半隠遁日記(5月)

(前の記事からの続編となります)

「レースから降りよう」と心底考え始めたのは、2015年の11月でした。

当時は、職責に忠実に、自分の将来に関与してくれた上司のもと、昇格するための選抜競争に耐えておりました。
年輪を刻むにつれ、同期や優秀な後輩に少しずつ抜かされ始めていました。仕事以外でも責任や苦労が増えはじめ、人生のピークを過ぎたんだという事実を痛感していました。

人生の折り返しは過ぎちまったけど、
どうするんだい?
これからも組織に尽くすの?
出世が遅れて、後輩に使われても、耐えられる?
転職なんて簡単にできるの?と。

その上司は、超一流のエリートではありませんでしたが、退職時に、三月末に全職場に披露(?)される退職者の名簿で上から十番以内に入ってましたから、結構なエリートではあったと思います。

組織人たるもの、かくあるべし。名簿の下の方にならないように尽くすべし。 

組織の論理的にはそうなるのです。
還暦まで(いや、5年延びました)、否応なしに競争なのです。

エリート上司は、人事部門への発言権がより強い人 ということになりますので、こんな人に認められれば被推薦者の昇格の可能性が他人より高まるということになる訳ですね。

子供も幼く、昇格すると月に一万五千円以上給料が上がるのも魅力であったこと、まだ退職まではかなりの年月が残っていました。

この時点で出世競争から脱落するという選択肢は選ばずに済みました。

結果的にこの時は、昇格ができ、しばらくは達成感も味わいました。一万五千円の昇給は、年金額にも影響しますので、今でも昇格して良かったとは思っています。。

ただ、あまり考えず、疑問をもたず、周りを見ながら同じように、同世代に遅れないように生きてきたはずなのに、実際に出世が遅れだすと、焦ってお尻に火がつく人と、組織に尽くすモチベーションが下がる人に別れるようです。

組織は、前者に期待します。

ただ、私は後者でした。
端的に言えば、組織で自分がやっていること、時間を使っていることに対する疑問が生じたのです。

尽くした分が返ってこないよ。全然。
いつになっても楽にならないやん。

疑問をもたず、退職まで競争を楽しめれば達人、実利をとる人が大人。

でも、ほんとうに自分がしたいことは、この状況から完全に逃げ出すことだけでした。

恥ずかしながら、逃げることだけでした。自暴自棄の数歩手前みたいな。

その後は丸四年間、残業、心配·責任付きの日々が続きました。ほんとうに、一日一日を乗り切るだけの日々を過ごしました。

耐えることが人生なのか。
夜遅く帰るのは仕方がないのか。
早く帰れる部署だって沢山あるのに。

一体自分は30年間も何を目指して無理を重ねているのか。
一体僕は何を怖れて、意に沿わないエンドレスな調整のための事務作業を夜遅くまで続けているのだろうか。
出世すると、退職するときに、全身が幸福感に包まれ、それは永く続くものなのか?

残業が当たり前の組織は恐ろしい。段々、夜の時間帯も調整業務をするようになり、早く帰る人のことを、
「使えない。早く帰りやがって」
と思うようになってしまうのです。

こうなれば、組織の思う壺ですネ。

生きる糧を得るため 
同期に遅れないため
後輩に抜かされないため
退職しても一兵卒に戻らないため(退職後に楽なポストを、用意してもらうため)
退職金年金を一円でも多くもらうため

と色々理由は思い付くけれども、競争をどうしても楽しめず、ぶら下げられたニンジンのために、組織に多くを捧げる自分への疑問はつのるばかりでした。

           (つづく)


【浮かせた時間】
5月の実績としては、別の組織との幹部レベルの飲み会(臨時)を2件上手に断りました。薄氷を踏む思いでしたが。
ほぼ仕事の延長といえるのに自己負担の飲み会です。

私が若いころは、総務の人が、どこからか捻出したお金で、あとで会費をバックしてくれたりしましたが、それもコンプライアンスやらの登場で、だいぶ前からなくなっている訳で。自腹ニッポン。

退職すればほぼ確実に絶えてしまう人間関係の飲み会………空しいだけです。
サービス残業と判断し、帰宅を優先しました。

約6時間の節約になりました。

しかし、とはいえ、そうはいっても………

人の心理が厄介なのは、断ったあとに、組織からのしっぺ返しを恐れるということなのです。

飲み会は誘われるうちが華とは思いつつ、もう脱落した自分が評価を気にしても仕方がないとの 諦め もあり、

今現在を思うように生きる。
他人の眼を意識しない。
を貫いてみることにしております。

かくすればかくなるものと知りながら
やむにやまれぬ大和魂

(違う場面で詠むものですね。。ここで使うな。ごめんなさい。。)

浮いた6時間は結果的に 自分のための時間 にはなりました。

【決意の達成状況】

「雇ってもらえる限り、縁の下の力持ちとして組織に尽くす」
「野球でいうと、年寄りのマスコットボーイ、玉ひろい、応援席の補欠」

4月の決意

選手ではなく、球拾い的にチームを支える裏方に徹する決意をして、2ヶ月が経ちました。
再雇用の元管理職さんは、だいぶ職場に慣れてきました。何かのローンが残っているみたいですが、それだけではない様子もあるみたい。

連休明けに辞めてしまう再雇用の方もいるみたいなので、管理職のときよりもプレッシャーが少ないのかもしれませんね。

今度心境を聞いてみたいと思います。

支援残業は11時間。サービス残業ではないのでやむを得ないものとします。

まだ残業時間の「あしきり」はないのですが、去年より消化ペースが早いので、6月は残業を減らさないと、年度後半がサービス残業地獄と化してしまいますね。くわばらくわばら。

【来月への課題】
縁の下の力持ちとして、引き続き6月も淡々と働きます。

勤務時間中は逃げ出さないよう。厳命。

残業はゼロにしたいのですが、慣れない人を支援することだけは拒否はできません。諦めて残業します。
(ただし、サービス残業だけは避けないと、また以前の自分に逆戻りとなりますのでいくら人助けとはいえ、安易な安請け合いには注意が必要ですね)

【吐き出し中】(愚痴、後悔の類い)
今年もどうなることかと不安を覚えつつ、連休明けも、なんとか出勤できた。30年経っても、正月明けと同じで、いつも緊張して職場に向かうわけだ。

事務室に入り、挨拶すると、返事が返ってくる。何もなかったように1日が始まる。
周りを意識しないで、さっと席につくだけのルーチンをこなせればオッケーだ。

人事異動の季節が過ぎると、出世が遅れた者にとっては嫌な季節が過ぎたことを意味するわけで。

他人の眼があまり気にならなくなる。良いことだ。

吐き出したい愚痴類も減少する。

ただし、一難去ってまた一難。

今取り組んでいる仕事への不安は決してなくなることはない。

どんどん増えていく。サラリーマンは仕事をなかなか断れない。

ストレスがたまったら、noteのネタにして吐き出せばいいのかな。

縁の下の力持ち君、がんばって。

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