こんにちは。株式会社ガラパゴスの達川です。AIR DesignというAIを活用したWeb広告クリエイティブの制作・運用・改善サービスのマーケティングを担当しています。
ガラパゴス(以下、弊社)は2016年からAIを活用した事業を展開しており、AIとマーケターが価値共創する方法を長らく模索してきた企業です。
そんな弊社ですら、2022年以降のGenerative AI(生成AI)の爆発的な普及に衝撃を受けています。
AIとカンファレンスを作る
このブログは、「AIと一緒にマーケティングを実行する方法を考えるカンファレンスを開催しよう!」と思い立ってから、AIと一緒にカンファレンスを作り上げるプロセスを公開していくものです。
カンファレンスの開催日は7/12(水)です。ご予約も受付しておりますので、ぜひ下記リンクからお申し込みください!
▼お申し込みはこちらから(オンライン無料&アーカイブ配信あり)
カンファレンスでは「AIと共に行うマーケティング」とは、そして「その先に何が見えてくるのか」をテーマにお伝えしていこうと思っています。
とはいえ我々も日々手探りでAIの活用法を模索しています。
「どうやってAIと共存していったらいいんだろう」
「どうやって実務で使えばいいんだろう」
「人間が代替されない価値ってなんだろう」
そういった漠然とした疑問や不安を持っている人たちにとって、この連載とカンファレンスが、AIと価値共創できるようになるためのヒントになればいいなと、願っています。
「AI×マーケティング」の可能性を探るためのカンファレンス
そもそも、なぜこのカンファレンスをやろうと思い至ったのか、その背景をお伝えさせてください。
やばすぎる量のAIが日々登場
新しい生成AIのまとめサイト「There's An AI For That 」に登録された応用サービスは今年だけでなんと1,248個(2023年5月23日現在)!!!!
このすべてを追いかけることは、普通に生活してたら絶対無理……
みなさんはこの状況をどう感じてますか?
ワクワクしかない!
職が奪われるんじゃないかと不安
そもそも興味がない
と、楽しんでいるヒトもいれば、不安なヒトも、興味がないヒトもいると思います。
AIは驚異ではない
かくいう僕は、今の状況を相当楽しんでいます。Generative AI系のサービスにいくばくかの課金するくらいには、使い倒している方です。
使えば使うほど、AIの可能性の大きさにワクワクしています。一方であまりに優秀すぎるので、仕事が奪われるという不安を抱く人の気持ちもよくわかります。
また、将来どうなるかわからないので、「まあみんなが使い始めてから使うよ」というスタンスの人の気持ちも分かります。
弊社内では「デジタルケンタウロス」という言葉が頻繁に出てきます。
ケンタウロスというと▲こちらですね。
ギリシャ神話で登場する上半身が人間で下半身が馬の体をもつ存在として描かれているのがケンタウロスです。
▼以下の書籍の中でこのような記述があります
AIなどのデジタル技術を使いこなしつつも、人間は人間の強みを活かす労働スタイルを「デジタルケンタウロス」と呼んでいます。
本当にAIを使いこなせる未来が来るのか?
とまあ、「AIと人間の融合」という言説は都合よく飛び交っているので「それを分かった上で自分がそうなれるか不安なんだよ!」という声がビシビシと聞こえてきます。
僕自身も1年先、半年先の未来すら予測困難な状況の中で「デジタルケンタウロス」に自分がなれるという確信があるはずもありません。
どちらかというと不安定な状況を楽しめるタイプの僕でさえ、AIを使えば使うほどその優秀さに不安を抱くことが多々あります。
とはいえ悶々とした気持ちを、一人で考えていても答えが出るわけがありません。
であれば、やることは一つです。
一人で考えるのでなく
「AI×マーケティングについて、この人の話を聞いてみたい!」
という人たちを集めて、カンファレンスを開催しようとノリ……ではなくAI×マーケティングの未来のためになればと思い企画をしました。
そうすることで、ほんの少しでもAIが台頭する未来に不安を抱えている方々に「AI×マーケティング」の可能性を感じていただけるのではないか、と考えています。
ここからは、このような意志がつまったカンファレンスが作り上げられる具体的な過程を、シリーズにしてお届けしていきます。
AIはマーケターの仕事を奪うのか?AIに聞いた
カンファレンスの企画をするにあたって、まずは「マーケターの仕事はAIによってなくなるのか」という質問に対して、AIがどう答えるのか、実際に聞いてみました。
僕よりも大人な回答をしてくれます。立派です。忖度してくれている感が伝わってこないでもないですが、「あくまでツール」「仕事を補助してくれる」というところは大いに賛同するところです。
じゃあやってもらおうじゃないか、ということで、お手伝いをお願いしました。
コンセプト作り
AIに関するイベントのため、「イベント自体も一つのAI活用事例にできたら面白そう!」と思い、積極的にAIの提案を取り入れながら準備を進めました。
コンセプトメイキングもその一つです。無料でGPT-4がつかえるBing AIを活用して以下のような投げかけを行ってみました。
なるほど、入力したテーマに応じて無難な感じの回答感はありますね。今見直してみると、プロンプトがあまり良くないなと思います(笑)。
このプロンプトの形式は、有名ないわゆる深津式プロンプトを採用しています。
note / THE GUILD の深津 貴之 さんが提案したプロンプトの形式で、詳細は以下の動画から確認できます。
ちなみに社内でも、プロンプトの勉強会などが積極的に開催されており、とっても助かっています。
もう少し詳細を教えてよ、ということで、それぞれのコンセプトの説明を500文字で書いてもらいました。
なぜか謝られました。
文章としてはイマイチかなという印象ですが、コンセプトの具体性は増しています。
とはいえ、表現としてはこのままでは使いにくいので、「もう少しエモーショナルに」「もっと作家のように」「マーケターの立場に立ってこの先の不安について考えるような要素を盛り込む」など、表現をブラッシュアップできそうな投げかけを行いながらBing AIとディスカッションを重ねていきました。
最終的にはタイトル案も含めて以下のようなプロンプトを投げかけてみたところ、いい感じの回答に近づいてきました。
ス ゴ イ !!!!
こんな回答が一瞬で…。
とくに最初の「AIとマーケターの共存」はメッセージとしてもイベントにマッチしていてよさそうです。
最終的には人の手で仕上げも行いましたが、アイディアを広げたり、たたき台を作る上では十分に活用できそうですね。
少しはデジタルケンタウロスに近づけたかもしれません。
下半身が馬化してきた気がします。
資料に使う画像作り
今回のカンファレンスを行うに当たり多くの著名な方々を招きたいと考えていました。
当然その企画書は「イケてる」感を演出しなければなりません。
というわけでイケてるアイキャッチをこちらもbingで使える画像生成AIツールの「DALL·E」で作ってみました。
とはいえ、どういうプロンプトを投稿すればよいかゼロから考えるのも大変なので、プロンプトの提案をBing AIにも相談してみました。
Bing AIにはコンセプトから学習をさせていたので、指示書きもだいぶ楽になりましたね。
上記に加え、必要だと思う単語を追加してBing AIに投稿したところ、以下のような画像提案が挙がってきました。
■AI回答画像
言葉では言い表せない、抽象的な画像がでてきました。
すでに僕程度の想像力は凌駕しています。
ここは、AIのクリエイティビティを信じて画像はこの中から使っていこうと思います!
これまではストックフォトから使う画像を選んでいましたが、探すのが意外と大変でした……
しかも、ストックフォトでは、誰かが同じ画像を使うと、かぶったときにそのブランドのイメージを毀損するリスクもあります。そういった心配がないのは本当に助かります。
企画を人間が詰める
ここまでは相当(というかほとんど)AIに考えてもらったので、いい加減人間も頭を使います。
このままでは、純度100% AIのカンファレンスになるので、ケンタウロスどころか馬になってしまいます……
AIが導き出したテーマや内容を、チーム内でディスカッションします。
我々の事業戦略上やるべきかの検討
KPIの設計
事業戦略にあわせたテーマのブラッシュアップ
今思うと、このあたりももっとAIと共創できる部分があったんじゃないかと思いますが、そこは今後の課題とさせてください。
AIはパートナー
まず、アイデアの叩きを出したり、スタートラインに立つための提案・言語化を手伝ってくれるパートナーとしては抜群に優秀です。
しかしChatGPTなどの生成AIは、最初から完璧に背景情報を認識して何かを出してはくれません。
質問を投げるときは、最終的なアウトプットだけでなく、「質問の背景や検討したい要素」なども含めて伝えることで提案の精度が上がります。
背景情報があればあるほど、アウトプットとこちら側の期待値とのGAPは埋まります。
とはいえ、現状は与えられる背景情報にも制限(トークン数)があるため、どの程度の背景情報を与えるのかといった調整は、プロンプトエンジニアリングの技術が問われるところですね。
「人間:50%」「AI:50%」で制作した資料
イベントのコンセプト・コンセプトイメージを作るところからAIを活用してみましたがいかがだったでしょうか?
特別なスキルがない僕ですらこのくらいのことは、あっという間に出来てしまいました。
まだまだプロンプトの工夫やAIからの提案内容の手直しは必要にはなりそうですが、ラフを作る段階では十分に活用できそうです。
最後に、こちらでご紹介した流れで制作した資料を貼っておきます。
デジタルケンタウロスになれるよう、これからもAIとともに精進していきたいと思います。
次は、いよいよこの企画書を持って、登壇してほしい人たちにアプローチしていきます!
お楽しみに!
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