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価値の見せ方

どうも、おがわです。

今回のテーマは価値の見せ方です。

主にサービスモデルを設計する時の組み木として考えています(営業のTIPSとしても使えると思います)。

ソースは、ビジネス実践ファーム「副1000」で紹介されたダン・アリエリー著『予想通りに不合理』の第1章「相対性の真相」。

では、はじめていきます。


1.見せ方の重要性

私たちは自分の欲しいものが何かわかりません。

着たい服、ランチのメニュー、住みたい家、就きたい仕事・・・

全て他のものとの相対的な優劣で価値を判断し、取捨選択しています。

そしてもちろん、それは時に間違うこともあります

つい買ってしまった冷蔵庫、つい入会してしまった幼児教室、つい結婚してしまった旦那(よくうちの妻が言ってます笑)

内容がよく分からなくても、相対的に良く見えてしまったら財布の紐は緩むのです。

逆に言うと、いくら良いモノ・良いサービスでも、相対的に良く見えなければ誰も振り向いてくれません

だからこそ、ビジネスでは「価値の見せ方」が大切になります。


2.不合理な選択

前出したダン・アリエリー著『予想通りに不合理』で、エコノミスト(英の新聞社)の購読案内を使った面白い実験があったので、紹介します。

 学生100人に下記A・Bの2つ設問に答えてもらい、その結果の違いから「相対性の真相」に迫っています。

まず設問Aから。

設問A
<購読のご案内>
ご希望の新規購読のタイプを選択してください。
①WEB版の購読ーーー$59
WEB版エコノミストを1年間購読できます。また1997年以降のエコノミスト全記事にオンラインでアクセスできます。
② 印刷版およびWEB版のセット購読ーーー$125
印刷版エコノミストを1年間購読でき、さらに、1997年以降のエコノミスト全記事にオンラインでアクセスできます。
<結果>
① WEB版の購読ーーー68人
② 印刷版とウェブ版のセット購読ーーー32人

設問Aでは「WEB版の購読」が人気のようです。

次に設問B。

設問B
<購読のご案内>
ご希望の新規購読のタイプを選択してください。
①WEB版の購読ーーー$59
WEB版エコノミストを1年間購読できます。また1997年以降のエコノミスト全記事にオンラインでアクセスできます。
② 印刷版の購読ーーー$125
印刷版エコノミストを1年間購読できます。
③ 印刷版およびWEB版のセット購読ーーー$125
印刷版エコノミストを1年間購読でき、さらに、1997年以降のエコノミスト全記事にオンラインでアクセスできます。
<結果>
① WEB版の購読ーーー16人
② 印刷版の購読ーーー0人
③ 印刷版とウェブ版のセット購読ーーー84人

なんと、設問Bの一番人気は「印刷版とWEB版のセット購読」でした。

設問Aで人気なのは「ウェブ版の購読」だったはずです。

なぜ設問Aと設問Bの結果に違いが出てしまったのか?

その秘密は設問Bで追加された選択肢、「印刷版の購読」の価格にあります。

①WEB版の購読ーーー$59
②印刷版の購読ーーー$125
③印刷版およびWEB版のセット購読ーーー$125

「印刷版の購読」を「印刷版およびWEB版のセット購読」と同じ価格にしているのです。普通に考えると、おかしな価格設定です。明らかに「印刷版の購読」を選ぶと損で「印刷版およびWEB版の購読」を選ぶとお得になります。結果、お得かどうか判断しにくい「WEB版の購読」は選択肢から外れ、相対的に明らかにお得な「印刷版およびWEB版の購読」を選択してしまっているのです。

つまり、私たちは

選択肢に比較しやすいものがある場合は、比べやすいものだけを吟味し、比べにくいものは無視してしまう傾向にある

にあると言えます。

なるほど。。。
僕もこの実験に参加したら、同じ思考プロセスで「印刷版およびWEB版の購読」を選んでしまいそうです。実に不合理ですね。行動経済学ってすごいですね・・・。


3.”おとり選択肢”の功罪

設問Bの購買案内ですが、エコノミスト社で実際に使われていた内容だそうです。もちろん目的は「印刷版およびWEB版のセット購読」の新規契約者を増やすめ。

うーん・・・この価格設定、流石に少しやりすぎですよね笑

ここまであからさまな例は少ないですが、このような”おとり選択肢”のトリックは世の中に溢れています。

一番わかりやすいのは、良くBtoBで見かける松竹梅の見積もり提示。馬鹿正直に低価格・中価格・高価格で提示し、中価格の竹で選んでもらおうと考える営業マンもいますが、”おとり選択肢”を駆使した手練もいます。明らかに価格設定のおかしい選択肢をあったらこのトリックを使っている可能性大です。

BtoCであれば、賃貸物件だったり旅行代理店だったりの営業で使われることがあります。下記に旅行代理店の具体的な例を。

お客様が旅館AとホテルBで迷っている。
私はホテルBをお勧めしたい。
そこでホテルBと同価格帯でちょっと質の劣る(お客様の趣向から外れる)ホテルB’を提示してみる。
すると、お客様はホテルBとホテルB’の吟味に集中する。
ホテルと比較しにくい旅館Aは自然と選択肢から外れる。
結果、ホテルBが選ばれる。

なんか誘導みたいで、ちょっとずるい気もしますが、見方を変えればお客様にとって決断しやすい状況を作っているとも言えますよね。

ホテルと旅館、どちらが良いかなんてなかなか決められません。なので決めやすいように”おとり選択肢”を提示し、決断のために背中を押してあげています。

でもこれ、あんまりやり過ぎると本当に信頼失いそうですね笑

あくまでも、お客様のためにはどちらが良いか?というスタンスが大切です。


3.まとめ

今回は、ビジネス実践ファーム「副1000」で紹介されたダン・アリエリー著『予想通りに不合理』の第1章を自分なりに噛み砕き、相対的な見地からの「価値の見せ方」をアウトプットしてみました。

まとめると、下記のことが言えます。

1.モノやサービスを購入するとき、私たちは比較しやすいもの同士を相対的に判断し、選択する。

2.選択肢に比較しやすいものがある場合は、比べやすいものだけを吟味し、比べにくいものは無視してしまう傾向にある。

サービスモデルを考える時はもちろん、普段の営業シーンにおいても役に立つ考え方だと思います。よかったら是非参考にしてみてください。


今後も引き続き、

副業で年商1,000万円のプロダクトを作るための学び・考え・企て

をアウトプットしていきますので、応援よろしくお願いします!

そして、よかったら、スキとシェアとフォローも(^_^)

それではまた。


※ビジネス実践ファーム副1000の情報はこちら↓



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