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再羅月 綾辭/短編集

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私が過去に書いた短編をまとめています。
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読みきり短編・会話劇

読みきり短編・会話劇

男1,2,3の三人の会話劇。舞台はとある街の家の一室。時は夜、月が高く上り、街も眠りについたころ・・・

男1「経路の確認は終わったか?」
男2「ああ、ばっちりだ」
男3「いよいよ明日か・・・」
男1「だな」
男2「おまえ、例のブツの用意は済んだのか?」
男3「あたりまえだろ。あれ無しで楽しめるかよ」
男2「まあな。明日のために俺たちは今まで綿密に計画を練ってきたんだ」
男3「今更失敗なんてできる

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今日は何の日、気になる日

今日は何の日、気になる日

 2023年、日本--------
この年、日本は過去最悪の治安水準であった。
 同年二月二日、最近対立が激化していた「きのこの山」「たけのこの里」の二大勢力が東京都中央区にある製菓企業•株式会社 明治の本社前にて武力衝突、警察や自衛隊を巻き込んだ戦後初の内戦が始まった。数年経った四月一日現在も内戦は終結しておらず、死屍累々となった本社前はさながら地獄絵図である。
 二月十日には日本国内にある全て

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PIERROT

PIERROT

 アンバーはサーカスの団員だった。そのサーカスはとにかく大規模なことで有名で、団員は総勢1000人ほど、街にやってきたら丸一週間は留まり毎日公演をする。団員もこれほどの数なので、七回ある公演はどれも内容が違うという。
 サーカスには7人のリーダー演者がいて、彼らが一日のテーマとしてその日の公演の采配をとる。アンバーはその演者の一人、"ピエロ"の下で活動をしていた。
 彼は他の団員と同じように,中央

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It MOTHt be reality

It MOTHt be reality

 昔々、この星には人間という愚かな生物が蔓延っておりました。今はすっかり姿を消して、モドキが一匹空を飛んでいるだけですが、かつては目が回るほど多くの人間がこの星を我が物顔で占領していたのです。
 では、なぜ彼らは忽然と姿を消してしまったのでしょうか?それは神様の失敗のせいなのです。神様のしてしまった失敗と,人間の愚かさを,順を追ってお話ししましょう。

 時は遡り今から数千年前。とうとう星にとって

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The Prophetic Dream

The Prophetic Dream

 夢と現実の区別がつかないと感じたことはあるだろうか。夢があまりにも現実味を帯びていて、かつ時間の流れがあった時、疑うまでそれが夢だと気付かない場合がある。気付いても、起きるだけ。そして起きると、何もかも忘れてしまう。覚えている場合もあるが、全部を覚えている人間はそういないだろう。だが、本当に忘れたくないことは覚えている場合がある。『本当に入れ込んでいるもの以外の情熱は、夢とともに消えていく』と『

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悪くない人生仮説について

悪くない人生仮説について

 始めに言っておくが、私は俗に言う「意識高い系」に分類される話をくどくど書き垂らすつもりはない。そういうものを求めている人が訪れていたのなら、ここで引き返した方が良いだろう。まだ89文字しか書いていないが、相当な長さになることを感じているためである。もっと有効なものに時間を費やした方が良い事もこの世にはある。まぁ、「悪くない人生仮説」などというそれっぽい題名を付けた私に非があるのだが…。

 さて

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