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わたしと夫の常識が違う

常識の境界線が、いかにあいまいなものか。

先日書いたこの記事にいただいたコメントを読みながら、そのことをひしひしと感じました。

この記事の中で、わたしが疑問を持ったのは、「飲食店のテーブルに日傘を置いてはならない」というのは、果たして常識なのかということ。

ある日、ふらっと入った蕎麦屋の大将に、そのことで怒られたんです。「そんなん常識や!」と言って。

それについて、みなさんの反応もいろいろで。概ね一致していたのは、いきなり客を怒鳴りつける大将の言い方のほうが問題だということ。でも、テーブルに日傘を置いてほしくない大将の気持ちはわかるという声もありました。

なるほどなあ。例えば、「テーブルに靴を載せる」だったら誰に聞いてもダメでしょうけれど、日傘だと全員一致とはいかないようです。

こういう、常識といえるのかいえないのかの境目に漂っていることは、ほかにもあるよなあと、記事を書いた後も考えていました。なんなら、家の中でもせめぎあっている。

そう思っていたところに、冒頭記事へのコメントで、たつのこ龍次郎さんが家庭内での常識の違いを紹介してくださいました。

勝手に引用しちゃってすみません!

そういうこと、うちにもあります!わたしは、思わず手を挙げそうになりました。

わたしの夫はアメリカ人です。違う国の、違う文化の中で育ってきたわたしと夫の間には、当然ながら、れっきとした常識の違いがあります。文化の違いに由来する場合もあるし、ただ単に人としての感覚の違いによることもあります。

今日は、そういう我が家の家庭内にある、常識の不一致について書いてみます。

台所のタオルで床をふく

うちの夫はこれを平気でやるんです。

ちょっと床に水が散ったりこぼれたりしたときに、手拭き用にかけてあるタオルでさっと拭き、それを何事もなかったかのように、また元に戻します

わたしと夫、どっちがきれい好きかというと、夫だよねということになっているのですが、よくよく考えたら本当にそうなのか?という気がしてきます。

わたしは、やめてほしいと思っています。「そのタオルで床を拭くのはやめて」と言うのですが、夫はさほど真剣に受け止めていないようで、またそのうち同じことをします。わたしも、目くじらを立てて怒るほどには気にしていなくて、あ、またやりよったなと思いながら横目で見て済ませることもあります。

あれ、結局どっちもどっちですね。

食べているそばで掃除機をかける

テーブルでものを食べているときに、テーブル下の食べくずを見かねて、夫が掃除機をかけたことがありました。

わたしは、「食べているところに掃除機はやめて!ホコリがたつ!」と慌てて止めました。これは見過ごせません。ホコリが舞う中でものを食べたくないですから。

夫は、食べものが出しっぱなしになっていたり、賞味期限が切れた食材を使うことには敏感なくせに、食べているときに掃除機をかけるのは平気らしいんですよね。基準がわたしと違います。

わたしの剣幕に本気度を感じたのか、これは一度きりの出来事です。

白いものと色ものを一緒に洗う

洗濯の話です。

わたしは、靴下・ズボン類とそれ以外は分けて洗うのですが、白いものや色ものはあまり気にせず一緒に洗います。夫は、靴下などをほかと分けて洗うことはしませんが、白いものはそれだけで洗いたがります。

もう着古した白い下着とかは別に構わないらしいです。でも、白いタオルやシーツを色ものと混ぜて洗わないことには厳格です。わたしが一度やろうとしていたのを目撃して、そうすべきではない理由を滔々と語ってきました。

それ以降、わたしに任せるとまずいと思ったのか、夫は白いシーツは自分で洗うようになりました。ちなみに、同じ理由で、夫は自分の洗濯物はいつも自分で洗っています。結婚してからずっとそうです。

ローテーブルに足をかける

ソファでのんびりくつろぐときに、ローテーブルに足をかけます。日本だとお行儀の悪い行為ですよね。子どもがやっていたら、まず止めるんじゃないでしょうか。

でも、アメリカではわりと許容されているように思います。ドラマや映画でもこういうシーンは日常風景として出てきますし、うちの夫も知り合った頃から当たり前のようにやっています。そういえば、夫側の家族がうちに遊びにくると、彼らもやります。

一方で、夫が自宅と義両親宅以外でやっているのは見たことがありません。ちゃんと聞いたことがないですが、自宅でなら許されるけど、よそでやるのは気が引ける行為、というのがわたしの理解です。

わたしも、自宅でのんびりしているときは、足をかけちゃっています。あ、ばらしちゃった。

麺をすするときにズルズル音を立てる

ラーメンだろうが、蕎麦だろうが、麺をすするときに音を立てるのは、アメリカではマナーの悪い行為です。

日本では、ズルズルズルっと勢いよく食べますよね。アメリカに来てからも、その調子で食べていたら、夫にたしなめられました。彼は、日本の習慣をよく知っているので、「外ではやらない方がいいよ」という言い方でしたけれど。

夫はラーメンを食べるとき、それはそれは静かに食べます。麺を丁寧に折りたたむようにして、何回にも分けて口に運びながら呑み込んでいきます。わたしは、文化の違いとはわかっていても、はあ、とため息をついてしまいます。ズルズルっといこうよ。

でも、違いは違いとして認めて、どこにいるかを考慮しつつ、内と外を使い分けたりしながら、あっち側とこっち側を行き来しながらやり過ごすのがいいかなと思っています。


ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
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