雑感｜ふさふさ

登山の専門家の方がテレビで、登山用のリュックのパッキングについて解説しているのを、ずっと前に見た。普段ならしないような必要な物をよりコンパクトに装備しやすくする、さまざまなアドバイスを紹介されていた。そして、最後に大事なことをひとつ、飴やチョコレートなど「たのしみ」がんばった自分への「ごほうび」になる物も入れておくといいですよ、と付け加えられていてそれが山登りをしないわたしにも印象に残った。

一見ムダに見える。なくても困らない。だけど、あるとなんだか苦しいけどあそこまでがんばろう、そしてそこにたどり着けたら「ひと休み」しよう。がんばった自分をねぎらうために。よくやったな、えらいぞ自分、って。倒れるまで天辺目指して駆け上がったら、あとで反動が来る。それは甘えではないんだよ。

何をそんなに急いでいるの。なぜ完璧でなくてはいけないの。そう思い込んでしまったのはどうしてなの。

ちゃんと出来ているよ。何歳でもかまわない。自分で自分をあきらめなければ。すぐに答えが出なくても。しあわせは明日来る、そう言ったのは太宰治だったかな。

光が濃い分、陰も暗くなるんだから、もう過去は封印の匣の中。わたしはね、こどものとき、甘いもの一切禁止だったの。コーラ初体験は中１だし。しかも同級生んちでご馳走になった。だからか、今でも自分ではコーラ飲まないなー。買って飲んでみたけど、最後までひと缶飲み切れなかった。親にお誕生日ケーキ買ってもらったことなんて一度もないよ。飴もガムも食べちゃいけなかった。地蔵盆のおやつでも。おなかが空いたら、じゃこ食べてた。あんまり厳しく締め付けると、タガが外れるよ。やり直せる失敗は、失敗とは言わない。

誰かと比べなくていい。自分の価値は自分で決めればいい。わたしはわたしのおかあさんを捨てる。だけど、わたしは自分がお母さんであることをを辞めない。