価値観が異なる祖父母との会話。どう切り抜ける?
お盆休みで実家に帰った方も多いのではないでしょうか。
今回はこんなお悩みをご紹介します。
日頃は子どもを認めることを心がけているのに、祖父母の世代の価値観でいろいろ言われると子どもが必要以上に傷付かないか、心配になりますね。
実は、子どもたちの多くは「あんなふうに言われて本当に嫌だった」と答えているため、親としても、トラウマにならないような言葉かけをしてフォローしたいですね。
よくある会話から見てみましょう。
■祖父母とのコミュニケーションにみんな疲れてる?
せっかくお義母さんが作ってくれた料理をミーちゃんが食べないので、お母さんはドキドキして気を遣いますね。
新型コロナウイルスをきっかけに最近は、もう義理の実家には帰らないというご家庭も増えてきました。
逆に久しぶりに帰って疲れ果てた……という方もいらっしゃるかもしれません。
お母さんお父さんが祖父母に気を遣うあまり、みんなでミーちゃんを責めることになってしまうのは悲しいことです。
祖父母も孫のために良かれと思って言っているので、その思いも受け止めながら、子どもを認められるといいですね。
こんな感じの会話はいかがでしょうか。
■祖父母と我が子。どちらも笑顔にする会話
おばあちゃんのカレーを褒めながら、ミーちゃんを認めることもできましたね。
ポイントはまず、
①「おいしい」と、お母さんお父さんが言う
もし口に合わなければ、「たくさん作ってくださってありがとうございます!」と感謝の言葉を先に言いましょう。
親(娘息子)が何も言わないと祖父母の関心は、食べない子どもに向かいます。
次に、
②子どもが苦手なものを親がフォローする
食べられないものを無理に食べさせて、子どもが今後、帰省を嫌がったりしないように、ささっと親が手伝ってしまいましょう。
苦手なものは長い目でみてゆっくり食べられるようになればいいので、食べられないことをここで強調する必要はないからです。
そして、食べられないものではなく、食べられるものを話題にして、子どもを援護します。
さらに食べさせる目的が、背が大きくなることなら、睡眠を十分とって成長しているので大丈夫と安心させてあげましょう。
祖父母を否定せずに、子どもを応援する言葉をかけて、両者ともに笑顔にできるといいですね。
■帰省は子どもが成長するチャンスでもある
気を遣ったとしても、帰省は子どもにとって、おじいちゃんおばあちゃんの考え方や価値観に触れて、一回りも二回りも成長するチャンスです。
いつもは食べられないものがあっても許してもらえるけど、本当はバランスよく食べないといけないんだな、と学ぶことも大事です。
そうした機会を作りながら、親がクッションになって楽しむことで、子どももリラックスして甘えることができるようにしていきましょう。
今日のコミュポイント
マンガ:とげとげ。
執筆:天野ひかり
上智大卒。テレビ局アナウンサーを経てフリーに。NHK「すくすく子育て」キャスターの経験を生かし、親子コミュニケーションアドバイザーとして 講演や企業セミナー講師を務める。子どもの自己肯定感を育てるため自身で立ち上げた「NPO法人親子コミュニケーションラボ」代表理事、一般社団 法人グローバルキッズアカデミー主席研究員。主な著書に『子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ』(サンクチュアリ出版)や『賢い子を育てる 夫婦の会話』(あさ出版)などがある。