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第17回読書会報告書

7月21日(日)、第17回読書会が開催されました。
課題本 サン=テグジュペリ「星の王子さま」

〈あらすじ〉
 これまでで最も愛らしく、毅然とした王子さまが、優しい日本語でよみがえります。世界中の子供が、そして大人が読んできた。世紀を越えるベストセラー。砂漠に飛行機で不時着した「僕」が出会った男の子。それは、小さな小さな自分の星を後にして、いくつもの星をめぐってから七番目の星・地球にたどり着いた王子さまだった……。
 一度読んだら必ず宝物にしたくなる、この宝石のような物語は、刊行後七十年以上たった今も、世界中でみんなの心をつかんで離さない。最も愛らしく毅然とした王子さまを、優しい日本語でよみがえらせた、新訳。(新潮文庫)

新潮文庫/グラフ社/光文社古典新訳文庫


 7月21日(日)の午後、連日の猛暑続き、べとつく湿気、アスファルトの陽炎、ゆがむ視界、なにもかも暑さにヤラれるこの時期、集中力も散漫になりがちです。そんなときはやはり、冷房の効いた室内でゆっくり読書するのがいいですね。本日は暑い中、読書会に足を運んでくださりありがとうございました。
 課題本は、大人も子供にも普遍的な人気を誇る サン=テグジュペリ「星の王子さま」 です。七夕の7月にもぴったりですね。
 本作は、長年愛されている作品だけあり、いろんな出版社や装丁、翻訳版があってどの本を選ぼうか迷うくらいでした。なので今回それぞれ持ってきた本の違いを見比べるのも面白かったことの一つです。
 挿絵も素晴らしく、この絵が好き、愛らしい、綺麗、等々の感想もあり、目で見て楽しむ作品でもありました。私は「星の王子さま」は再読になるのですが、案外忘れていた部分もあって、今回さらにまた好きになってしまいました。
 王子さまと『僕』との交流、宇宙の星を旅した話、そこで出会ったユニーク?な人たちに、作者の皮肉や優しさが込められていて、物語の想像性や人間のどうしようもなさというんでしょうか、寂しさや切なさがつまっていました。最後の星の王子さまと僕との別れのシーンに、終わらないでほしいと思ってしまったのは、私自身も『星の王子さま』に”なついて“しまったせいなのかもしれません。
 特に印象的な台詞は、王子さまの問に対して鉄道員が答えた場面、

「みんな、自分のいたところに満足できなかったの?」
「人は、自分のいるところにけっして満足できない」と鉄道員が言った。

110頁

 自分自身に言われているようで、グサッと胸に刺さりました。読む時期や年齢によってその時々に心に残る台詞や場面がありますね。
 ほかに、有名な言葉「いちばんたいせつなことは、目に見えない」から、1対1による会話で成り立つ ぼっち文学 、まるで大谷翔平のような(ケチのつけようがない意) 完璧な構成 、それゆえの もの足りなさ などの感想がありました。一つの文学から想像力をかき立てられるSFファンタジー、読書会を機にいろんな感想が聞けて楽しかったです。
 サン=テグジュペリ作「夜間飛行」もオススメです。もし、同じ作者で次に読むのに迷っていたらぜひ手に取ってみてください。

 以上、第17回読書会報告書でした。



 次回の第18回読書会の予定は、9月15日(日)の15:00〜16:00、場所は同じく岩沼西コミニティセンターです。課題本は、新札お目見え早々、五千円札よ忘れない…… 樋口一葉「たけくらべ」です!
 現代語訳版を想定しています。

樋口一葉「たけくらべ」


ご質問やお申込みは幻ノ月音のメールまで、

gennotsukito@gmail.com

よろしくお願いします。そのときに「いわぬま読書会参加」を明記してお名前(ふりがな)、年齢(例40代)をお知らせください。質問もお気軽にお問い合わせください。
 暑い日々を読書で乗り切りましょう!ご参加お待ちしております。


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