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読書感想 谷崎潤一郎 痴人の愛

文豪谷崎潤一郎……大好きです。文章が美しすぎます。感服です。

ノーベル文学賞をとって欲しかったです…。
50年以上前の話だけど……

谷崎潤一郎はどうして教科書に載らないのか……そうすればもっと評価されるのに……

まあそれは、教科書に載せられるような子供向けの作品がひとっつもないからなんでしょうね。笑


いやもう、この作品ね、
書かれたのは昭和の初期だと思うのですが、令和の今読んでも
「うっわおぅ!!」ていう衝撃が走ります。
色んな意味で。

この作品は、物語の冒頭にもあるように、
あまり世間では類例がないであろう夫婦のお話です。

その夫婦が出会った時からお話が始まります。


真面目なサラリーマンの譲治はカフェに勤めていた15才のナオミを気に入り、自分好みの女に育ててから結婚しようと目論みます。

二人は結婚するのですが、幸せな生活もつかの間、ナオミはしだいにわがままになり、
やがて平気で浮気をするような悪女に変貌していきます。

あっぱれな悪女っぷりです。

譲治は一度はナオミを家から出しますが、
結局は彼女を手に入れたい衝動が抑えられず、自分の愚かさを認めつつ彼女の奴隷となります。
惚れているので仕方がない、と。


痴人(おろかもの)は主人公譲治なのか、ナオミなのか。
それとも両方なのか。

私は最後までわかりませんでした。



「生涯を通して性の葛藤から逃れられないのが男性」
みたいな事が文庫本の書評に書かれていたのが印象的でした。

私は女性なので、この作品を読んで文学として素晴らしいとは思っても、
主人公に共感は出来ないのです。
ただ、男性はどのような感想を持つのでしょうね。


谷崎潤一郎の作品を読むと、夫婦の在り方について深く考えさせられます。


夫婦とは何なのでしょう。


夫婦を夫婦たらしめるものはなんなのか。
結婚という契約なのか、愛なのか、情なのか。それとも…

夫婦の愛のかたちは本当に人それぞれだと思います。

これは考えて見れば当たり前のことなのかもしれませんが、
一番大切な人を一番大切にしなくてはいけませんね。


お互いの存在を当たり前だと思わずに、思いやりの言葉をかけていけるといいですね。

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