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ビーフステーキ……

古い奴だとお思いでしょうか。
格別なご馳走、牛ステーキ……

好きな時にすきなだけ
とはなかなかいかず、懐温いときに限られるが、家長の証として、賞与支給日だと気がついていない家族にいつものアピールだ。

「ボーナスでたよ。肉行く?」

お父さん、今年もありがとう
お父さん、一年お疲れ様
的な反応に胸を膨らませ………

漁港の回転寿司や老舗の焼肉屋とかに、連れていっても家族のウケは良いのだが、僕の中に、洋食屋さん、ステーキハウスへの特別な憧れがある。

ナイフを使う非日常。
欧米か、舶来か。
文明開化のかほり。

注文までに少々、緊張を強いられるステーキハウスでのプロセスを楽しむ。

ご飯ではなく、ライス。
なぜかとても小さいパンが、二つだけ。
焼き方をなぜか英語で聞かれ、
なぜかコーヒーを飲む時期を聞かれ、
沢山の選択肢が、贅沢さを演出する。

なんとなく、クリスタルだと。。

もったいぶっているのか、
焦らされているのか、
一気に配膳されない、サラダとポタージュスープの関門をそれぞれ通過すると、廊下を ジューという音が近づいてくるのがわかる。

美味しそうな肉の焼けた匂ひ。
効果音。
思わず一同凝視する。

通過…………

恥ずかしさが生じる。
間一髪
配膳人と目が合わなくてよかった。

待つ。。

再び、ジューという音が近づく。今度こそウチの番か。

焦らされた後の御褒美。
秘伝のタレが熱々の肉と鉄板にかけられ歓びは最高潮へ。
年末の第9のように響きわたる。。

どうだ、みんな。参ったか。オレの稼ぎに感謝するのだ。。。

宴は終わり、感動しているのはクリスタル家長だけみたいだが、それなりに家族も満足したようだ。

稼いだら、またくるよ、肉。
宜しくな。

【あとがき】
ステーキを鉄板で提供するのは、日本独自のやり方であるという記事を見ました。確かに、お金持ち社長の長男だった友人の結婚披露宴で出てきたステーキは、皿の上に乗っていた記憶があります。

高級店では、肉の焼き方が変わらないように、皿で出すのだそうです。
確かに、熱々鉄板を運ぶのってそれなりのリスクもあるし、洗うのも大変ですよね。

中学生になり、生まれて初めて食したチェーン店のステーキは、熱々の鉄板にタレをかけてもらい、飛沫防止ペーパーを自分で乗せるスタイルでした。
高級店には一度も行ったことがないので、(アブク銭が入ったら)
一度行ってみようかと思います。

ただ、熱々の鉄板の上で食べたほうが美味しい という私の固定観念は、容易に溶けそうにはなさそうだという気はしております。





























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