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あらびき桃太郎 - 7 「今日からお前は」

じい:「わかった。とりあえず分かったからその刀しまって。臭いの。なんか臭いのよ」
もも:「おーけー。わかったよ」

じい:「ひとまず、ガブリエルの予言の件を解決しないと。桃井がオスと出会うことができなかったから、救世主がまだ現れないってことだ。もう少し待ってみるか、それとも違う作戦で……ってあれ? ガブリエルどこ? ってかよくみたらばあさんもいない。どこいったんだ? おーい、ふたりともー、どこに」

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じい : 「って何しとんじゃこらぁぁ!!!!」

じい : 「いい加減にしろやババァ!ってかガブリエルはおめぇどういうつもりだよ!?お前の予言だろうが!!」
ガブリエル : 「なんか、この豚じゃない気がしてきた。この豚は、なんか、いいような気がしてきた」
じい : 「なに都合いいように予言変えてんだッ!欲まみれじゃねぇか!それでも大天使かぁ!!?」
ばあ : 「あたしはずっといいと思ってるよ」
じい : 「お前は黙ってろババア!!!」

じい : 「次外したらお前、空に帰れないんでしょうがガブリエル。どうにかしないと」
ガブリエル : 「うーん。やっぱりおれ、またなんか間違えてたのかなぁ」
じい : 「まぁ。とりあえずさ、もう一晩やってみて、それでもダメなら違う方法を考えればいいんじゃないかな。予言っていってもそんな今日明日で当たるようなものじゃないで……」

ゴゴゴゴゴゴ。その時、雲が真っ二つに分かれ、上空からまぶしい光が降り注いだ。

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ガブリエル:「あ…………。これは、まずい……」
じい:「なんなのこれ。君の時よりだいぶ強い光だけど……。まぶしいっ……」
ばあ:「あああぁぁぁぁぁ!!」
もも:「あああああぁぁぁぁぁ!!」
じい:「うるせぇなぁ!!!!」

ガブリエル:「…………パパだ」
じい:「パパ?」

ダニエル:「ガーブリエル。なぁガーブリエル。受胎告知はうまくいったか?そろそろお前帰ってきてもいい頃だろうに、まだ帰ってきてないと聞いたもんだから様子を確かめにきたぞ。まさか、今回もしくじってるわけじゃないな?今回しくじったらお前もう天使辞めてもらうことになるからな? その羽根はランドセルに変えてもらうことになるから。ランドセルのショルダー部分のアレになって背負った時の重量感を軽減してもらうから。わかっているな?なぁ、ガーブリエルよ」

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じい:(え?あれパパ?デカすぎない?ってか違いすぎない?めっちゃ目充血してるし。チョー怖いんだけど)
ガブリエル:(そうだよ。おれも2年後にはあんな感じになるらしい)
じい:(まじで!?)
ガブリエル:(目の充血はいつも。暇さえあればTik Tokばかり見てるからうまく眠れないんだ)
じい:(なにJKみたいなことしてんの)
ガブリエル:(ここはちょっと静かにしててくれ。なんとかやり過ごす)

ガブリエル:「や、やぁ。パパ」
ダニエル:「おぉガーブリエルよ。調子はどうだ」
ガブリエル:「じゅ、順調だよ。もうすぐで現れるはず」
ダニエル:「えっ?まだいないの?」
ガブリエル:「えっ??」
ダニエル:「いや、だから、まだ救世主現れてないのって」
ガブリエル:「え、やだなパパ。まだ降りてきて二日目だよ?そんな早くできるわけないじゃない。冗談よしてよ」
ダニエル:「冗談なんかじゃない。まだ二日ってお前にそんな時間残されてると思ってるのか?」
ガブリエル:「……」
ダニエル:「ガーブリエルよ。もしかしてまだそんな正々堂々の予言やってるのか。だから何回も言ってるだろう。俺たちは導く者なんだ。予言が正しくなるように誘導すればいい。じゃないとビジネスとして回らないだろうが。せっかく受胎告知という簡単な依頼を流してやってるのだ。今日からお前が救世主だと天使から言われれば、それだけでそんな気がしてくる。そんなこともできぬか。やはりこれで終わりだなガブリエルよ」

じい:(おい、とんでもないこと言ってないか。それじゃあ、やってることただの詐欺師じゃないか。選ばれた人間のプレッシャー考えてみろよ。人間のこと完全にバカにしてるな。おい、ガブリエル、お前は間違ってないぞ。時間がかかってもいいから、正々堂)

ガブリエル:「桃太郎ッッ!!!!!」

桃太郎:「ん?」

ガブリエル:「お前が今日から救世主だッッ!!!!!!!」

桃太郎:「……キューセーシュ??おう、いいぞ!」

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じい:「すぐヤったぁぁっっっ!!!!!!!!!!!!」

〈第8話に続く〉

イラスト:石川マチルダ

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