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就職前夜

は明日、新卒で企業に就職する。

バイト経験はあるものの、いわゆる「社会に出る」のは明日が初めてである。

今の気持ちは、「希望に溢れていて、明日が楽しみ!!!」と言いたいところではあるが、実際は違う。

正直言って、不安の方が大きい。


この不安の要因は「2つ」あると自分では分析している。

一つは、「日本社会に対して良いイメージがないから」もう一つは、「自分が会社員に向いていない気がするから」である。

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一つ目から説明する。実際に働いたことがないので、もちろん実状は分からないが、私は日本の社会に対して、どちらかというと「負」のイメージを抱いている。

このイメージは、様々な角度の事象から形成されている。例えば、「満員電車」「残業」「パワハラセクハラ」「ハンコ文化」「飲み会」などが挙げられる。

上記のどれ一つとして、私の価値観に馴染めそうなものはない。


さらに決定的に、私の日本社会に対する負の感情を規定しているのが、「ブラック企業」の存在である。

近年、日本社会では、「ブラック企業」の存在がクローズアップされ続けている。

"過労死(KAROSHI)"で亡くなった社員が報道されるのはよくあることだし、「ブラック企業大賞」なるものまで存在する始末である。


中でも、自分の中で決定的だったのが、数年前、東大卒で広告代理店に勤めていた女性が、度重なる激務とハラスメントにより自殺に追い込まれた事件である。

「東大を卒業した聡明な女性が過労死した」という事実は、当時の自分にとって非常に衝撃で、日本の社会や会社に対して、「負」のイメージを抱くには十分すぎる事件であった。



これらのことから、私は日本社会に対してあまり良いイメージを持っていない。これが、私が就職に不安を感じている理由の一つ目である。


ただ、このような日本社会への認識に関しては、私が(なぜか)ノンフィクションが好きで、「ブラックバイト 学生が危ない」やら「ワタミ・渡邉美樹 日本を崩壊させるブラックモンスター」など「日本社会の闇系」の本を意識的に読んできたこともあり、自分の考えに偏りがある(深刻に考えすぎている)ことは自覚している。

そのため、私が就職に際して不安を感じている理由は、2つ目の理由の方が割合としては大きいと考えている。

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2つ目は、一気にスケールの小さい話になるが、「自分が会社員に向いていない気がするから」である。


ハッキリ言って私は、俗に言う「陰キャ」だ。

全く友達がいないわけではないが、限りなく少ないし、飲み会でウェイウェイした記憶もない。

ごくごくたまにサークルの飲み会に行くが、みんなが場の空気に没頭し、笑い、会話を楽しんでいる中、その場の空気に没入できず、俯瞰的に飲み会を眺めてしまうような人間である。

そんな自分がコミュニケーション重視の現代社会に馴染めるのか、正直不安しかない。


ちなみに、選んだ職業はエンジニアなので、営業よりは顧客とのコミュニケーションの機会は少ないと期待しているが、それも実際に会社で働いてみないと分からない。

もしかしたら営業よりもコミュニケーションを求められるかもしれない。今から戦々恐々としている。。


なぜ人類はコミュニケーション重視の社会を創り上げたのだろうか。。

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とまあ、ここまで、就職に際して私が感じている不安を書いてきたが、当たり前ではあるが、ここに不安な気持ちを吐露したところで、「明日就職する」という事実が変わるわけではない。

あした目を覚ましてしまえば、支度をして心の準備をして社会にGoである。この事実は変わらない。

だとしたら、もう心を決めるしかない。やるしかないのである。

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不安の種類は違えど、私と同じように、就職に際して「不安」を感じている同志は多いと思う。そんな人(自分も含める)に軽くメッセージを送って、筆を置こうと思う。


何よりも伝えたいのは「頑張りすぎるな」ということである。


現代の日本は、(だいぶマシになってきてはいるが)「学校を卒業したら会社で働くのが当たり前」という空気感が蔓延している。

「学校を卒業したら企業で働け」というスローガンが、さも不変の真理かのように、強烈な同調圧力として我々にのしかかってくるのである。


しかし、世界を見渡してみると、これは決して当たり前ではないことに気付く。

海外では「ギグ・エコノミー(インターネットを通じて単発の仕事を受注する働き方や、それによって成り立つ経済形態)」の流れが加速している。

フリーランスの数は増え続けているし、アメリカでは、フリーランスの割合が35%に達しており、27年には50%以上がフリーランスになるとの試算もある(参考:2027年アメリカ人の半分以上がフリーランスに? 世界的にフリーランスシフトが加速する理由)。


「会社員」という働き方は、もはや圧倒的なマジョリティではなくなってきているのである。

なんなら、「毎朝きちんと早起きして支度をして満員電車に乗って出勤して仕事を定時までこなして上司との飲み会に参加して帰る」という日本のサラリーマン的な生き方・働き方は、世界の価値観からしたら、圧倒的なマイノリティ(少数派)である。

まずはこのことをしっかりと認識すべきだと思う。

決して日本の会社員がマジョリティ(多数派)だと思い込んではいけない。

なぜなら、このような認識(日本の会社員のような生き方は多数派である)を持ってしまうと、会社員に馴染めなたかったときに、自分自身を無意味に卑下してしまうからである。

「会社に馴染めなかった自分ヤバい。。」と考えてしまうのである。



逆に持つべきは「会社員はマイノリティ、会社に馴染めなかったとしても普通のこと」という認識である。

このような認識を持つことで、「会社員」に馴染めなかったとしても、自分を無意味に卑下ことはなくなるだろう。


つまり、自分の心に「逃げ道」を作ることができるのである。



「会社員」という「型」にハマることができなければ、逃げればいい。ただそれだけのことである。

あなたが生きる道は無数にある。

フリーランスの道は開かれているし、それが無理なら、海外でも山奥でも実家でも海でも、どこにでも行けばいい。

生きてさえいればニートでもいいではないか。


無理に自分を日本社会に適合させようと頑張りすぎて、自分のココロとカラダを壊すことだけは避けよう。

自分の身は自分で守るしかない。

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私も会社員として就職はするが、常に「違う道(逃げ道)」も意識しながら仕事をしていきたい。

それが「自分を守る」ことにつながると考えているからである。


では、おやすみなさい。(明日から頑張りすぎず頑張ろう)

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