朝焼け
逆光であなたの表情はわからなかった。
でも、僕はあなたが泣いていることに、気付いたんだ。
気づいてしまったんだ。
頬をつたう一筋の涙は、今でも忘れることができない。
朝焼けに照らされたあなたの涙は、
どんなに高価な宝石よりも、
綺麗で、美しくて、触れる事はできなかった。
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嗚呼、あの時僕はなんて言ってあげれば良かったのかな。
「今日も綺麗だね」って、。
そう言いながら笑顔を僕に向けてきたあなたは、
こんなにも近いのに、
遠い存在のように感じてしまった。
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どうしてあなたは、突然居なくなってしまったの?
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「今日も生きていてくれてありがとう」
そう言いたかったよ、よ。