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板挟みマネジャーの負荷を軽減するために必要なこと

しゅんしゅしゅんです。

サイボウズかっけーす。恐るべし。

サイボウズは100人100通りの働き方を目指した。100人1通りの働き方ではなく100人100通り。100人100通りなもんで、もはや管理しきれるわけがない。だからこそ管理をあきらめた。メンバー全員を1通りに統率することをあきらめた。

潔し。かっけーす。

何かを得るなら、やっぱり何かは捨てないといけない。でも捨てるのってむずかしい。何が本当に大切かがわかってないから。最も得たいことがわかっているからこそ捨てるという辛い判断ができる。

とはいえ、サイボウズは「管理すてました!」「あとは従業員を信じよう!」なんて無策の性善説に頼っているわけではない。

だ・か・ら・こ・そ。徹底的に情報をオープンするんだと。

全員が情報をオープンにすることで不正を働くハードルを上げるのだと。端的に言うと相互監視だ。この相互監視って、文字面は窮屈でとっても嫌な感じがする。

でも100人100通りの働きやすい世界を実現するために、お互いに情報をオープンにすることでコミュニケーションをとりやすくしよう(それが相互監視につながる)なら悪くない。

「情報をオープンにしよう」ってコトバは幾度となく耳にしてきた。そして誰もが、なんとなくそのほうがいいと無意識に思うコトバだと思う。では一体。「なんで情報をオープンにする必要があるのだろうか?」をしゃんと考えたことがあるだろうか?そういえば僕はありませんでした。耳障りのよいコトバってその理由を深く考えることがなくなってしまう。

サイボウズの理由は納得度が高い。はじめてこのコトバが腹にまで落ちてきた。

自分たちの働きやすさのために100人100通りの働き方を達しようとした時に、情報をオープンにせざる負えない。だからサイボウズの社員も情報をオープンにすることに前向きなんだろう。

このような背景なく「健全な経営を!」「開かれたコミュニケーションを!」と号令をかけても情報公開は進まない。

僕の会社でも「情報は可能な限りオープンにしようよ」は100万回は言われた。そんでも公開される情報はほんの一部。まだ決まっていないこと、センシティブなこと、耳障りが悪いことは「情報が独り歩きすると困るから」という理由で属人的かつ暗黙的にクローズされていく。経営情報も階層別に開示範囲をきっている。マネジャーである僕にオープンにされている情報も全社の情報の半分もないだろう。怖いのは僕自身はそれを課題視していない。暗黙的に受け容れている。不便への慣れが発生していること。

僕の会社ではタレントマネジメントシステムを導入している。「コミュニケーションの活性化のために情報を入力しよう!」と人事が言う。でも入力率は50%くらい。その50%も大した情報は入力していない。何を隠そう僕も入力していない。僕のページのTOP写真は10年前の新人の頃の写真だ。もやは僕か否かの判別すらつかない。理由は明快だ。入力する意味がないと思っているから。

サイボウズでは本当のところはわからないけど、インサイダーにあたる情報以外は全て情報をオープンにしているらしい(たしか本書にそう書いてあったような)

情報の徹底公開には、経営層の非公開への課題意識と情報公開に対する覚悟はもちろんのこと、「なんのために情報をオープンにするのか」「その先にどんな魅力的な世界があるのか」への共通認識が必要だ。

そうでないと経営・現場双方で情報公開は進まず、結果的にマネジャーが中間でハブとなって情報の上げ下ろしをする構図は変わらないのだろう。

やっぱりおススメの本だなー

おまけで最後に、ドキッとした本書内の一節を。

みんなもう、知ってしまっています。

年齢がほんの何歳か違うだけで、意思決定の能力はそう簡単に上がらないこと。同じ情報さえ与えられれば、若いメンバーでも同じ質の意思決定ができることを。

そしてさらに、自分の得意分野であれば、若いメンバーのほうがいいアイデアを出すことが普通に起こり得る、ということに。

ひやひや。

では。

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