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日本人がどうして外国人からオリジナリティがないと言われてしまうか? N151

 日本人にとって個性的であるとかオリジナリティがあるということはとても大切な言葉であり、人によっては存在価値を肯定(オリジナリティがないということは存在価値を否定)することである。  

 エズラ・ヴォーゲル(1*)は日本人の特徴にとても学ぶことに貧欲であり、先生という模範を求めることを指摘した。たしかに日本人は市場調査が大好きで市場と競合を徹底的に分析する。つまり先生を見つける。そして優れた競合の良い商品やサービスがあれば少しだけ改良をして吸収をする。その少しだけ改良をしたところがオリジナリティなのかもしれないがその差分は外国の人から見ると大差はない。  

 一方で欧米のオリジナリティアプローチは理論に忠実でトップダウン型のアプローチだ。理論を積み上げることでオリジナリティを創出する。

 しかし日本は個別具体的に調べあげたことを元に自分なりの一工夫を加える。場合によっては調べないことことで真のオリジナリティを実現したと宣言するものもいる。これは完全な空回りだろう。  

 日本人の特技である「複雑な事象を一言でまとめあげるチカラ」はどこから獲得し得たのだろうと追求をした時にこの先生文化にあるのではないか?という結論に辿り着いた。子供の頃から先生が板書することを正確に記録することや現代文のテストで必ず要約をする設問があることは国民がこの能力を鍛える過程なのだ。

 最後に日本人の特徴的な行為は調べてから(調べ尽くしてから)考えるところがあるが、特に自己主張の強いアングロサクソンに顕著だが自分の意見(あるいは意思)を証明するためにロジックを組み立ててツジツマを合わせるために調べるところと真逆である。

 1*) エズラ・ヴォーゲル、『ジャパン・アズ・ナンバーワン―アメリカへの教訓』 

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