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社員の可能性を最大限に引き出す『オンライン海外インターン』野村證券様での人材育成事例

次世代を担う若手人材を海外の自社拠点やグループ会社へ派遣し、OJTを行う、いわゆる「海外派遣制度」による若手のグローバル人材育成。
海外渡航に制限がかかる今、多くの企業で実施されていたこのモデルに、今、変化が求められています。

野村證券株式会社様では、コロナ禍により帰国・中断を余技なくされた
現地OJT・インターンシップを、オンライン実施に切り替えてプログラムを再構成され、大成功を収められました。

第243回グローバル人材育成研究会では、野村證券株式会社様より、
人事ご担当者・黒田 雄介様
 (人材開発部 人材開発二課 課長) 
オンライン海外インターンご参加者・佐藤 秀様
  (営業企画部 新規ビジネス開発課 課長代理 海外修練制度第7期生)
をゲストスピーカーとしてお招きし、
「オンライン海外インターン」の事例をご発表いただきました。

これからのWithコロナ時代に、あるべき海外研修の姿とは

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冒頭では、当社代表の福田より各クライアント企業様での海外研修の現状・事例をお話しの上、野村證券様にご導入いただいたオンライン海外インターンについてご紹介いたしました。

海外派遣が難しくなった昨今。一方で広がってきたのはオンラインを駆使して世界中の教育リソースを活用する、という新しい選択肢です。今回のオンライン海外インターンも、その一例です。

オンライン海外インターンとは、日本にいながら海外ベンチャー企業のプロジェクトを推進するプログラムです。成長市場における企業のビジネスを牽引するための戦力として、オンラインで業務に参画することが特徴です。少数精鋭の成長市場のベンチャー企業では、「業務の一部を経験する」といった受け身の姿勢は通用しません。求められるのは、価値・成果創出です。自ら動かなければ何も変わらない厳しい環境で主体的なアウトプットによるチャレンジを通して、リーダーシップを鍛える。こうした経験が、日本にいながら実現できるようになってきました。

野村證券様事例-なぜ、オンライン海外インターンを採用し、成功を収めたのか?


野村證券様では、2013年より「海外修練制度」が導入されています。
入社4年目以降の社員を対象に、社員自らが行き先とテーマを決め、
約1年間海外派遣される、育成制度です。
ところが、今期はコロナウイルス世界的感染拡大の為、プログラムが中断。代替案として、2020年6-8月、急遽オンラインにて3ヵ月間の海外インターンを実施され、その実現をサポートさせていただきました。
その背景について、人材開発ご担当の黒田様より、お話しいただきました。

黒田さん2

海外修練制度も半ばを過ぎ、ようやくプロジェクトも軌道に乗り始めたところでの、コロナ禍による修練制度プログラムの中断。
非常にモチベーション高く、プロジェクトに励んでいた修練生にとって、
「不完全燃焼感が拭えない」状況だったそうです。

ご自身も過去に海外修練制度の第2期生であった黒田様は、
その事態を深刻に受け止められていました。

「どうにかして、何かできないか」。
急遽当社にご相談いただき、ご提案差し上げたのが、
オンラインインターンでした。

当初は、修練生からもオンラインインターンには懐疑的な声が強かったそうです。そこで黒田様が修練生へのヒアリングを行われたところ、その背景には、元々の修練先でやり遂げたかったことへの強い思いがあったからこそ、と判明。修練生の熱意を絶やさないためにも、改めて一人ひとりとご丁寧にお話をされた結果、オンライン海外インターンがスタートとなりました。

最初は半信半疑ながらご参加されていた修練生も、参加インターン先では
自身が成し遂げたいことをCEOに伝え、自らやりたいことを実現できる環境を作り出し、成功につなげるなど、チャンスを力に変え、今後のキャリア形成にも影響する、大きな成長を遂げられました。プロジェクト中断時の想いを、形を変えて実現することで、結果を残されたのです。

こうして大成功を収めた今回のオンラインインターン。
黒田様が成功の秘訣として挙げて下さったのは、
「インターン先と修練生の丁寧なマッチング」でした。

もともと「自律型人材」育成を支援するための海外修練制度。
オンラインでも「自ら進んで行動する」「わからないからやってみる」意識を醸成させることを目的としていた黒田様。

その想いに応えるべく、それぞれの修練生が持つ「やりたいこと」に最も適した派遣先を、お一人お一人に合わせて、コーディネーションすることに注力しました。
「全員が納得する海外企業にインターンできた」との黒田様のお言葉のとおり、終了後の皆様の達成感あふれるイキイキとしたレポートに、当社も心動かされるものがございました。

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オンラインインターンで得た「成長」とは

さらに、海外修練制度第7期生として実際にオンライン海外インターンを体験した佐藤様に、実際にご参加されたプロジェクトなど、ご自身のご経験をお話しいただきました。

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佐藤様は、学生の頃から修練制度に選抜されることをビジョンとして持たれており、その実現に向けて努力されてきたそうです。
修練先でも意欲的に活動され、事業展開に胸を躍らせていた中でのコロナ禍。引きつぎもままならないまま、急ぎ帰国を余儀なくされました。

オンラインインターンの打診があったときは、
やはり心の中は、マレーシアの修練活動への想いが強かったそう。
それでも、「腐っててもしょうがない」と気持ちを奮起させ、マレーシアの修練活動も続けながら、タスクベースでのオンラインインターン、両方の活動を行うことを人事に掛け合い、活動に参加することになりました。
インターン先は、フィジーのベンチャー企業。新規事業立案のプロジェクトを実施され、リサーチから精力的に活動され、無事ローンチ・展開まで達成されました。

オンラインインターンは、成長市場のスタートアップ企業で成果・価値創出が求められる、非常に厳しい現場です。自分の価値が伝わらなければ、採用さえされません。そこで得たご自身の成長について、佐藤様は以下のようにお話しされていました。

価値観のアップデートが必須だった。0から1を生み出し、自身の既存の枠組みを取り払って、現地のフィジーの人のことを常に考え抜くことが必要だった。それを全うすることで、自らのアイディアを形にして、チームを巻き込み実行する力を得ることができた。
結果として、自らのモットーとしていた「考えることをサボらない」を高度な次元で実現できるようになった。また、徹底したリサーチで、オフラインとそん色ないビジネスノウハウを体得できた。野村證券をより良い組織とすべく、周囲にも価値観のUpdateを促し、三方よしの収益のあるビジネスを確立することで、還元していきたい。

そう語っていた佐藤様。決して揺らぐことのないご自身の軸、仕事への真摯な姿勢と熱い想いが、言葉の端々から伝わってきました。

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50名様を超える人材育成ご担当者様にご参加いただいた本回。
質疑応答では、次から次へとご質問が絶えず、あっという間に終了時刻となりました。
ご参加頂いた皆様からは、「単に参加者をインターン企業先に送り出して終わりとするのではなく、参加者の希望とマッチしているか対話を重ねる、人と向き合う育成担当である必要性を改めて感じることができました。」、「人事側の丁寧な対応と受講側の自責感の賜物ですね。」などたくさんのコメントを頂きました。

お忙しい中ご登壇くださいました、黒田様、佐藤様、
誠にありがとうございました。

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第249回 
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