「うちの子、自己肯定感低い?」と感じたらやってほしい3つのこと
先日、親子講座の後に
というご相談がありました。
「わが子は自己肯定感が低いのでは?」と悩むお母さんお父さんに共通しているのは、これまで叱り過ぎてしまったのでは……と悩んでいることです。
そしてなるべく叱らずに、許可したり褒めたりしようとして、うまくいかずに悩むケースが多いように思います。
どうしたらいいのでしょうか。
よくある悩みをマンガで見てみましょう。
■自己肯定感が低いと思いこんでいないか?
お母さんも子どもも辛そうな表情でしたね。
でもこれは、自己肯定感が低いわけではないと思います。なぜなら成長期の子どもにはとてもよくあることだからです。
自己肯定感が低いから、言えないわけでもなく、内気なわけでもありません。
問題は、自己肯定感が低いと思い込んだ会話をすることで、自己肯定感の低い子に育ててしまうことです。
子どもを信じて認める会話に変えてみましょう。
■子どもを叱るではなく、褒めるわけでもない、信じる会話とは?
いかがでしたか? 率直にどんな感想を抱いたでしょうか?
中には、「子どもが自分でちゃんと答えられるようになっていないのでは?」と思った方もいるでしょう。
でも、大きく違う点が3つ。
①ミーちゃんが答えないことを、そのまま認めてニコニコして待ったこと
親子の会話ではつい「なんで答えないの?」と考えがちですね。でもそう思う態度や言葉は、「答えないあなたはダメな子」という否定するメッセージになりがちです。気をつけましょう。
②ミーちゃんがお母さんに助けを求めたことに対して、ちゃんと答えたこと
お母さんの顔を見た時、自分で答えるように指示したり、許可を出すのではなく、不安を受け止めました。つまり、子どもにわかる言葉でもう一度尋ねたことで、子どもも安心して、答えることができました。
③第三者(この場合は医師)に内気な子とダメ出しせず、成長していると伝えられたこと
この会話を聞いている子どもの自己肯定感はぐんと育っていきます。
叱ってもいませんが、別に褒めているわけでもありません。ただ、子どもを信じて認める会話を続けただけです。
ですから、特別なことをして、自己肯定感を育てなきゃ!と焦らなくても大丈夫です。
「褒めなきゃ!」「叱らなきゃ!」と思えば思うほど親はイライラして、子どもを否定しがちです。
■親は考えないほうが、うまくいく
究極を言えば、親がすべきことはたった1つ。
叱らず、褒めず、なんでもない日常で、そのままの子どもを認める会話にするだけ。
そのままの子どもというのは、
この場合、子どもがうまく答えられずに黙っていること。
それをそのまま認めることです。
なんで黙ってるの? と考えるのをやめましょう。
親があれこれ考えるのをやめると、子どもが考え始めて自分でできるようになっていきます。
今日のコミュポイント
執筆:天野ひかり
マンガ:とげとげ。
上智大卒。テレビ局アナウンサーを経てフリーに。NHK「すくすく子育て」キャスターの経験を生かし、親子コミュニケーションアドバイザーとして 講演や企業セミナー講師を務める。子どもの自己肯定感を育てるため自身で立ち上げた「NPO法人親子コミュニケーションラボ」代表理事、一般社団 法人グローバルキッズアカデミー主席研究員。主な著書に『子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ』(サンクチュアリ出版)や『賢い子を育てる 夫婦の会話』(あさ出版)などがある。