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裏表じゃなくて、両A面的な人間

しゅんしゅしゅんです。

人間性って両A面的だ。

「ポイズンドーター・ホーリーマザー」を読んでそう思った。
湊かなえさんの小説が好きで、本作もとても面白く読ませていただいた。独特な独白調で真実が明かされいく形はもちろんだが、好きな理由はこれ。

人間を裏表で描いているのではないということ。

裏面表面ではなく、両面フラット。裏表をうまく使い分けているというより、ただ真っ正直に生きている人間を描いている。人間の怖さというより、不器用さを描いている。だから好き。裏とか表とかってのは、ある誰かから、ある誰かを見たときに生じるものであって。その人自身は裏でも表でもない。どちらも裏だし、どちらも表。

人間自身への深い考察というより、人間と人間の認知のズレへの深い考察ではないか。人間が相手をどう見るか、相手を通して自分をどう見るか。一人では生きていけない、人と人の間でしか生きていけない、その人間関係に焦点をあているのが好きだ。

人間は自分のメガネでそれぞれの世界を見る。人によって世界が違うから生きにくい。だけどそれは実に人間くさい。

そんな人間くさい小説が好きなんです。ミステリー・青春・恋愛・ファンタジーより断然好きなんですよね。

最近読んだ「コンビニ人間」もそうだなって。普通という概念が生まれてしまう人間世界の中での人間くささを滑稽にえぐぐ描いている。

西加奈子さんにも同じような感じを抱く時がある。他にそんな作家さんはどながたがいらっしゃるのでしょう。小説分野にはそこまで詳しくないので、良い作家さんがいたら教えてほしいです。

ちなみに。にたような理由で。
人間の悩みはすべて人間関係であると言い切るアドラー心理学も好き。
事実は一つ、だが見方によって真実は変わる。そんなコンセプトの「放送禁止」というTV番組も好き。

人間の深みをどこまでも掘り下げたい。深みにおぼれたい。それが偉いのか?それで得するのか?そんなことはわからないが、ただただ興味が尽きない。

では。



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