マガジンのカバー画像

Poetry night

108
詩と朗読と映像と。
運営しているクリエイター

#stand_fm

「詩の仲間たち展」とアトリエ郎女の話。/詩と朗読 poetry night 第85夜

「詩の仲間たち展」とアトリエ郎女の話。/詩と朗読 poetry night 第85夜

「詩の仲間たち展」が好評のうちに終了した。
この6月下旬に、自宅の敷地内に建てたミニログハウス「アトリエ郎女」で、詩の同人会「火片」に所属する5人の女性詩人の詩画展を催したのである。
昨年、このアトリエで私個人の作品展を試験的に開き、まあまあ好評だった。この程度の小規模イベントなら私でもできる✨と自信がついたので、今年は仲間たちに呼びかけた。
とはいえ私は非健康な人間である。在廊する私の体調に合わ

もっとみる
朝の音/詩と朗読 poetry night 第81夜

朝の音/詩と朗読 poetry night 第81夜

夢の中で私はいつも小学生だ 
天気は晴れ 
父は銀行員 
庭の花がうららかな風に揺れていて
(「朝の音」より)

🌿「詩と朗読 poetry night」 第81夜は「朝の音」。スキマ時間に聴いていただければ幸いです。↓

*****
「朝の音」

階下で動き回る気配に
目を開けた
洗濯機を回す音
味噌汁の匂い
母が昨夜の残りを温め直している

タンスの扉を
父が開け閉めする
掛けてあるベルトが

もっとみる
れんげ摘み/詩と朗読 poetry night 第80夜

れんげ摘み/詩と朗読 poetry night 第80夜

厳しかった季節はもう終わり
さわさわ揺れる緑葉を踏みながら
わたしのほうへ
歩いてくるひとがいる

💎「詩と朗読 poetry night」 第80夜は「れんげ摘み」。
スキマ時間に聴いていただければ幸いです。↓

「れんげ摘み」

昨夜あんなに降った雨のあと
たくさんの蝶がとまっているような
小さな花が
春田(はるた)で次々と開いた

厳しかった季節はもう終わり
さわさわ揺れる緑葉を踏みながら

もっとみる
calling〜薇(ぜんまい)/詩と朗読 poetry night 第79夜

calling〜薇(ぜんまい)/詩と朗読 poetry night 第79夜

💎詩と朗読 poetry night 第79夜は
「calling〜薇(ぜんまい)」。
スキマ時間に聴いていただければ幸いです。↓

「calling 〜薇(ぜんまい)」

 ひらいてごらん

微か(かすか)に湿りを帯びた
温かな声に
そろそろと眼をあけた

 あなたの祈りが届きました
 わたくしはあなたのしもべであり
 共に歩む者
 心を安んじて
 生まれなさい

首をもたげ
祈りのカタチをほ

もっとみる
無題(エールのようなもの)/詩と朗読 poetry night 第76夜

無題(エールのようなもの)/詩と朗読 poetry night 第76夜

心なんて もうとっくに折れてる
でも歩く
折れてても
雨が降ってても
傘をさしてaruku

💎詩と朗読 poetry night 第76夜は「無題(エールのようなもの)」。
スキマ時間に聴いていただければ幸いです。↓

「病院で《聴く》ということ」/詩と朗読 poetry night 第75夜

「病院で《聴く》ということ」/詩と朗読 poetry night 第75夜

 過去に書いたものを整理していて見つけたこのエッセイ。30代前半で書いたものだが、なぜ朗読を始めたのか、そのときどんな状況だったのかが簡潔にわかる。
 このときの思いが今に続き、朗読配信をし、朗読会や朗読劇などをしているんだよと、あのときの私に教えてあげたい。びっくりするだろうな。

「病院で《聴く》ということ」(1998年/H10)

膠原病(全身性エリテマトーデス)になって十三年、ついに腎臓が

もっとみる
君の原石/詩と朗読 poetry night 第74夜

君の原石/詩と朗読 poetry night 第74夜

💎詩と朗読 poetry night 第74夜は「君の原石」。スキマ時間に聴いていただければ幸いです。

「君の原石」

薄明るい夜の底
深紅に輝く
君の原石を見つけた
砂に埋もれた
私の腕(かいな)に
宝石の鼓動

君の心臓(ハート)は
内なる火を持つ
紅い原石
その輝きは
闇の中でも
私の道標となり

ああ もうすぐ夜明けだ

「夜香蘭(ヒヤシンス)」とコロナ禍のこと/詩と朗読 poetry night 第73夜

「夜香蘭(ヒヤシンス)」とコロナ禍のこと/詩と朗読 poetry night 第73夜

🌿詩と朗読 poetry night 第73夜は「夜香蘭(ヒヤシンス)」とコロナ禍のこと。
スキマ時間に聴いていただければ幸いです。


「夜香蘭」(ヒヤシンス)

不意に
甘い香りに包まれた

部屋の中で水栽培している
ヒヤシンスが咲いたのだ
無数の美しい根っこに支えられ
ぐんぐん伸びた茎
六芒星に似たピンクの花
ぼんやりしていた気持ちの境目が
くっきりするような
鮮やかな芳香

禍(わざわ

もっとみる
立原道造『詩集さふらん』と《ヒアシンスハウス》と「浅き春に寄せて」/詩と朗読 poetry night 第72夜

立原道造『詩集さふらん』と《ヒアシンスハウス》と「浅き春に寄せて」/詩と朗読 poetry night 第72夜

脳髄のモーターのなかに 
鳴きしきる小鳥たちよ
君らの羽音はしずかに
今朝僕はひとりで齒を磨く
(立原道造「詩集さふらん」より)

🌒詩と朗読 poetry night 第72夜は、立原道造『詩集さふらん』と《ヒアシンスハウス》と「浅き春に寄せて」です。スキマ時間に聴いていただければ幸いです。

ランダム朗読・八木重吉/詩と朗読 poetry night 第70夜

ランダム朗読・八木重吉/詩と朗読 poetry night 第70夜

今日の「詩と朗読 poetry night」は八木重吉の詩を読むことにしました。どの詩とは決めず、八木重吉の詩集をめくりながら、心にとまった詩をランダムに読んでいこうと思います。作業をしながらとか、寝る前のひとときとか、ながらで聴いていただければ幸いです。

立原道造『散歩詩集』より3篇/詩と朗読 poetry night 第69夜

立原道造『散歩詩集』より3篇/詩と朗読 poetry night 第69夜

或る魚はよいことをしたのでその天使がひとつの願をかなへさせて貰ふやうに神様と約束してゐたのである。
(立原道造「魚の話」より)
*****
🌙詩と朗読 poetry night 第69夜は立原道造詩集『散歩詩集』より「魚の話」「食後」「日課」。
スキマ時間に聴いていただければ嬉しいです。

近況報告/立原道造「薊の花のすきな子に Ⅰ 憩らひ」/詩と朗読 poetry night 第68夜

近況報告/立原道造「薊の花のすきな子に Ⅰ 憩らひ」/詩と朗読 poetry night 第68夜

風は 或るとき流れて行つた
絵のやうな うすい緑のなかを、
ひとつのたつたひとつの人の言葉を
はこんで行くと 人は誰でもうけとつた

🌙詩と朗読 poetry night 第68夜は
近況報告と
立原道造詩集『優しき歌 Ⅰ』より
「薊(あざみ)の花のすきな子に
     Ⅰ 憩(やす)らひ」
スキマ時間に聴いていただければ嬉しいです。

****

もっとみる
射干玉のuso/詩と朗読 poetry night 第67夜

射干玉のuso/詩と朗読 poetry night 第67夜

ぬばたまの夢の中で
嘘をついた
月に群雲 花に風
もう忘れた
愛しいひとのことなど
(「射干玉のuso 」より)

🌙詩と朗読 poetry night 第67夜は
「射干玉のuso 」(ぬばたまのうそ)
スキマ時間に聴いていただければ嬉しいです。

https://stand.fm/episodes/6568c012c7d12c4359c4579b

WS「雨ニモマケズ〜読み解きと群読〜」の話/第65夜

WS「雨ニモマケズ〜読み解きと群読〜」の話/第65夜

🌙詩と朗読 poetry night 第65夜は、11/3に催したWS「雨ニモマケズ〜読み解きと群読〜」の話です。スキマ時間に聴いていただければ嬉しいです。

🌙詩と朗読 poetry night 第65夜は、

11/3に催したWS「雨ニモマケズ〜読み解きと群読〜」の話です。スキマ時間に聴いていただければ嬉しいです。

🌿「雨ニモマケズ」群読