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THE 離婚 トーキョー NO.22 外国の離婚要件はどうなっているのか

ドイツにおいて「婚姻の失敗」が離婚の要件とされていることをご紹介いたしました。日本の法律では、大きく2つの根本原理をもって離婚事件解決の指針とされています。日本の民法は、通説では、どのような理由で婚姻が破綻したかを問うことなく、破綻主義といって、婚姻がもとに戻らないほど形骸化しているという「婚姻の死」を確認すればよいことになると説明され(犬伏由子「離婚原因の見直し」322頁(有斐閣,2008))、破綻の例として不貞行為や悪意の遺棄などの有責主義についても規定されていると理解されていますが、破綻主義・有責主義の対立のみならず、両者の調和を志向している国家も存在します。

オーストラリアやフランスの規定やイギリスの運用


 
オーストラリアにおいては、連邦家族法により、12か月間の別居という要件を課しています。さらにオーストラリアfamily lawの特徴は、未成年者に関する監護養育に関して適切な取り決めがないと判断されると、離婚自体を認めてくれません。フランスでも、12カ月の経過を要求しています。イギリスでも12カ月程度を基準としているようです。

カリフォルニア州の事例


 
双方に「解決できないほどの相違」を要求していますが、どちらが有責、どちらが破綻をさせた、などとは無関係に、破綻をしているかどうかがすべてです(これを無責主義と言います)。

さらに、そもそもフィリピンのように離婚自体を原則認めていない国家でさえあるのです。


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