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民主主義の希望 "クアドラティックボーティング"って?

たまたま見かけたテレビ番組にオードリー・タンさんが出ていました。
とてもおもしろかったのでご紹介させてください。

ご存知の人も多いと思いますが、彼女は台湾のIT担当大臣で、トラスジェンダーであり、38歳という若さで閣僚入りしました。台湾はITを駆使して世界で最もコロナ対応に成功した国のひとつで、それに大きく貢献したのがオードリーさんです。



彼女にずっと注目してきた理由は、自由主義社会においても弱者や高齢者、マイノリティーによりそうテクノロジーのあり方を語っていたからです。


「デジタル技術はもっと謙虚であるべきです」
https://twitter.com/gentouki/status/1234409015636938752?s=20

※~台湾IT大臣オードリー・タンの真価、「マスクマップ」はわずか3日で開発された~
https://www.newsweekjapan.jp/stories/technology/2020/07/it3.php




番組の中でオードリーさんが提唱していた新しい民主主義における投票のシステム "クアドラティックボーティング" がとても面白いシステムだったので少し解説したいと思います。

投票者はひとり99ポイント持っていて、1票を入れようと思えば1ポイントなのですが、1票以上同じ候補に入れようとすると以下になります。


 2票 2×2 = 4ポイント必要
 3票 3×3 = 9ポイント必要
 4票   4×4 = 16ポイント必要
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 9票  9×9 = 81ポイント必要


99ポイントなので最大限9票入れたとしても18ポイント余ります。そうすると他の候補者にも票を入れないといけないことになります。そうやって政治の独裁化や民主主義の陳腐化を防ぎ、支持者以外の政策や意見に触れるよう促すシステムです。


オードリーさんは軽薄なインフルエンサー(笑)や新自由主義者のように他人を見下したり、情報弱者を利用したり、あえて炎上させて注目をひくようなことは発言は決してしません。いつも地球全体の、人類の進歩を見据えたシステムの話しかしません。粛々と...


政治のポピュリズム化、先進諸国ほど多くの死者を出したパンデミック。その最中、アメリカのBLM。インターネットの成熟が民主主義を終わらせるのではないかという空気が漂う中、台湾の若き政治家から民主主義にまだ希望はあると一抹の光を感じとることができて少し感動しています。



"民主主義の「回線速度」を上げることが大事。4年に1度の選挙で済ませるのは旧式のコンピュータを使い続けるようなもの。アクセスの回数を増やせば増やすほどフィードバックもアップデートも多くなる。それが「新しい民主主義」のあり方"


とにかく、もろかったのでオンデマンドで見てみて〜


プロフィール : 田中 潤
音楽家、プロデューサー、アーティスト…etc
2003年にドリーミュージックよりメジャーデビュー、2008から作編曲家としてRhytm Zone(AVEX)に所属。2014年頃独立。
作編曲で Smap, May J., 三代目JSB, 倖田來未、土岐麻子、信近エリ、堀込泰行、宮崎薫 、moumoon…etc に携わり、CM音楽や企業向け音楽も多数。

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