子育てエッセイ : 日曜日の昼食当番 1 手握りおにぎり

長女が小学校2年生で次女が幼稚園の年少さんの時
奥さんがパン教室に通い始めた。
パン教室は隔週日曜日の午前10時からで、お昼にその日に作ったパンを食べて帰って来ることになった。
そのため、隔週日曜日の娘たちの昼食を僕が作ることになった。

記念すべき第1回目はスパゲッティーナポリタンと
野菜サラダ。
娘たちは何も言わず残さず食べた。
ところが奥さんが帰って来ると 
次女が
「お母さ〜ん、お父さんが作ったスパゲティー、
食べれたよー。」
何と、僕が作った料理は食べられないかもしれないと思っていたのだ。

2回目はオムライスとコーンポタージュスープを作った。またふたりとも残さず食べた。
ところが奥さんが帰って来ると、
今度は長女が、
「お母さ〜ん、お父さんはケチャップを使った料理しか作れないみたい。」
確かに2回連続でケチャップ料理を作ってしまった

3回目、僕は何を作ろうか考えていた時、ふと思った。手巻き寿司があるのだから、手握りおにぎりがあってもいいのではないか、と。

僕はご飯を多めに炊き、以下の物を用意した。
1、ラップ 素手で握ると大変なことになってしまうので、手のひらにラップをのせ、その上にご飯と具材をのせて、ラップに包んでから握ってもらうことにした。
2、海苔
3、のりまた
4、焼鮭の身をほぐした物
5、おかか
6、昆布の佃煮
7、甘い物も必要だと思い、きな粉
8、焼きおにぎりを作るために、オーブントースターをテーブルに置いた。
9、醤油
10、おしぼり

僕が娘たちに自分でおにぎりを作って食べるように言うと、娘たちは面白そうと作り始めた。
大きなおにぎりを作るのではなく、いろんな種類の小さなおにぎりを作るように言った。

僕はこの時、初めて知ったのだが、丸いおにぎりを作るのは難しい。三角のおにぎりにした。
娘たちは思い思いにおにぎりを作って食べて行ったのだが、面白いことが分かった。子どもは作ってもらった料理は食べ残すが、自分で作った物は食べ残さないということだ。

僕が焼きおにぎりを作ろうと言って、おにぎりに醤油を塗り、オーブントースターで焼き始めると、
娘たちは、早くできないかなぁ〜、と言ってオーブントースターの中をずっと見ていた。
出来上がると大喜びで自分で作った焼きおにぎりを食べ始めた。
最後はみんなで、握ったおにぎりにおはぎのように きな粉をまぶし、お茶を飲みながらデザートのようにして食べた。
娘たちは、また手握りおにぎりにして欲しいと言った。

その後、この手握りおにぎりは、日曜日の昼食当番で何回も登場することとなった。







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