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新規事業開発の改善に向けた4つの枠組み

MBAやVC、企業内研修を運営するGLOBISで実践する新規事業あるあるへの改善アクションとは


はじめに

こんにちは!GLOPLAのPOの松尾です。
今回は担当している新規事業開発の難所を、どのように乗り越えようとしているかをご紹介したいと思います。

課題

GLOPLA LMSはローンチから1年が経過し、当初描かれていたビジネス構想も事業が進捗するにつれて解像度が上がりプロダクトとして成長させる方向性も定まってきました。
とはいえ、事業ステージがシードからアーリーに移行する中で、「Devが何を作っているのか分からない」「Bizが何を売っているのか分からない」という、BizとDevの話がかみ合わないという課題が出ていました。
また、GLOPLAには、MBAやVC、企業内研修というGLOBISの既存事業に支えられた資金と、豊富な実務経験を持つ濃いキャラクターが揃っていますが、次のような新規事業あるあるにも直面していました。

  1. 既存事業との関係

  2. 新規事業に携わる人

  3. 新規事業の進め方

そこで、GLOPLAではプロダクトと事業の非連続な成長に向け、21年度下期に仕組みと体制を設計して22年度から新たな運用を開始しました。

チーム外
先ず、1.既存事業との関係ですが、GLOPLAはGLOBISにとって従来のフロービジネスではなく、新たにストックビジネスという形態を持つという価値や、後発でLMS市場に参入しても既存事業とのシナジーに競合優位の勝ち筋があるという仮説から、経営の強力なバックアップのもと、既存事業との戦略的な連携に向けた調整を進めています。

チーム内
次に、2.新規事業に携わる人、3.新規事業の進め方についてですが、BizとDevの話がかみ合わない要因は、売る人・作る人という手段ドリブンの働き方でコミュニケーションが分断してしまったからと考え、BizとDevがチーム横断でお互いの情報を認知することを目的にいくつかの施策に着手しました。

1.工程

3.新規事業の進め方について、0to1を4つのPhaseに分けてそれぞれに定量と定性の指標を設定しました。

  1. アイデア検証:様々なアイデアの中で優先的にどの課題にリソースを投じるべきかを判断するために、課題を裏付ける客観的な事実を集める

  2. ユーザー検証:検証したユーザーの声と事業性を判断できる材料を集める

  3. 技術検証:ユーザー検証に基づく必要最小限の機能を実装し、商用でユーザーの評価を得る

  4. サービス検証:商用でユーザーフィードバックによる改善を繰り返し価値向上を進める

図_Phase別の評価指標

2.体制

2.新規事業に携わる人について、各Phaseでどのチームが何の役割を担うかを整理しました。
GLOPLAは3つのチームで編成されていますが、顧客接点を持つRevチームは全てのPhaseで関わるようにしています。これは全チームが定常的にユーザーの一次情報に接することで市場感を損なわず価値あるプロダクトを提供し続けるためです。
Revチーム:レベニューを追いかける、マーケとセールス、カスタマーサクセス、ドメインエキスパートが所属する
Devチーム:スクラムでアジャイルにプロダクトを開発する、POがチームリーダー
Bizdevチーム:半期先の事業検証と事業戦略やプロダクト戦略を策定する、DevからPOとTechLeadが兼務

図_事業検証のアウトライン

上記の工程はウォーターフォールのように見えるかもしれませんが、新規事業として限られたリソースを使って爆速で結果を出すために、最小限のステージゲートを設けたり、工数をかけ過ぎないよう期間の目安を設けたりするなど、アジャイルを意識しています。
また、GLOPLAはエンタープライズ企業向けSaaSなので、業務プロセスとユーザーの課題を掘り下げイテレーションを回すことにより、開発前に出来るだけソリューションの確度を高めたいと考えました。

3.指針

今回の取り組みは、21年度Q4にプロジェクト形式で各チームからメンバーをアサインしてトライアルを進めたうえで22年度から正式に体制化しました。
なお、新規事業開発におけるハード面の取り組みはソフト面の下支えがないと有効に機能しないため、0to1の事業開発における組織戦略を整理してチーム内に展開しました。
特に以下の点については、チームの新たな指針としてメンバーに推奨しているところです。

推進したこと
職能横断のコミュニケーション
・自律的に協力する
・小さく出した後で改善する

廃止したこと
文字で伝え切ろうとする
・個人の能力に依存する
・プロダクトアウトの作り方

図_開発指針

4.役割

GLOPLAでは上記のようなチーム全体に向けた取り組みの他、メンバー単位でもBizとDevの連携を推進できるような働きかけを行っています。
これは、チームが役割でサイロ化し硬直化しないよう一定の揺らぎを持たせること、メンバーの成長を促進できるよう多様な機会を与えたいという想いから、Bizメンバーがタスクレベルでプロダクト開発に関わるようにしています。

  • ドメインエキスパートによるスプリントレビュー

  • マーケデザイナーのプロダクトデザインへの参画

  • カスタマーサクセスによるユースケースのフィードバック

図_連携手順

さいごに

今回の取り組みを進める中で3つの示唆がありました、特に3.については、採用活動やチーム運営の指針として積極的に進めているところです。

  1. 新規事業開発は改善プロジェクト
    新規事業開発はチームの課題をアジャイルに解決しながら、事業Missionの実現を目指していくプロジェクトということ。

  2. Disagree and commit
    GLOBISは「異質の効用」を追求し中途のみ採用していて、メンバーはそれぞれの経験に基づく独自の正を持っている状態ですが、事業はチームで創り上げるため、各自がチームで決めたことにコミットすることでスループットが高まるということ。

  3. ハードスキルよりソフトスキル
    事業の成果はアイデア(似たような発想は誰でもできる)やスキル(意欲と時間が解決する)ではなく、マインド(人柄や価値観など)で決まるということ。

図_採用指針

GLOPLA LMSは企業の育成DXを達成すべく、BizとDevが連携して顧客に向き合い仮説検証を繰り返しながらプロダクトを成長させていきたいと考えています。エンジニア部門のマネジメントに携わっている方、新規事業開発に興味のある方は、今後もGLOPLA LMS の動きを楽しみにしていてください!

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