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弁護士ばんぶう
2021年12月30日 01:28
離婚裁判百選⑳では、夫婦関係の破綻に関し、離婚調停申立てを一つ重要な要素として判断した事例を検討しました。今回は、不貞行為後離婚調停を申し立てられていたケースにおいて、離婚調停申し立ての有無は夫婦関係の破綻において認定されていないと判断している事例です。1 事案の概要東京地方裁判所において令和3年5月21日出された裁判例は、原告が300万円の慰謝料を求めたのに対し、132万円の範囲で請求を認容
2021年12月28日 02:25
調停委員の有識者?から、❶こんな調停なんてどうせ成立しない❷どうせ調整できない、など、心ないことばを言われてきたことがあります(事実です)。なんとか粘り、ようやく次回成立見込みが立ちました。 調停委員ではなく裁判官に入ってもらい、ようやく話ができた状況でした。※ちなみに、調停委員の方は、話を聞きながら記録を投げ、ペンを投げたりしていました(これも事実です)。『冷静にお話しいただけませんか』と
2021年12月19日 01:28
不倫を原因とする、被害者から自身の配偶者以外の第三者への慰謝料請求は、制限されるべきであると指摘するのが学説の趨勢である、これに対して裁判所は、制限をしていないことは指摘をしました。別の観点で、そもそも不貞行為を原因とする慰謝料請求そのものは、ともすると、どんどん事件としては減ってしまう余地があるのではないか?が、この記事の仮説です。1 家族社会学から考える 岩間ほか「問いからはじめる家族
2021年12月19日 00:45
世界でもまれにみる、不貞慰謝料請求が認められる国が日本です。不貞慰謝料請求は制限される方向にあることは、有力な学説のほとんどが承認している状態です。では、実際の裁判の現場で、不貞慰謝料を他方配偶者ではなく第三者(一緒に不貞行為をした不倫相手)に対して制限できない、と反論した場合、裁判所はどうはんだんするのか?1 裁判例の検討 東京地方裁判所において令和3年2月15日に出された裁判例は、原告
2021年12月14日 21:43
0 はじめに一度不倫をしてしまうと、一切親権者とはなれないのか。答えはNOです。ただし、不貞行為自体は適格性を疑わせうる事情であることは指摘しなければなりません。1 親権者・監護者と不貞行為道垣内 弘人 編 松原 正明 編『家事法の理論・実務・判例2』(勁草書房、2018年)187頁以下は、一般的には当然に適格性を欠くとはいえないが、これらの行為により子の監護に支障が生じたか、また、将来生
2021年12月14日 21:10
0 はじめに不倫裁判百選(実際には112選くらい)では、不貞行為について主に、離婚裁判百選では、離婚にまつわる裁判例を検討しています。今回は、既婚であることを秘匿され、偽わられた、しかし図らずも不貞行為をしてしまった、不貞行為に加担することになってしまった被害者(しかし配偶者に対しては図らずとも加害者)は、既婚であることを秘匿していた側に何か請求ができるのか。結論、できます。1 106万円