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イギリスの都市計画制度

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イギリスの都市計画について、歴史や背景、法律や仕組みなどをわかりやすくまとめました。これでイギリスの都市計画制度についての基本的な知識が身に付きます。
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2020年12月の記事一覧

フロントガーデンはセミパブリック空間

フロントガーデンはセミパブリック空間

イギリスで、毎朝散歩に行く習慣ができました。この散歩の楽しみの一つに、よそんちのフロントガーデン(前庭)をのぞくことがあります。

散歩の行先は歩いて15分くらいの野原や町はずれにある公園などさまざま。住宅街に住んでいるので、そういうところに行きつくまでに様々な「普通の」生活道を通ります。私はこういう住宅地にあるフロントガーデンをのぞき見しながら歩くのが好きなのです。

散歩道で見るフロントガーデ

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イギリスの都市計画③:都市計画申請

イギリスの都市計画③:都市計画申請

前にイギリスの都市計画制度について書きました。

今回はイギリスでどうやって都市計画許可を申請するのかを具体的に説明します。自分の家にサンルームを作りたいとか、おうちカフェをオープンしたい時に必要となる制度です。

都市計画許可申請 Planning Applicationまず、建てたいサンルームが小さいものなら許可が要らないかもしれません。増築の場合、小さい規模のものなら通常の場合、許可を申請し

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イギリスの都市計画②:歴史的背景

イギリスの都市計画②:歴史的背景

イギリスの都市計画制度はどのようにしてできたのでしょうか。ここでは、その歴史的背景について説明します。

イギリスの都市計画:産業革命とその影響イギリスでは産業革命が起こった18世紀半ばから19世紀にかけて、農村から都市部への人口流入が急激に増えました。たとえば、ロンドンは19世紀のはじめに人口が80万人を超え、19世紀半ばには180万人にふくれ上がったのです。

またロンドン以外でも、イギリス各

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イギリスの都市計画制度

イギリスの都市計画制度

共有財産としての景観をみんなで守る

イギリスでは新築はもちろん、建物の増築、改築、また用途変更のときにもいちいち都市計画許可を取らなければなりません。たとえば、勝手に衛星放送のアンテナとか看板をつけることができないし、それまで住居として使っていた建物をお店として使うときにも許可が必要です。

自分の所有物なのだから勝手に変えてもいいのではないかとも思いがちですが、どうしてそんなに規制が厳しいので

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