見出し画像

合宿人インタビュー#7 元木一喜さん 合宿はテクノロジー

こんにちは、合宿人(がっしゅくじん)です!
「すべてのチームに最高の合宿体験を!」というビジョンをかかげ、合宿を起点に変容を遂げながら歩みつづける「合宿人」たち。

それぞれの分野で活躍をする彼らが、なぜ合宿に魅せられ、価値を感じているのか。
彼らの人生の輝きの秘訣ともいえる合宿ストーリーをお届けいたします。

第7回目の今回は、株式会社LITALICOの元木一喜(もとき かずよし)さん。
ITものづくり教室や、LEGO® SERIOUS PLAY®※メソッドと教材を活用したワークショップ、組織開発などを通じて、違いを楽しめる社会を作っていくためのサービスやワークショップデザインなど、多岐に渡ってご活躍されています。

※LEGO® SERIOUS PLAY®とは

僕にとって、合宿もレゴ®ブロックもテクノロジーなんです。何らかのテクノロジーを使うことで、できなかったことができるようになる。その体験を通じてその人の中にある可能性をできる限り最大化することが、僕のいちばんやりたいことなんです。」

合宿とテクノロジー(!)元木さんから発せられた、遠く結びつかないイメージのふたつの言葉。もともと情報分野が専門分野という元木さんならではではありますが、なぜ合宿が「テクノロジー」なのか。「テクノロジー」で可能性を最大化するとはどのようなことなのか。
今回のインタビューでは、元木さんがさまざまな活動を通じて体験してきた中にある気づきや価値観を豊かな表現で語っていただきました。

合宿はテクノロジー

「合宿をしている時って参加者が平等になるんですよね。
服装ひとつとっても、若手の社員から50代、60代の管理職の方まで、皆がTシャツに短パン姿で、スーツ姿のときに外に掲げている肩書きから離れて平たくなる感覚がありますよね。

そういうささいなことから、普段より話しやすくなる状況があってはじめてその人の言葉が出てくるんです。

役職とか、立場とか、日常の肩書きの上で話をするときって、守らなければいけないものがあるのでその立場で発する言葉になるんですよね。
同じ話題を語るにしても、肩書きや立場で語る時と、平等になった状態でいち個人としてどう思うのかを語るときと、出てくる言葉や意見が変わりますよね。

焚き火が良いというのも、皆が同じ焚き火をみつめているだけで同じ空間を共にしている感覚が生まれてきて、安心するんですよね。その安心があった上で、日常では出てくることのないその人の言葉が出てくると場が動いて、状況が動くきっかけになる。

そういった意味では、レゴ®シリアスプレイ®も同じで、テクノロジーなんです。何もない状況では語ることができなくても、合宿という場や、レゴ®シリアスプレイがあることで深く語ることができるのであれば、それはテクノロジーなんです。

素手では掘れない深い穴も、スコップというテクノロジーがあれば深く掘ることができる。それと同じですよね。」

合宿のレゴ®シリアスプレイ®で参加者が作った「あひる」たち。
さまざまな形のあひるには、その人のその瞬間があらわされている。

「テクノロジー」で、クラス全員が就職に内定

「僕は以前、専門学校の教員をしていたことがあるのですが、就職指導がなかなかうまくいかなかったんです。まだ20代で、1回しか就職活動したことの無い自分が指導するのも難しくて。

そのような中、レゴ®ブロックを使ったワークショップに何度か参加する機会があり、未来をつくるワークや、新しいアイデア発想させるワークを体験したときに、「これだ!」って思ったんです。

その勢いで、校長先生に「就職指導のために、僕はレゴ®ブロックを買いに行きたいんです。」と掛け合ったら「面白くていいね!」と言ってもらえて(笑)

そこから就職指導の時間に、
「希望している会社に内定をしたら、3ヶ月後は何をしているんだろう?」
「何をしているかイメージできたら、その風景をレゴ®ブロックで作ってみよう。」
「じゃあ、1年後は?」
というように、内定後の未来の自分の風景を思い描いて、レゴ®ブロックで作って形にしていくことを繰り返したんです。

近い未来からイメージを形にしていった後に、
「じゃあ、3年後はどんな自分で働いていたい?」という問いかけをしました。その答えに、まさにその会社に入りたい理由と、どんな活躍がしたいのか、活かしていきたい強みと、弱いけれども伸ばしていきたい部分が本人の言葉で出てきたんです。

「なんとなく、ここの会社かな・・・」と考えていた学生たちの、あいまいで出てこなかった未来のイメージがレゴ®ブロックというテクノロジーによって、言葉と形になって出てきた瞬間でした。

それをそのまま履歴書に書き、印刷して面接の直前まで見ておくようにアドバイスしたら、クラス全員が内定したんです。

僕自身、このワークのパワフルさを実感した体験でした。」

「テクノロジー」で人の可能性をプレイフルに最大化

「僕は、テクノロジーの力を借りて可能性をできる限り最大化していく場をつくっていきたいと思っています。

状況や環境などにめげることなく、テクノロジーという「何か」を使うことによって、できなかったことができるようになる体験を繰り返し、獲得したものを誰かに渡していくと世の中が変わっていくと信じているので、そのような場をつくっていきたいんです。

子どもたちの教室でも、好きなゲームをモチーフにしたことを遊びに結びつけて、それを数学的な学びに結びつけていけないかな、どうしたら遊んでいるかのように楽しんで学べるかなっていつも考えているんです。

これは組織開発にも言えることで、子どもたちがしている遊びの要素は、ある種大人の新規事業開発や、解決が難しいとされる課題に少し違う観点からアプローチをするのにとても有効なんです。
頭を使うよりも手先を動かしてみることで、観える景色が変わってくる。


合宿や何らかの「テクノロジー」を使って、皆がプレイフルに楽しみながら熱中できることをくり返していけば、自分の言葉で語ることができて、場が動いて、いつのまにか組織の目標をして、個人も元気になっていく。

綺麗な蝶々が飛んでて、それを夢中で追いかけていったら、いつのまにか山の頂上にいて、山頂にいたら、向こうにまた大きな山があって、次はあそこに行きたいなってワクワクする。

僕はそんな体験が誰でもできると信じているし、諦めていないんです。
子どもにも、むかし子どもだった人(大人)にも。

今後も、そのような場をたくさんつくっていきたいと思っています。」

手を動かしながらレゴ®ブロックを使い、対話に夢中になった合宿のひとこま。
大人も子どものように何かに夢中になるうちに、社会的な立場とはちがう発想が生まれてくる。


まとめ

「遊ぶように働く」という言葉を聞いたときに、みなさんはどのように感じますか?

今回の元木さんのインタビューから皆が遊ぶように働く世の中は決して夢物語ではないと感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今、何かの課題を抱えている方も、組織やチームも、火遊びが楽しくて夢中になった子ども時代を思い出して皆で焚き火を囲んでみませんか?

元木さん、素敵なエピソードや学びをたくさんいただき、ありがとうございました。
ではでは、また次回の合宿人ストーリーでお会いしましょう♪






この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?