［RIZIN.45］ 発表済みカードの話（堀口VS.神龍・朝倉VS.アーチュレッタ編）

先日発表されたRIZIN.45の対戦カード。

非常に魅力的な4カードが発表され、今から大晦日大会への期待が高まっている。

発表カード
堀口恭司VS.神龍誠　（初代フライ級王者決定戦）
朝倉海VS.フアン・アーチュレッタ （バンタム級タイトルマッチ）
斎藤裕VS.クレベル・コイケ
扇久保博正VS.ジョン・ドットソン

前回ノーコンテストとなってしまった堀口VS.神龍や、過去に流れてしまった斎藤VS.クレベルなど決着が付かなかった戦いが再び組まれている。

加えてこちらも怪我で流れた一戦、アーチュレッタが手にしたバンタム級のベルトに朝倉海が挑む。

そして元UFCの強豪であるドットソンを扇久保博正が迎え討つ。

堀口恭司VS.神龍誠

前回の戦いは何の情報も得られない内に終わってしまったので、参考となる要素は得られなかったが、持っているスキルで考えるとやはり堀口恭司が有利なのではないだろうか。

経験値・技術・パワーなどの面で神龍よりも優れていると思われる堀口は、余計なことをせずに勝ちに徹することが出来れば判定で神龍を退けることが出来るのではないかと思う。

コンプリートファイター同士のぶつかり合いでは、少しのアドバンテージが大きな差を作る。

そういう意味でも優勢なのは堀口恭司なるのではと感じる。

そんな堀口恭司の懸念点は、安定感の翳りとここ最近の運の無さである。

勝ちを得るまでに何か一波乱あったり、簡単に危うい場面を作ってしまったりと安定して勝ち切るイメージが以前よりも持てなくなった上に、前回のアイポークや以前にあった対戦相手のキャンセルなどで、ここ最近は良いリズムで試合をこなせていないところがある。

怪我や加齢による変化と勢いの付かない流れやリズムが、格上として将来有望な若手を迎える堀口恭司にどんな影響を与えることになるのか。

シンプルになれる神龍に対して、技術と経験が豊富な堀口は良くも悪くも複雑さを抱えることになる。

ただこれまでにKO/TKO勝利のない神龍が一発で堀口を沈めるということは考えにくい上に、レスリングなどで一方的なコントロールを展開できるとも思えない。

なので結果的にはワールドクラスの堀口恭司が国内トップクラスの神龍に対して差を示す試合になるのではないかと思う。

朝倉海VS.フアン・アーチュレッタ

朝倉海の怪我で実現しなかった両者のぶつかり合いが大晦日の舞台で再び執り行われることになった。

ベラトールでもトップクラスのアーチュレッタは問題なくRIZINのベルトを手にし、RIZINバンタム級の実力者をしっかりと退けてきた。

そんなアーチュレッタだが、タイトルマッチとなる朝倉海との一戦で、もし殴り合いに応えてしまったとしたら恐らく高い確率で酷い目に遭うだろう。

MMAの完成度という意味ではアーチュレッタの方が上だと思うが、一発が持つ可能性を含めた打撃のスキルだけで言うと朝倉海の方が上だと感じる。

なので朝倉海はアーチュレッタにスタンドで勝負することを強いることが出来れば勝機を見出せるようになると思う。

そうなるとポイントは朝倉海がアーチュレッタのレスリングを防ぐことが出来るかどうかになってくる。

海外への出稽古でメラブ・ドバリシビリらと練習を共にしたことのある朝倉海は、アーチュレッタクラスのレスリングに対する経験値もあるはずなので、RIZINファイターの中ではまだ対応出来る可能性を持っているはずだ。

ただアーチュレッタはスタミナもあるので、消耗戦に持ち込まれると徐々に対応することが厳しくなって来てしまうかもしれない。

そうなる前に朝倉海はアーチュレッタに大きなダメージを与える必要があるだろう。

アーチュレッタからベルトを剥ぎ取るには元気がある1R目に打撃勝負を仕掛け、レスリングを封じながらビッグショットをヒットさせ、疲れが出る後ろのラウンドに向けて余裕を作っていきたい。

2・3Rになるとアーチュレッタも朝倉海の打撃に慣れ始めてくる可能性があるため、大きく削るなら1Rを狙いたいところだ。

堀口恭司を倒し、マネル・ケイプにも勝利を収めた実績のある朝倉海なら、対戦経験の無いアーチュレッタを躓かせることが出来るかもしれない。

兄の勢いが衰える中、ワールドクラス越えを達成出来るかどうかで今後は大きく変わって来るだろう。

JTTを裏付けるための根拠を重ねることにも繋がる大事な一戦。

激しい勝負となることが予想される。