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(連載3)詩の朗読と衣装を組み合わせた創作ユニットをはじめた:ロサンゼルス在住アーティストの回顧録:1980年代半ば

いよいよ、詩人と服のコラボ・ユニット

「ロヲザ・ルナティック」

がはじまりました。

私にとっては、詩人、月ノ夜ロヲザの作る詩や歌からインスパイアされた洋服の制作という新しいプロジェクトです。

これは、かなり本気でとりくまないと。。。

なぜなら、これは仕事ではなく、自分自身の為に作るもの。

それまでのコマーシャルで作っていた服のように、次から次に社会の渦に巻き込まれて消費されてゆくようなものではなく、一つ一つの服にタイトルもつけて、自分の作品となるようなものにしたい。と思いました。

他人から見ると、ただの「ロヲザのイベントの為の衣装」なのですが、これは彼女の為だけではなかったのです。

早速。。。

制作開始い〜〜!

私は、お人形の服をつくるような感覚で、作り出しました。

まずは肌になるファンデーション。これです。

タイトルも自分でつけてみました。

空想の表面

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洋服が完成したら、早速テストシュートも始めました。

カメラは仕事仲間の加藤昌一さんが、ヘアメイクは、後にヘアメイクの第一人者となる、あの!中野明海さんです。まだ、本格的には、はじめていない頃です。

ドアがついた服。実際にドアは開閉でき、中にはオブジェがはいっています。彼女はそれを取り出して、歌う。。。。

タイトルは 

扉のある風景

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そして、影絵の服。光で成り立つドレス。彼女が踊ると、影も踊る。

音の出るダンス

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手品師のスーツ、ポケットのカクテルがハンカチになっていて、それを取り出すと、グラスが空になる。。。

カクテルの好きな紳士

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彼女の世界と私のイマジネイションが合体されて、体の動きとドレスと彼女の詩が連動する。考えてたら、もう色々なアイデアが次から次に出てきて。

例えば、スカートが紙芝居みたいになってて、絵がグルグル回ったり?なんてのも、いいな〜?なーんて。片っ端から思いついたことを、おしゃべりしまくってた。。。そんな日が、続いておりました。楽しかったな〜〜!!

しかし、一方、その反面。。。。

実は前もお話したように、私は過激なオーバーワークで、心も体もどん底状態を経験し、しばらくは、ぐったりしていたので、

まだ、いってみれば、プチ・リハビリ中。。。。

資本主義のイケイケ、上向きな経済のサイクルの中で、一生懸命に、ひたすらチョー〜〜〜〜〜全速力で動き回ってたら、その遠心力で、ばーん!と外にはじき出されちゃった。。。。。と、そんな疎外感もあったと思います。

いったい自分にとって仕事ってなんだろう? 

生活って、何?

などと、ぼんやりですが、考えるようになり、だんだんそれが、大げさに「生きるとはなにか?」そしてついには、「人間が存在するとはどういう事?」みたいに、もう考えてもどうにならないような、バカでっかい、でもなんか疑問?みたいなのが、いつもいつもじゃないのですが、浮かんだり消えたりしてて、漠然と「物事の考え方とか成り立ち」みたいな事を勉強してみたいなーと、思うようになりました。

そして、だったら、「そういう分野って、哲学なのかな〜?」と。

当時は、ネットなどなかったので、今のようにカジュアルに「哲学」ってググってみたりとかできませんでしたので、「誰でもわかる哲学の歴史」なんて本を買ったりして読んでみたものの、当たり前ですが、さっぱり、わかりませんでした。

その頃よく「サルでもわかる⚪️⚪️」なんてのが、ありましたが、あれって、自分は、逆に、サルじゃないから、わらかないんだろうなー。と本気で思ってました。笑

それで、こうなったら、「家庭教師にでも頼んで、教えてもらったらどうか?」いくらなんでも、一対一で説明してもらったら、わかるかも、と。でも、そんな哲学なんて、教えてくれる人は回りにはいませんでした。

で、ふと、考えた。

アカデミックの殿堂といえば、やはり「東京大学」!!!!

ダメ元で、電話帳で調べて、そこの学生の援助サービスみたいなところに電話してみたんですよ。「アルバイトで、家庭教師をやってくれる人はいないでしょうか?」と。

そしたら、なんと!

紹介してくれたんです!

で、家に来てもらって、一回、当時3000円くらいかな〜?本の内容をいちいち、説明してもらう。という勉強をはじめました。

しばらく続けてましたが、ま、結果から言えば、なんかわかるようなわからんような。。。ようするにどこがわからないのか、わからない。ぶっちゃけ、哲学をナメてましたね〜〜。苦笑

しかし、人生って、不思議です。この家庭教師の男の子が、実は、哲学ではなくて、違う道筋につながったんです!

20秒前に、「紙芝居のスカートで、絵が動いたら面白いよね?」って話、しましたよね?

この東大の家庭教師の男の子に、きいてみたんですよ。

「紙芝居が動くスカート」って、作れる人、知らない?って。

天下の東大なんだから、誰かいるのでは?と。

そしたら

やっぱ、やっぱ、おりました〜〜!!!

これまた、さすが東大コネクション!!

別の男の子が現れた!多分工学系?工作系?でありましょう!!

その男子は、まるで、大きなプラモデルを作るように、ちゃちゃっと、このぐるぐる回るスカートを作ってくれたんです。もちろん布の部分は私が作りましたが、この絵の部分は、スイッチを押すと電動で回るんです!絵に注目してください。

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すごいですよね〜〜〜? 

この瞬間に、私は頭がいい人が好きだ!と、あたらめて確認しましたよ。

そんなこんなで、私は、結局、哲学の勉強なんて、自分には向いてない事は、さっさと諦めて、ドレス制作の方に邁進してまいりました。

次回は、ついに、「ロヲザ・ルナティックのデビュー!の巻」です。

続く!







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