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良妻賢母の逆算

私はこの間まで、自分は一生独り身で生きていくのだろうと覚悟していました。覚悟と言ってもマイナスな気持ちはなく、最高の独身貴族になってやろうと思っていましたし、当たり前のように自分のビジョンは一人であることが前提でした。
しかし、人間とは、いいえ、私とは非常に単純な生き物です。恋人ができた途端、突然 “結婚” が鮮明な輪郭を持って私のライフプランに浮上してきました。めでたいですね。

さらに、どこのどんな占いに行っても、「あなたは絶対に幸せな結婚をしますよ」と言われ続け、しっかりと真に受けています。

自分が築く家庭に思いを馳せたりします。
ママって呼ばれたいし、帰ったら手作りのお菓子と温かい紅茶が並んでいて、いつも品の良いワンピースを着ている可憐なママ。
夫がどんなに仕事や飲み会で遅くても、あたたかいご飯を用意して笑って「いってらっしゃい」「おかえり」を言える妻。
聖母のような母・妻になりたいなぁ。

東京の街を歩いていると、絵に描いたような “幸せそうな親子” をよく目にします。上品な洋服を着た色白でスレンダーで美人なお母さんが、面接を突破しないと着れなさそうな制服を着た子どもと、手をつないで愛情ひったひたの会話をしながら歩いています。
ツイッターお受験界隈やタワマン文学界隈を散策していると、共に高学歴高収入、自身もお受験経験者のハイスぺパワー夫婦ばかり。地元では触れたことのない世界です。自分が東京で理想の家庭を築くには、こんな世界に足を踏み入れないといけないのかと震えてしまうほどです。

そこで気づきました。
私の理想の妻・母になるための闘いは、もうすでに始まっているのだと。
妻、母になった途端に別人格になるわけではなく、これまでの20数年の人生の延長線上で、新たに役割が与えられるだけだと思います。
家柄も容姿も性格も思考も教養も財力も、急に大きく変えられるわけではないものがほとんど。でもそれは「どんな妻・母であるか」の大部分であり、非常に重要なことではないでしょうか。

私が「どんな妻であり母であるか」のほとんどは、もうすでに決まりつつあるのです。

結婚に関して言えば、パートナーを選ぶのは自分だし、合わなければ離婚すればいいし、お互いいい大人なのでその後も自分の意志で軌道修正をしていけます。
ただ、子どもは親を選べないし、あまりにも「親」という存在が人の一生に与える影響は大きいと感じているため、私の中で「母親はどうあるべきか」という考えが強固にあります。
その信条の裏には、恥ずかしながら自分自身の親との関係の影響は否めません。

どうして大学に行かなかったの?手に職をつけなかったの?資産形成をしてこなかったの?どうしてそんな状態で子供を生んだの?

親への「どうして~してくれなかったの?」という思いは、きっといつまでも消えることはないでしょう。
自分に渦巻いている感情がどれほどおぞましいものか、自分自身が一番分かっているので、そんな思いをさせたくない。
だから私はよき妻になるよりも、はるかにずっとよき母親になりたいと強く思います。

私は将来、伴侶に、子どもに、何を与えられるのだろうか。

結婚も出産もまだ現実的な問題ではない今、私なりの良妻賢母像から逆算して生きています。

これからとある国家資格取得の道に進むのは、夫と同じくらい稼ぐ妻になってパワーカップルになるため。容姿には限界があるから、せめて「よく稼ぐパートナー」という点で自慢の妻になるため。今から学歴を一新するのは不可能だから、肩書で地位を確立するため。
「実家が東京」は、人生においてとても大きな財産、アドバンテージになると思っています。だから都内のできるだけ都心寄りに家を買いたい。そのために好条件で住宅ローンを組める属性であり続けなければなりません。
積立NISAを始めたのも、自分の貯金ではなく子どもの教育資金のため。今から20年後は、予定では子どもがちょうど高校生くらいになっているはず。そのときに奨学金を借りずに大学に行かせてあげるための積立。
購入するバッグもアクセサリーも時計も、子どもに譲れるものを、と考えて選ぶことが多くなりました。

自分でもあまりに気が早いし、取りこし苦労だと分かっています。
でも、これはきっと他の誰でもなく、自分のため。どんなに計画的ないい女ぶっても、結局は自分のコンプレックスを乗り越えたい、自分の過去と折り合いをつけたいだけ。
たとえ結婚も出産もしなかったとしても、この努力が無駄になることはありませんしね。強い独身貴族が完成するだけですもの。積立も自分の学びなおしに使おうと決めています。

ほら、なんとなく私にも、自分の母親とは別の方向での毒親になりそうな匂いがするでしょう?怖い怖い。

でも占い師が良妻賢母になると言うならそうなのでしょう。ここは一つ、それを信じさせていただきます。

最後に、本当にどうでもよいお話をすると、ウェディングドレスはエマリーエのものが着たいです。指輪は五大ジュエラーのものでお願いします。キラキラのやつね。

エマリーエ公式Instagramより

ずいぶん気が早いので、ドレスも指輪もせっせとカタログを集め、式場もリサーチしているのはここだけの秘密。

私の方はいつでも結婚できますよ。



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