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THE 離婚 トーキョー NO.19 各国の離婚原因?破綻していれば離婚を直ちにするべきなのか?

 日本では、協議離婚、その後(多くの場合には)協議が難しければ裁判所における調停離婚、これが不成立になる場合には裁判離婚に至るのが通例です。

もちろん、調停が不成立になった場合には、再度時間をおいてまた調停をするケースや、協議離婚に戻るケースなど、事件に応じて使い分けることも可能です。
 日本では、民法770条1項・2項は以下のように定めています。

1 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
⑴ 配偶者に不貞な行為があったとき。
⑵ 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
⑶ 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
⑷ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
2 裁判所は、前項第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。 

民法770条裁判上の離婚原因

 当然、これも各国共通ではありません。分類をしてみると、相手方に有責行為がある場合(有責である場合)、ならびに婚姻としての共同体をなしていない場合(破綻している場合)に大別できるでしょう。

 たとえばドイツでは、「婚姻の失敗」を唯一離婚原因として認めています。婚姻の失敗とは、定義規定があります。翻訳をすると、夫婦共同生活が存在せず、かつ、夫婦がその共同生活を回復することが期待できないこと、と規定されています。なお、ここでは、共同生活の不存在や回復が期待できないこと、とは、別居の有無とは無関係であり、夫婦としての人格的な結合関係の有無が問題とされる、とされています。

婚姻の失敗、とは、


⑴ 夫婦が1年以上別居し、かつ夫婦双方が離婚を申し立て、または申立の相手方が離婚に同意している場合
⑵ 夫婦の間に離婚の合意がなくても、3年以上別居しているとき
 ⑴・⑵の場合には該当します。
また、
⑶ 別居期間が1年に満ちなくても、婚姻の継続が、申立人にとって、相手方自身に存在する原因のため、期待することができないほど苛酷になるとき
 にも、離婚を認めています。以上はすべて条文になっているので、驚きです。

 日本の離婚法は、


有責主義、すなわち相手方に不倫などの原因がある場合にはある場合に離婚を認める考え方、から、破綻主義に移行してきていると指摘されて久しいといえます。ただ、東京大学の大村敦志教授は、確かに、破綻主義の導入は世界的な趨勢であるが,破綻主義による離婚を認めつつ全体としていかなる離婚原因をセットするかについては,さまざまな選択肢があるのではないかと思う、と指摘しています(大村敦志「家族法」147頁(有斐閣,2004,第2版穂定番第1刷発行)。


 私個人は、相手が有責であるから離婚をしたい、という需要はもちろんあるが、なぜ相手が不貞行為をしていて、それでもまだ私は好きなのに、どうして離婚をしなければならないのか?という要請にこたえてあげたいと思って弁護士をしている。そうすると、世界的に破綻主義趨勢であったとしても、別居期間が長期化していても、上記の素朴な希望や願望に最大の尊重をしてあげるためにも、破綻主義の一本化には反対である。

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