見出し画像

夢が生まれる


愛犬 
夢生(ゆう)

写真を嗜むようになった最初の一枚
未だに超えられない一枚。

安価なニコンの一眼レフを譲ってもらって
何もわからないまま愛犬を撮った。
この時、自分も愛犬も何もわかってない。

ベットの毛布の上で手持ち無沙汰な面持ちで。
近くの窓からは曇天の雲の合間から、
少しだけ青空が見えたのを憶えている。


18歳で亡くなるまで何枚も撮った。
それまでもそれからも、色々なものを撮ってきたけど
最初の一枚が一番気に入っている。

晩年は元気がなく起きては寝てを繰り返していた。

ある日、思いつきで懐いていた祖母の家に連れて行ったら、
嘘みたいに若返ったように元気なった。
祖母も自分も驚いたし、不思議だったし、何より嬉しかった。

本当は帰路につくつもりだったのに
その足で海へ。

道中も車の窓に前足をかけて
過ぎ去る景色を眺めていた。

元気だ。


何回か連れてきた海。

潮風は少し寒かったが、愛犬はいつも通り
鼻をヒクヒク動かし、探索していた。

波に興味は一切ないのだ。

そして元気な一枚になった。

夕日と夢生と

当時は勿論悲しんだし、
しんみりしないわけでもないが、
今は思い出して悲しんでいるわけではない。

愛犬は比較的に長生きで、
何より楽しそうに生きたからだ。


写真を撮ればしっかりと思い出す。

#犬 #愛犬 #夢 #海 #冬 #エッセイ  
#思い出 #写真

この記事が参加している募集

我が家のペット自慢

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?