鳴りやまない心の声にどう向き合うか―「Chatter」イーサン・クロス(著)
SNSを通じて様々な情報を瞬時に提供される現代社会では、多くの情報処理を求められているため、昔より人間の脳は疲れやすい環境にあるでしょう。
だから多くの人は現代社会の喧騒から離れようという意識を持ちやすくあるのだと思います。
「FIRE」という言葉やより豊かな地域への憧れ(ドバイなど)はこういった要因から生まれていると考えます。
ですが、誰でもすぐにこの喧騒から離れることはできません。それ相応の準備が必要です。
その準備が整うまでは、嫌でもこの喧騒と付き合わなければなりません。少しでもこの喧騒からの負担を軽減するにはどうしたらいいでしょうか。
その方法について紹介しているのが本書です。
本書は様々な喧騒の種類の中で、自分の中に生まれる喧騒の対処について書かれています。
自分の中に生まれる喧騒というと難しいのでより簡単にすると、心の中の独り言です。
YoutubeやInstagramを見ている時、突然「あれやんなきゃな~」と頭に浮かんだりしませんか。
これが心の中の独り言、本書ではChatterと呼ばれる現象です。
人は日常的にChatterと出会います。それは不安によるかもしれませんし、期待によるかもしれません。
どちらであれ共通するのはChatterの量が多くなり、頭をChatterの処理に使いすぎると他のことに手が付けられなくなるということです。
これだと生活や仕事に支障が出ます。だからといってChatterをなくすこともできません。
人は簡単に自分とコミュニケーションをとってしまう生き物なのです。だからこそ、本書を通じてChatterに影響されず、上手な付き合い方を覚えることが推奨されるのです。
著者自身がChatterと向き合った代表的な事案として、脅迫をあげています。
著者は見知らぬ他人から殺人予告を受けたことから、Chatterに悩まされることになったのです。
この事例から言えるのは、Chatterは主に不安から生じるものと考えられます。
私自身この本を買った理由が、その時期忙しくてChatterに悩まされていたことに起因します。ようはストレスから本書を必要としていたのです。
ではどう対処するべきなのでしょうか。最近の本は最後にまとめがあり、それさえ読めばおおまかに理解できるので、全部読むことないのが売りとも言えるんですけど(笑)。
しいてその内容を要約するのであれば、主に3つにまとめられると思います。
一つ目は「冷静」を心掛けることです。
しばらく前からアメリカではマインドフルネス(瞑想)が流行りだという話はありますが、困難な状況であれ冷静さを保ち、対処を行う心掛けをすることは大事だと言えます。
危険な状況であれ冷静であれば、対処すべきことが浮かんできます。
二つ目は「なぜ生じるのか?」を理解することです。先ほどもChatterは主に不安から生じると書きました。
すなわちChatterが生じる理由があるわけです。その理由が何かを把握することで、何を断てば解消されるのかも理解できます。
私自身、本書を読んでいる間に懸案(不安の原因)を解消したので、本書を読むまでもなくChatterは解消しました。
ようは原因を断てば自然となくなるのです。
三つ目は「安心」を求めようということです。不安がChatterの原因であるならば、不安を和らげればChatterの影響は減少します。
そのためには安心、リラックスすることが大事になります。最近のAmazonのCMで仕事に終わる男性が過去の思い出に触れて、趣味の登山に行くというのがあります。
これと同じで趣味などを通じて不安を軽減する事で心に余裕を持つことが大事だと言えます。
生きていく中で、必ず生じるChatterは結局個人のものですので、個人の心構え次第で解消できるのです。
著者は多く対処法を述べていますが、平静を保って安定して生きていくのに必要なスキルが書かれていますので是非とも必要とする方は読んでみてください。
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