも同じです。変化が早すぎる現代社会において、1つの職業、1つのスキル、1つの領域に囚われることは美しくも危険です。極論、環境の変化や技術革新によってその職業ごと無くなってしまう可能性すらあるからです。
スペシャリティは、1つだと点に過ぎません。しかし、1つだった点が2つになるとそこに線を引くことができます。そして3つになるとそこに面が現れる。そうしてリスクを分散しつつ、同時に自分のキャリアの可能性と幅を広げていくことができれば理想的です。
最後に
1つの領域で既に1/100人以上の希少性を持っているアスリートだからこそ、2つ目・3つ目の領域を早くに開拓して人生の幅を確保したいところです。
アスリートは現役中がボーナスタイム。
バイタリティを持ってピッチ外でも動けるアスリートは、現役中の時間も含む人生の可能性を大きく広げることが出来るはず。
「ピッチ上で見るプレーもカッコいいけど、ピッチ外の活躍も素敵だよね」と世間から評価されるアスリートが1人でも多くなれば嬉しいし、そういう状況が当たり前になる文化を創るべく2019年下半期、個人としても会社としても走り抜けたいと思います。
Revive Inc.はこれからリリースラッシュが続きます。社員でありながらワクワクが止まらない状況です。今後のReviveの活動にぜひぜひご注目ください!
また、女性アスリートの活躍やFC.Resnovaeには引き続き関わっていけたら、と考えています。こちらもご興味ある方がいればぜひご連絡ください!
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!
fin.
五勝出 拳一 Kenichi Gokatsude
Revive Inc. PR Maneger ← 電通ライブ / 電通テック ← 東京学芸大学蹴球部 / 全日本大学サッカー連盟 学連&全日本大学選抜 主務|アスリートのブランディングとキャリアを軸に活動中|スポーツ/広告/PR|神村学園淡路島キャリアアドバイザー|#COYG|日本に40人の苗字、ゴカツデです。
この記事が参加している募集
いつも読んでいただきありがとうござます:)