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木のぼり男爵
2024年4月4日 21:43
3月〇日 「異人たちとの夏」とすき焼き屋の晩餐遅読にしてはめずらしく、図書館で借りてきた文庫本を一気読みした。山田太一の『異人たちの夏』という小説である。ところで、浅草に行った話はこのあいだ書いた。浅草は「塔の町」であり、「塔の町」というのはなにかしらひとを過去へと連れ戻すようなところがある、とそこには書いたのだった。その浅草が、この『異人たちとの夏』の舞台である。しかも、主人公の