見出し画像

【ものづくり現場で管理会計1:管理会計と財務会計】

*過去のマガジンは上記投稿にリンクいれています。

 このマガジンは、主に管理会計について対話を使って解説していきたいと思います。

 現場改善の手法や考え方を学び実践をした紫耀(ショウ)。早いもので入社5年目になりました。課のコストや売り上げ、収益管理にも関わるようになり、会計に興味を持ちます。そして、先輩の健に再度、会計について教えを請います。本マガジン第一回目です。導入編として解説させてもらう本の紹介。そこから管理会計と財務会計の違いと起源、そして今後の解説の流れについて記載します。

・・・・・・・・・

◆ものづくり現場で会計

🧒;おはようございます。すみません。突然、押しかけてしまって。突然課長補佐が家庭の事情で退職してしまって、来月から所属する課で収益の分析をして、課代表として部長に報告することになったんですよ。これまでの自分の工程について、分析して報告はしていたんですが、やはり、きちんと勉強しないといけないと思っています。それでまた、健先輩に相談させてもらいました。

👱🏼‍;そこで俺かい。勉強したいと思ったら自分でやれよ。なんでもありだな(笑)。というのは、半分冗談で、そういうのは斜め上の先輩にやっぱり聞きやすいよね。それに、こちらも説明することで自分の勉強になるからむしろありがたいよ。まあ、工場管理者として、社会人として基本の教養として損益計算書やバランスシートは勉強しておきたいよね。もちろん、俺も会計の専門家ではないから、詳しいところまでは解説できない。ただ、どう活用していくかという部分に関しては話ができると思う

🧒:ありがとうございます。よろしくお願いします。

◆マガジンのベースとなる本の紹介

👱🏼‍:では、始めていこう。今回は下記の本に沿って解説をさせてもらうよ。この本は10年前くらいに流行ったんだけど、ストーリーとして会計を学べるんだ。小説版もあるし、漫画版もあるよ。今回は、漫画の中身を参考にする。

🧒;わかりました。なんか、面白い名前の本ですね。

👱🏼‍;そう、やっぱり惹かれるよね。何を言っているんだろうってなるよ。ちなみにこのタイトルの意味も後々解説されていくから楽しみにしてて。

🧒;そうなのですか、楽しみです。

👱🏼‍;この本は、女性が主人公で、20代後半、30代前半の設定かな。その子は由紀さんといういう名前。年商100億のアパレルメーカー「ハンナ」の一人娘という設定。そしてその会社に由紀さんも働いているんだ。

🧒;超お嬢様ですね。

👱🏼‍:そうそう。誰もがうらやむような環境なんだけど、突然お父さんの源蔵さんが亡くなってしまうんだ。そして、そのお父さんの遺言で由紀さんが会社を相続するところから、ものがたりが始まる。

🧒;そんなに若くていきなり社長。。それは大変ですね。むちゃぶりな感じ、お父さんの源蔵という名前からも昭和を感じますね。

👱🏼‍;そして、由紀さんが社長になるとすぐ銀行の支店長がやってきて、ハンナの融資の状況とここ数年の業績に悪化について説明されるんだ。源蔵さんは業務拡大を続け、ブランドを増やし、工場を増設していた。結果、運転資金にも事欠くようになっていたというんだ。支店長は前々からリストラを進めていたという。

🧒;運転資金って。。

👱🏼‍;原材料の購入、給与や事務所経費、支払いなど、日常業務に必要な現金のことだ。要するに日々製品を作って、販売をするために必要なお金ってことだ。

🧒:ドラッガーの言う、”市場において目指すべき地位は、最大ではなく、 最適である”という言葉の逆をやってしまっているのですね。銀行側は社長が経営の素人の娘さんに変わったタイミングで回収を早くして銀行の損をなくそうとしているのですね・・。

👱🏼‍:お、ドラッガーのことは雄大君から聞いたのね。そう。その通り、そして、支店長からリストラを1年間以内に実行してほしいといわれ、今後追加の融資も応じられない、家も担保に入り、個人補償もさせられてしまうんだ。

🧒;それは、大変だ・・。個人補償ってことは最終的に由紀さんが借金を個人として背負うということですよね・・。まさに無一文というか借金まみれ・・。

👱🏼‍;そこで由紀さんは、社内の役員で助けてくれる人を探すけども誰も味方になってくれないんだ。

🧒;それはきついですね。皆サラリーマンということですね。

👱🏼‍;そこで、家に帰って、母親に相談すると同じマンションに住む会計士で、大学院の講師をしている安曇(あずみ)さんに相談してみたらといわれ、その人に助けを求めに行くんだ。そして、①月一回のレクチャー、教えたことは必ずその月に実行。②おいしい食事を食べながらレクチャー③報酬は1年後払いたい額だけ払う。という条件でコンサルをしてもらうことになるんだ。教えたことをすぐ実行、ていうのは、これまでの紫耀や雄大と同じだね。それとおいしい食事をしながらというのはリラックスした上でということだね。それも斜め上の俺と対話するという部分が似ているね。この辺は教える、教わるという関係の中で重要なことなのだと思うよ。

🧒;なるほど。いいですね。でも、そんな見知らぬ人のところ良くいきますね。

👱🏼‍;見知らぬ人に行くのはすごいよね。でもそのくらいの強引さがないと変化って起こせないよ。というか、君も今回いきなり俺のところに来たのもなかなかのものだよ。

🧒;ど、どき。。そ、そうですね。すみません。

◆財務会計と管理会計

👱🏼‍;ちなみに会計といっても二つあるんだよ。財務会計と管理会計だ。

下記のサイトにこのように記載されている。

財務会計とは
財務会計は、株主や金融機関をはじめとする社外の利害関係者に業績を把握してもらうために提出する会計のことです。いわば、外部報告のための会計といえます。貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書といった決算時に作成される財務諸表などは、財務会計のための資料にあたります。
金融商品取引法、会社法などの法律や、会計基準に基づいて算出されます

管理会計とは
管理会計とは、自社の経営に活かすために作成する、社内向けの会計です。経営者は、管理会計の情報をもとに、自社の経営について分析したり意思決定を行ったり、製品や人事に関する施策を打つことができます。管理会計は、英語ではManagement Accountingといいます。管理会計は、まさにマネジメントするための会計であり、経営に役立つために導入されるしくみです。
基本的に、社内でのみ使用しますので、データの収集方法やフォーマット、記載のしかたなどに厳密なルールはございません。期間にも定めはなく、週単位、月単位、年単位と、会社ごとに運用しやすい期間で作成します。
作成する資料は、事業計画書、中期経営計画資料、取締役会資料といったものになります。任意で行うものなので、管理会計を取り入れていない会社もあります。


🧒;財務会計は外部のための報告。管理会計は、内部をマネジメントする会計。ということは私の場合、主に管理会計を学ぶべきなのですね。

👱🏼‍;その通りだ。この本も主に管理会計について書いているといっているよ。少なくとも会計には2つあることは頭に入れておこう。さらに下記のことも記載されている。

財務会計と管理会計の起源とは?
財務会計と管理会計を把握するために、その起源をさかのぼってみましょう。財務会計は、中世イタリアですでに存在していました。当時は貴族がお金を出して、そのお金で船と乗組員を調達し、船旅をさせます。ですが、ひと度航海してしまうと、乗組員が金銀財宝を手に入れて、戻ってきたときに報告しなかったとしても、把握することができません。そこで貴族は、乗組員たちにお金の動きをすべて記録させて、港に戻ってきたら報告させるようにしました。これが、財務会計の起源です。現代においては、企業が株主に決算を報告する関係性と、同じであることが分かるでしょう。つまり、財務会計は航海がうまくいっているかを見るのではなく、港にいる貴族のための会計というわけです。
一方、航海がうまくいくためには、天候がどうなるのか、どの方向に舵を切れば目的地に進むことができるのかといった情報が必要です。これらが管理会計です。管理会計は羅針盤であり、船が向かうべき方向を指し示してくれます。現代でいえば、業界の動向を読み、管理会計によって経営戦略を立てて実行することになります。

🧒;中世のイタリアですか、なかなか古いですね。でも財務会計と管理会計についてはわかりました。

◆今後の投稿

👱🏼‍;OK。なので、今回のマガジンでは、さっき言った通りその管理会計について解説していくことになる。下記の流れで本の内容説明しながら、解釈をいれて、説明していくよ。

 -会計の本質と損益計算書の仕組み
 -バランスシートの理解
 -キャッシュフロー経営とはなにか
 -経営計画と月字決算のPDCAサイクル
 -利益構造と損益分岐点分析
 -見えない現金製造機とコーポレートブランド経営
 -粉飾決算の見破り方
 -原価管理と活動基準原価計算
 -機械損失と意思決定
 -異常点に着眼し原因究明
 -逆粉飾を見破る

進み方次第だけど全部で7回くらいに分けて説明していこうと思うよ。

🧒:げげ、いっぱいありますね。

👱🏼‍;うん。でも、この本はすごくわかりやすく書いてあるからサクっと頭に入ってくると思うよ。実際に活用する場面も同時に説明していきたいと思う。

🧒;それは楽しみです。どうぞよろしくお願いします!

・・・・・・・・・・・

最後に

 工場で管理会計編の一回目の投稿となります。今回は導入編として概要についてだけ解説しました。このあたりの知識は社会人として、前提として学んでおくべきところだと思います。本の流れを対話形式でできる限りわかりやすく解説したいと思っています。これまで聞いてはいたけど、もうちょっと詳しく知りたいという方がいらっしゃったら、是非フォロー、スキお願いします!次の投稿は下記です。

本マガジンでは、下記も参考にさせてもらい、解説していきます。


#製造
#理論と実践
#ものづくり
#成長
#5S
#トヨタ生産方式
#ジャストインタイム
#自働化
#リーンプロダクション
#ザゴール
#制約理論
#ドラッガー
#ビジョナリーカンパニー
#アドラー
#コーチング
#情報リテラシー
#要件定義

#品質

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?